雑想 2017年12月
2024/03/28
四間飛車上達法 藤井猛
四間飛車。
知ってはいても、どう活用して、どう勝ちに持っていくのか。
道筋が見えない初心者にわかりやすく解説してくれる本です。
知ってるだけではダメ。
何事もトレーニング、トレーニング!
ハンプトン・ホーズが奏でる《セント・トーマス》
ハンプトン・ホーズの『グリーン・リーヴス・オブ・サマー』。
なんと、なぜか(?!)、ソニー・ロリンズのカリプソ名曲《セント・トーマス》を弾いております。
ハンプトン・ホーズのピアノのタッチは、けっこう強い。
だからパキポキと聴こえる。
このパキパキとした歯切れの良い《セント・トーマス》に対しては賛否両論があるかと思いますが、個人的には、こういうのもアリかな?と思っておりまする。
もっと硬質で「寒い」タッチのデニー・ザイトリンの演奏もあったりしますからね。
西インド諸島のカリプソ、つまり暑い土地を彷彿とさせる素朴で親しみやすいメロディが奏でる人のタッチによって、
真冬になったり(ザイトリン)、初夏になったり(ホーズ)と、まるで表情が変わるところがジャズの面白いところでもあるんですよね。
ハンプトンのパキパキピアノといえば、このアルバムのタイトル曲である映画「アラモの砦」のテーマ曲の《グリーン・リーヴス・オブ・サマー》、果たして彼のピアノのタッチに似合うのかどうかという問題もありますが、最初は違和感を感じつつも、彼が本心から「この曲を弾いてみたい」という想いが切々と伝わってくるので、聴いているうちに、これはこれでアリだよな~なんて思えてくるので、不思議なものです。
ア・シンプル・マター・オブ・コンヴィクション ビル・エヴァンス
ビル・エヴァンスが初めてエディ・ゴメスと共演したアルバムが、『ア・シンプル・マター・オブ・コンヴィクション』。
ゴメスのベースの音色が、とても太くて円やか。
おそらく、このアルバムの録音技師がルディ・ヴァン・ゲルダーだということも関係しているのかも。
ゴメスのベースが、エヴァンスのピアノと綺麗に調和しているんだよね。
そして、鋭角的なアクセントというか、ビシッとシャープなシェリー・マンのドラムスのスパイスが効いていますね。
三者の個性が良い形で活きたピアノトリオだと思います。
ジャケットも秀逸。
▼収録曲
1. ア・シンプル・マター・オブ・コンヴィクション
2. 星影のステラ
3. アンレス・イッツ・ユー
4. ローラ
5. マイ・メランコリー・ベイビー
6. センチになって
7. スター・アイズ
8. オンリー・チャイルド
9. ジーズ・シングス・コールド・チェンジズ
坂道のアポロン 2018/03/10(土)全国ロードショー
about
『このマンガがすごい!2009』オンナ編第1位・第57回小学館漫画賞一般向け部門……
ジャズに魅了された高校生たちの青春を描き、2012年にはノイタミナでテレビアニメ化もされた小玉ユキの同名人気漫画を、知念侑李、中川大志、小松菜奈の共演で実写映画化。監督は、「青空エール」「ホットロード」など数々の漫画原作映画を手がける三木孝浩。
知念侑李が薫役、中川大志が千太郎役、小松菜奈が律子役を演じるほか、ディーン・フジオカ、真野恵里菜らが脇を固める。
あらゆる世代の、青春時代を経験したすべての人の胸を熱くする必泣の感動作が実写映画化!
story
医師として病院に勤める西見薫(にしみ・かおる)。
忙しい毎日を送る薫のデスクには1枚の写真が飾られていた。
そこには笑顔の3人の高校生が写っていた。
10年前の夏、二度と戻らない、特別なあの頃--。
あの夏、転校先の高校で薫は、誰もが恐れる不良、川渕千太郎(かわぶち・せんたろう)と運命的な出会いを果たす。
荒々しい千太郎の幼なじみの迎律子(むかえ・りつこ)と三人で過ごす日々。
ジャズのドラムを叩く千太郎と、幼いころからピアノを弾いていた薫は音楽でつながり、千太郎の幼なじみの迎律子を交えた3人で過ごす日々の中、やがて薫は律子に恋心を抱くようになっていた。
やがて薫は律子に恋心を抱くが、律子が恋焦がれるのは千太郎であることを薫は知ってしまう。
切ない三角関係ながら、千太郎とのセッションを楽しむ薫。
二人で奏でる音楽はいつも最高だった。
しかし、そんな幸せな青春は長く続かず、ある日、千太郎が薫と律子の前から突然姿を消してしまう。
data
監督:三木孝浩
原作:小玉ユキ
脚本:高橋泉
主題歌:小田和正
キャスト:知念侑李、中川大志、小松菜奈、真野恵里菜、山下容莉枝、松村北斗、野間口徹、中村梅雀、ディーン・フジオカ
製作年:2018年
製作国:日本
配給:東宝、アスミック・エース
上映時間:120分
映倫区分:G
記:2017/12/19
ポール・チェンバース・クインテット
ポール・チェンバースと相性の良いドラマーといえば?
まずパッと浮かぶのがアート・テイラー。
チェンバースのラインとテイラーのブラシの音が耳の中で鳴り始めている方は、かなりのハードバップ好きさんですね。
レッド・ガーランドの『グルーヴィ』とか、バド・パウエルの『アメイジングvol.5』とか、いいですよね。
次にパッと思い浮かぶのが、やっぱりフィリー・ジョー・ジョーンズですかね。
フィリージョーのスティックワーク。
力強いシンバルへの打撃音や、破裂するようなハイハットの「シャッ!」。
マイルス・クインテットの『リラクシン』などの諸作品を思い浮かべる方も多いと思います。
では、アート・テイラーやフィリージョー以外だと?
意外とエルヴィン・ジョーンズとの相性も良い。
コルトレーン・カルテットでのエキサイティングなポリリズみまくりなドラミングも彼の持ち味ですが、じつは、かなり繊細で腰のあるドラムも叩く人なんだということが、『ポール・チェンバース・クインテット』を聴くとよーく分かります。
ハードバップ名盤であることは言うに及ばず、ベーシストリーダーの名盤であることと同時に、ドラム名盤でもあるのです、じつは。
▼収録曲
1. Minor Run-Down
2. The Hand Of Love
3. Softly As In A Morning Sunrise
4. Four Strings
5. What's New
6. Beauteous
7. Four Strings (Alt.Tk)
ジミー・スミス・プレイズ・プリティ・ジャスト・フォー・ユー
ブルーノートは1563番、『ジミー・スミス・プレイズ・プリティ・ジャスト・フォー・ユー』。
ブルーノート1500番らしからぬ(?)、穏健かつ無難なジミー・スミスだ。
これは、穏健なジャケットからも中身が想像出来るかもしれないけれども、まさにジャケット通りの内容というべきか。
クオリティの高い演奏ではあるのだけれども、この時期の他のアルバムと比べると攻撃性が希薄。
より多くのリスナーに、ジミー・スミスのオルガンを無難に楽しんでもらおうという趣旨で作られたのだろうね。
ま、聴きやすいっちゃ聴きやすい。
ただ、『アット・ジ・オーガン』シリーズなどの勢い溢れる演奏に慣れてしまうと、もっと「ドバーっ!」とやってくれ~という欲求不満はつのるかもしれない。