雑想 2015年6月

      2024/01/07

ピエラヌンツィのピアノの音色は、CAMあってこそ

エンリコ・ピエラヌンツィの『プレイズ・ドメニコ・スカルラッティ』!

Camレーベルの録音の音と、ピエラヌンツィのピアノの音は、キース・ジャレットのピアノとECMの関係のように、切っても切れない関係だと感じます。

そんなカムジャズならではの太く暖かい音で、ピエラヌンツィのピアノの魅力を余すことなく捉えた作品が、イタリアの作曲家、ドメニコ・スカルラッティの作品を演奏した『プレイズ・ドメニコ・スカルラッティ』だと思います。

なにしろ、ピアノソロですから、彼のピアノの魅力を存分に味わえます。

疾走するけれども抜群の安定感。

涼やかだけれども、どこか必ず暖かい録音。

ピアニストとレーベルの音が絶妙なマッチングを見せています。

クレッセント ジョン・コルトレーン

リラクゼーション効果を求めてのアルバム『バラード』や『ウィズ・ジョニー・ハートマン』を鑑賞するのも良いんだけど、それらよりももう一段深いところのバラード表現、コルトレーンにしか出来ない、コルトレーンならではのバラードを味わいたければ、やっぱり『クレッセント』でしょう。

マニアになればなるほど、このアルバム好きな人多くなるんじゃないかな?

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ロン・カーター パレード

それほど愛着のあるアルバムというわけではないにもかかわらず、“この1曲”があるために、時々棚から取り出して聴いてしまうというアルバム、ありませんか?

私にとっては、ロン・カーターの『パレード』がそうです。

《ジプシー》という曲の、ロンの4ビートの刻みが凄い。耳が引き込まれてしまう。

ロンは、ベースソロなどとらなくていい、独特なバッキングのセンスを持っているのだから、ヘンにメロディなんて奏でようとしなくとも、ひたすらベース本来のバッキングの役割に徹すれば、これほどまでに印象的な演奏を残せるのに、と聴くたびにいつも思ってしまうのです。

ラスト・ワルツ ビル・エヴァンス

ビル・エヴァンスの『ラスト・ワルツ』は、エヴァンス晩年のライブの模様を8枚組のCDに収録したボックスセットです。

エヴァンスの晩年といえば、『コンセクレイション~ラスト・コンプリート・コレクション』というボックスセットも出ていますが、そこには収録されていない演奏がまだまだあったんですね。
(コンセクレイションとは重複しない)

おそらく最後だと思われる《ワルツ・フォー・デビー》の演奏も入っている!

たしかに体調が悪化し、友人からの治療&入院の勧めを押し切って演奏に臨んだエヴァンスのピアノは、タッチが荒く、ディスコードや、ミスタッチが散見されるのですが、そのようなことは些末なことだと感じてしまうほど、胸を打つパッションと美しさが感じられるのです。

エヴァンスファンなら聴いておきたい迫真&感動のドキュメントです!

というか、これほどまでにも壮絶な《いつか王子さまが》が、かつてあっただろうか?とも思いますね、《いつか王子さまが》を聴くと。

壮絶、の一言。

激しく立ち上るピアノの一音、一音が煌めくかのごとく美し過ぎます。

本当に、この頃のエヴァンスの体調は悪く、指がむくんでいてピアノが弾ける状態じゃなかったのだろうか?

そんな凡人の予想を裏切りまくって、激しい勢いでエヴァンスが空中に放り投げるピアノが疾走しまくります。

何かに憑りつかれたかのような、まるで生きている間に、ピアノから、もっともっとたくさんの音を搾り出さねば気が済まぬと言わんばかりの凄絶な《サムデイ・マイ・プリンス・ウィル・カム》は、エヴァンスにあまり詳しくない人でも、一聴すれば「美しすぎる異常事態」に気がつくはず。

とにかく凄い!

▼収録曲
disc 1
1. After You
2. Like Someone In Love
3. Polka Dots And Moonbeams
4. Emily
5. Turn Out The Stars
6. I Do It For Your Love
7. Nardis
8. But Beautiful

disc 2
1. Yet Ne'er Broken
2. Knit For Mary F
3. The Touch Of Your Lips
4. My Man's Gone Now
5. Turn Out The Stars
6. Your Story
7. Nardis

disc 3
1. Peau Douce
2. Yet Ne'er Broken
3. My Foolish Heart
4. Up With The Lark
5. Turn Out The Stars
6. I Do It For Your Love
7. Nardis
8. Noelle's Theme/I Loves You, Porgy

disc 4
1. Yet Ne'er Broken
2. Spring Is Here
3. Who Can I Turn To (When Nobody Needs Me)
4. Letter To Evan
5. If You Could See Me Now
6. The Two Lonely People
7. A Sleepin' Bee
8. Haunted Heart
9. Five

disc 5
1. Re: Person I Knew
2. Tiffany
3. Polka Dots And Moonbeams
4. Like Someone In Love
5. Your Story
6. Someday My Prince Will Come
7. Letter To Evan
8. My Romance
9. But Beautiful

disc 6
1. Mornin' Glory
2. Emily
3. For Mary F
4. Days Of Wine And Roses
5. Up With The Lark
6. My Foolish Heart
7. Nardis
8. But Beautiful

disc 7
1. My Foolish Heart
2. Nardis
3. Mother Of Earl
4. If You Could See Me Now
5. My Man's Gone Now
6. Who Can I Turn To (When Nobody Needs Me)
7. Waltz For Debby
8. Spring Is Here
9. Five

disc 8
1. Letter To Evan
2. My Man's Gone Now
3. 34 Skidoo
4. Spring Is Here
5. Autumn Leaves
6. Knit For Mary F
7. Nardis

「ようこそわが家へ」主題歌・嵐の《青空の下、キミのとなり》がなにげに良い

月9ドラマ『ようこそわが家へ』のエンディングを飾る《青空の下、キミのとなり》。

この歌、なにげに良いと思うんですよ。

自ら進んでジャニーズ系の楽曲を聴くことってほとんどないんですけどね。

だいたいドラマ経由で知ることがほとんどです。

ドラマのエンディングで流れる歌をなんとはなしに聴いていると、ときおり「おそるべしジャニーズ、侮りがたし!」と思わせる楽曲に出会うことが、たまにあるんですよね。

特にSMAPの曲に多いですよね。

たとえば草彅剛が初主演したドラマ『いいひと。』で、山崎まさよしのカバー曲《セロリ》なんかは、エレピのイントロを数秒聴いただけでハマってしまいましたね。あと、これも草なぎくん主演のドラマ『フード・ファイト』のラストの《らいおんハート》も良かったですね。

……って、両方古いし(笑)。
両方、草薙剛主演のものだなぁ。

まぁ、あとは好みの問題で、メロディや歌詞がベタベタ過ぎるものが多かったりすると、ちょっと敬遠……っていうのも少なくはないのですが、それでも、バックのリズムだけに耳を傾けると、さすがよく練れたアレンジだよな〜と感じることもありますね。

国内外の一流スタジオミュージシャンが演奏に参加していることも多く、ダテにお金をかけて作ってないな、と思わせることも少なくない。

そんな中で、最近ハッとなったのが「嵐」の《青空の下、キミのとなり》なんですね。

5話ぐらいまでは、「おお、来週はどうなるんかいな?」と期待を膨らませるとともに、ドラマの余韻にひたるためのBGM程度の認識だったんだけど。

しかし、ハッとなったのは、100円ショップで(笑)。

あ、今だと108円ショップというのかな?

とりあえず「税抜き100円の均一ショップ(100均)」に西洋アサガオの種と肥料を買いに行った際、たまたま《青空の下、キミのとなり》が流れてきて、なにげなく聞いていると、短く編集されたテレビバージョンよりも、ぜんぜん良いんですよ。

歌詞は「真実だけをMy LIFE/見つけたいよ MY TIME」あたりなんかは、「うわ〜っw(゚ロ゚;w」って感じなんだけど、まずは歌詞や歌以前にアレンジと音色がなかなかカッコいいと思ったんですね。

音色は、特にドラムの打ち込みの音が、なんか昔自分でオリジナル曲をDTMで作っていたときによく使用していたスネアの音がツボでしたね、まず。

あ、スネアの音っていうのかな、スネア的な役割を果たしている音色といったほうがいいのかもしれないのだけれど、要は「♪シュッ!」という硬さが取れた音で、通常の生ドラムにおけるスネアのアタック感は無いものの、軽やかな推進力を得られるような音色なんですよ。

わりと私、打ち込み音楽ではスネアの音色にはこだわるほうで、キック(バスドラ)の音色とスネアの音色のさじ加減で、かなりその曲が持つムードやスピード感は変わってくると思っているんですね。

だから、まず、この打ち込みドラムのスネアの音色にハッとなり、次にシンセベースね。

これも打ち込みなんだけれども、アナログシンセのミニムーグでこしらえたような腰と音色の太さが心地よいのと同時に、フレットレスのニュンスを意識したのかな? 音と音にポルタメントがかかった感じと、微妙に音の立ち上がり(アタック感)を緩めた音色で、ぬるーりと心地よい印象的なフレーズが数カ所、戦略的に挿入されているのよ。

それも、これ見よがしに何度も多用するのではなく、ポイントとなるところにビシッと挿入しているんですよね。

うーむ、おぬしやるな! かなり計算してるな!って感じで。

このドラムとベースのシンセの音色にすっかり魅了されてしまった私ですが、ようやく改めてメロディを追いかけてみると、ベタだけれども、「嵐」の各メンバーの歌声や、混声にはこれ以上ないほどフィットしたメロディラインなんですよね。

なかなか秀逸なアレンジの楽曲でなと、百円ショップの園芸品コーナーで目をキラキラさせていました。

この手のドラマのエンディングソングって、どうしてもドラマのイメージがこびりついて離れないものだけれども、この曲にかぎっては、ドラマの世界から離れた独立した元気な歌としても楽しめるはずです。

わりとおすすめ♪
(・∀・)b

記:2015/06/15

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