雑想 2016年3月

      2022/11/12

完全コピー グレート・ジャズ・ワークス マイルス・ファミリー編

譜面どおりに演奏すること。
これ、かなり勉強になります。

演奏しては、CDを聴きなおす。
足りないものを見つけ、また練習。

地道で、時間はかかるけれど、結局はジャズ特有のフィーリングを体感できる近道だと思います。

譜面どおり、パーフェクトに演奏できなくても、かなりジャズを聴く上での感性が拡がるはずです。

なにしろ、名演と呼ばれている演奏の中には、ジャズの栄養素がいっぱい詰まっていますから。

今、リアルタイムで活動しているジャズマンたちも、きっと、1曲ぐらいは下記名演のコピーをしたり研究をしているはず。

そのエッセンスが、カタチかわれど、脈々と受け継がれ、流れているのではないでしょうか。

つまるところ「温故知新」。

古いけれども、素晴らしい表現を自らの血肉にすることこそが、新しい表現へのヒントにもなるのです。

▼掲載曲
Milestones / MILES DAVIS
'Round Midnight / MILES DAVIS
Giant Steps / JOHN COLTRANE
Bye Bye Blackbird / MILES DAVIS
Say It (Over and Over Again) / JOHN COLTRANE
Walkin' / MILES DAVIS
Dolphine Dance / HERBIE HANCOCK
Spain / CHICK COREA AND RETURN TO FOREVER

ちなみに上記ナンバーだと、私は、学生時代にマイルスの《バイ・バイ・ブラックバード》のチェンバースのベースラインをコピーしてベースの練習をしたことがあります。

《ドルフィン・ダンス》は、ホット・ミュージック・スクールでの板谷博氏のアンサンブルクラスでトライした記憶がありますが、「う~ん、君はモードの勉強をするべきだねぇ」と言われてヘコんだ記憶があります(涙)。

完全コピー グレート・ジャズ・ワークス マイルス・ファミリー編

ラウンジ・リザーズ

一時期、フェイクジャズと呼ばれていたようですが、たとえフェイクだとしても、フェイクのセンスが素晴らしすぎるのです。

ちゃんと演奏すれば(?)ちゃんと出来る人達が、「ちゃんと」という中心軸から気持ちよく逸脱。

そして、そのズレの距離感やセンスがメンバー全員共有しているんですね。

だから、演奏が破綻しなどころか、むしろスリリングな緊張感も獲得しているという素晴らしさ。

あっという間に13曲が、脳の中を通り過ぎてゆくのです。

▼収録曲
1. Incident On South Street
2. Harlem Nocturne
3. Do The Wrong Thing
4. Au Contraire Arto
5. Well You Needn't
6. Ballad
7. Wangling
8. Conquest Of Rar
9. Demented
10. I Remember Coney Island
11. Fatty Walks
12. Epistrophy
13. You Haunt Me

ルイス・ヴァン・ダイク

トリオで奏でるヒット曲と映画のナンバーをピアノトリオで楽しめるルイス・ヴァン・ダイクの『ナイトウィングス』。

ベースがニールス・ペデルセンという強力サポート。

親しみやすいメロディで聴きやすいのですが、それだけではなく、饒舌なペデルセンに触発されたのか、はりきるヴァン・ダイクの溌剌としたピアノが聴きものなのです。

▼収録曲
1. ウィアー・オール・アローン
2. サムワン・ウォッチ・オーヴァー・ミー
3. ウィスパー・ノット
4. ユー・アンド・ミー
5. 葉書 (from 映画「ネバー・アゲイン・オールウェイズ」)
6. ナイト・ウィングス
7. カヴァティーナ (from 映画「ディア・ハンター」)
8. クロース・イナフ・フォー・ラヴ (from 映画「アガサ/愛の失踪事件」)
9. ラ・グランハ

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アール・ハインズ ファーザ

渋いジャケ写。
まるでブルースマン。

一瞬、ライトニン・ホプキンスのような長老格のブルースマンかと思いましたよ。

とはいえ、アール・ハインズも、ジャズピアノにおいては長老格。
なにせ「ジャズピアノの父」と呼ばれている方ですからね。

このアルバムの内容は、一言でいえば、簡潔明瞭。
わかりやすく、潔い!
12曲、36分があっという間に過ぎていくのです。

明るく力強いタッチは、さすが「ファーザー」の貫録。

というか、アルバムのタイトルは「ファーザ」ですが……。

▼収録曲
1. フランキー・アンド・ジョニー
2. イパネマの娘
3. ビリーヴ・イット・ビラウド
4. ルイーズ
5. セント・ジェームス病院
6. アヴァロン
7. ブリージン・アロング・ウィズ・ザ・ブリーズ
8. フレネシー
9. ブロードウェイ
10. トラヴェリン・オール・アローン
11. アット・サンダウン
12. ラニン・ワイルド

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リー・モーガン&クリフォード・ジョーダン

こんな録音が残っていたとは!

『ライヴ・イン・ボルチモア 1968』。

リー・モーガンとクリフォード・ジョーダンの汗水したたるライヴ!

ピアノがジョン・ヒックスでしょ、ベースがレジー・ワークマンでしょ、ドラムスがエド・ブラックウェルでしょ。

もうこれは、かなりの精鋭かつ重量級の布陣!

重さと瞬発力を備えたリズムセクションに煽られて、フロントの2人の吹奏は、水を得た魚のごとし。

そして、こちらに迫る熱気は、まさに男のジャズ!なのです。
いいよ、いいよ、いいよ。

さすがはフレッシュサウンズ。

マニア心をくすぐる音源を出してくれますなぁ。

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