雑想 2011年4月
2023/02/02
ゴーイン・アップ フレディ・ハバード
ファースト・リーダー作にして名盤の『オープン・セサミ』から約半年後の録音のブルーノート2枚目。
ハバードの張りと伸びのあるトランペットはもとより、ハンク・モブレイのテナーがいい。
フィリー・ジョー・ジョーンズのドラムもいい。
このアルバムを1本の映画だとすると、
フィリー・ジョー・ジョーンズのドラムは、演出をドラマティックに盛り上げる派手なSEやSFX効果。
そして、モブレイは間違いなく助演男優賞候補の演技をみせています。
ハバードファンのみならず、モブレイ好き、フィリー・ジョー好きにとっても必携のアルバムなのです、これは。
ウィントン・マルサリス vs. ラッシェル・フェレル
このジャズフェスには行けませんでしたが、その後テレビで放映された番組を録画。
そして、夜の部のジャムセッションがすごく気に入りました。
なんといっても、ウィントンと超個性的かつ強烈なラッシェル・フェレルの掛け合いが面白く、一時期は、録画したVHSビデオを擦り切れるほど観たものです。
マウント・フジ・ジャズ・フェスティヴァルの1987年8月25日の映像です。
Marsalis & Ferrell
ベニー・グリーンさんのピアノも何気に良い。
ドン・ウィルカーソン プリーチ・ブラザー
レイ・チャールズのバンドにも所属していたテナー吹きのドン・ウィルカーソン。
彼のコテコテさ、クドさは、聴くときのコンディションが悪いと、ゲップものですが、明快すぎるほどの分かりやすさには、ついつい頬が緩んでくることも確か。
なんといっても、ピアノがソニー・クラーク、ギターがグラント・グリーンですからね。
ほとんどR&B、あるいはR&Rなピアノのバッキングには、『クール・ストラッティン』の面影はほとんどありません。
ところで、このアルバム、
レコードだと、今は4万円以上の値がついているんだね。
驚き。
アット・ザ・ジャズ・コーナー・オブ・ザ・ワールド
アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズの『アット・ザ・ジャズ・コーナー・オブ・ザ・ワールド』!
『モーニン』を録音してから数ヵ月後のメッセンジャーズのライブですね。
音楽監督&テナーサックスが、ベニー・ゴルソンからハンク・モブレイに変わって、サウンドもかなり変化したメッセンジャーズ。
リー・モーガンが快調に飛ばしています。
そのぶん、モブレイが地味に聴こえてしまうのですが、モブレイがいると、調子が出ることの多いリー・モーガンにとって、モブレイの存在は、己のプレイをより一層高いところに飛翔させるための、踏み台(?)だったのかもしれません。
「バードランドの夜」でお馴染みの、あの甲高い声でアナウンスする名物男、ピー・ウィ―・マーケットの声も聴けます。
目立つと叩かれる。
確実に叩かれる。
目立ち方如何に問わず。
人の足を引っ張るエネルギーがあるのならば、自分自身を1ミリでも向上させる努力をした方が良いのに、そのエネルギーを人の才能を1ミリでも自分側に引き寄せる努力に全力投球するヤカラは腐るほどいる。
だから、異常なほどに自己顕示欲が強い人間以外は、目立つことは考えない方が良い。
ロクなことないから。
引っ張れられるから。
恣意的に誤読されるから。
揚げ足取られるから。
引きずりおろそうとする悪意の空気に苛まれるから。
目立つことの快感を「10」とすると、目立ったことによる負の精神的ダメージは「-30」以上だ。
それでも目立ちたい、特定の人間に対して優越感を感じたいと思う人間のみ、目立つことに精進するがよろし。
トミー・フラナガン ハンク・ジョーンズ 未発表音源
1993年、フランスのマルシアックで行なわれたライブ盤。
トミー・フラナガンとハンク・ジョーンズ最後の共演盤でもある。
ファンには嬉しい未発表音源がついに日の目を見た。
編成は、様々で、
トミー・フラナガン・トリオ、
ハンク・ジョーンズ・トリオ、
トミーとハンクのデュオ、
彼ら2人のピアノにリズムセクションという4部構成になっている。
充実の演奏、飽きない演奏、いつまでも聴いていたい至宝の時間。
トミー・フラナガン、& ハンク・ジョーンズ(p)
ハイン・ヴァン・デハイン(b)
イドリース・ムハマッド(ds)
▼収録曲
ディスク:1
1. Intro by Andr Francis
2. Con Man
3. I Waited for You
4. Tin Tin Deo
5. Epistrophy
6. Speak Low
7. Polkadots & Moonbeams
8. Bluesette
9. Recorda Me
ディスク:2
1. Intro by Tommy Flanagan
2. Our Delight
3. A Child Is Born
4. Confirmation
5. Moose The Mooche
6. Blue Monk
7. Relaxing At Camarillo
ザッツ・ホエア・イッツ・アット スタンリー・タレンタイン
ド迫力ジャケ写の素晴らしいスタンリー・タレンタインの蒼黒い快作、『ザッツ・ホエア・イッツ・アット』!
西海岸のピアニスト、レス・マッキャンとの組み合わせが興味深く、かつ、予想外に良い効果を生んでいる。
タレンタイン流のコブシ回しが、たまらん!!
Train’s Comin’ ジョン・コルトレーン
キャリア初期のコルトレーンを一度にまとめ聴きしたいときに便利なセット。
コルトレーン初心者向けではあるけれども、
ヌケやモレがあるのなら中級ファンにもおすすめかも。