カフェモンマルトル

text:高野雲

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2000年の雑想

      2017/05/17

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2000年12月の雑想

バックアップはマメに

会社に常駐しているシステムエンジニアや、パソコンの周辺機器の広告の制作に携わっている人も、口をそろえてハードディスクの寿命はだいたい2年、もってもせいぜい3年だと言っていた。

iMacを購入して2年たつが、まるで示し合わせたかのように、ちょうど2年を過ぎた時分から調子が悪くなりはじめ、ついに起動する度に爆弾マークのが表示されてしまうという事態に陥り、泣く泣くリストア用のディスクから立ち上げてハードディスクを初期化するハメに。

日頃バックアップを取る習慣がなかったものだから、デジカメで撮影した写真画像やらホームページのデータや、ホームページ用のネタやメモがすべてなくなってしまったので、意気消沈すると同時に、面倒くさいのだけれど、バックアップはマメとらなくてはならんのだということが、よ~く分かった。

記:2000/12/31

日本が生んだ20世紀最大の発明

米国郵政公社発表の各時代を象徴するモノは、1970年代が「ピース・マーク」、1980年代が「ビデオ・ゲーム」、1990年代が「携帯電話」なのだそうだ。

一方、新聞やテレビで何度も報道されたのでご存知の方も多いと思うが、日本が生んだ20世紀最大の発明の第一位が「インスタント・ラーメン」なのだそうで。
なにか、他にもなかったっけ?とも思うが……。

日本という国は、20世紀にインスタント・ラーメンを生んだ東洋の国として未来永劫、世界の歴史の教科書に記されつづけることであろう(なわけないか)。

記:2000/12/31

ベーシスト体質

ベースをやっていると、どうも耳が批評的になってくるようだ。

リズムを担うドラムスと、ハーモニー(リズムもだが)を担うギターやピアノといったコード楽器の「つなぎ」的な役どころなので、ドラムのリズムの乱れや、コード楽器の音痴な箇所。

そして、気持ちは分かるのだけれども実力の伴っていない演奏上の「妙な色気」のようなものは、弾いている最中にリアルタイムで生理的な違和感や不快感としてダイレクトにカラダが反応してしまう。

そういった意味では、ベースというのはサウンド全体を見渡せるという絶好のパートなのかもしれないし、だとすると、ベーシストがリーダーのバンドも多いのも頷けるような気がする。

記:2000/12/26

アウトバーン・ツアー

クラフトワークの『アウトバーン・ツアー』という'75年のライブを収録したアルバムは、英語のMCがあったり、曲間が妙に長かったりする初期のクラフトワークのライブの模様を生々しく捉えた中々興味深い音源だ。

しかし、それ以上にジャケットのデザインに惹かれてしまう。

恐らく立体交差の道路(アウトバーン)をあしらったデザインなのだろうが、とてもシンプルで単純な線で構成されたロゴマークが非常にカッコ良く、黒地に青のロゴが映えるジャケットのデザインは、いつ見ても見飽きることがない。

アウトバーン・ツアーアウトバーン・ツアー

記:2000/12/24

活字中毒

音楽は何日聴かなくても平気だが、手許に本が無いと落ち着かない性分だ。

カバンの中には数冊の本が必ず忍ばせてあり、通勤の途中や、ランチの後のコーヒーブレイク、そしてトイレで用を足す際など、ちょっとした時間の隙間の穴埋めに読むのが習慣となっている。

一度通勤途中に、カバンの中に入っていた読みかけの本すべてを読了してしまい、することがなくなった電車の中で、どうしようもないほどパニック状態に陥ったことがある。 辛うじて車内の中吊り広告を隅から隅まで読んで我慢したが……。

何かを得る、学ぶ、というよりも、私にとっての読書は暇つぶし、手持ち無沙汰を解消する手段なのだと思う。

記:2000/12/08

大江戸線

先日、開通したばかりの大江戸線に乗ってみた。

両国、上野、かちどき、都庁前など、都内の「かゆいところ」を結んでいる地下鉄で、いままでは地下鉄日比谷線しか通っていなかった六本木へよく行く遊びに行く私にとっては、非常に重宝する線になると思う。

それにしても驚いたのは、車内の狭さ。身長のデカい私にとっては、小人の国の電車に乗ったような感じだった。

記:2000/12/24

下剋上エクスタシー

先日発売された椎名林檎のDVD・『下克上エクスタシー』は、収録曲が17曲と多い上に、オマケの映像も豊富に挿入されているサービス満点の内容、末永く楽しめそうなソフトだと思う。

この映像を見れば、楽器をやっている人の誰しもが思わず楽器を手に取り夢中になって弾きはじめるだろうし、バンドでヴォーカルをやっていない女性も、部屋を渋谷公会堂、自身を林檎に準(なぞら)えて、一緒に口ずさみ始めるに違いない。

それにしても、あれだけ実力と個性を兼ね備えたツワモノたちをバックのバンドに従えて堂々とした歌いっぷりを見せつける椎名林檎の恰好良さは、本当に憎らしいくらいに羨ましい。

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記:2000/12/12

オールド・クロウ

松田優作が生前下北沢のジャズ・バーにボトル・キープしていたバーボンがオールド・クロウ。

バーボンといえばワイルド・ターキー党な私だが、先日あるバーで初めてオールド・クロウのロックをオーダーしてみた。

切れ味と腰が予想以上に強くて、ターキーのような豊饒なコクはなく、そのかわりに棒を切ったように武骨で攻撃的な感触は、まるで遺作となった『ブラック・レイン』で優作演じる、どこまでも鋭利な"サトー"そのもののような気がした。

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記:2000/12/12

お愛想?

飲み屋で会計の際に、店の人に「お愛想して」と言う人をよくみかけるが、「(お)愛想」とは、店が客に対して「粗末な酒肴ではございましたが、代金なんかを頂戴いただけると嬉しいです(ニッコリ←愛想)」というニュアンスの言葉なので、客が使うべき言葉ではない。

また、人さし指をクロスさせて額の高さで×印を作ったり、気取って「チェックしてください」という人もいるが、なんて言うか個人的には非常に格好わるいような気がする。

何もヘンなところで格好をつけようとせんでも、普通に 「お勘定してください」と言うのが、正しく、スマートなのだと思うのだが。

記:2000/12/10

2000年11月の雑想

ドラム

もっとも音量があるゆえに、もっとも知性が必要とされる楽器。
ゆえに、バカが叩くとそれこそ「キチガイに刃物」となる。

サウンドのボトムを支えるのは確かにベースで、締まりのないベースのアンサンブルも興醒めだが、それ以上にアンサンブルの方向付け・色付けは、もっとも音量と場の支配力の強いドラムに左右されるので、ドラマーは演奏全体を見渡して当意即妙にナビゲートし、なおかつ山場と谷間をつくり出すことが出来るよう「音楽」を深く理解している必要がある。

アート・アンサンブル・オブ・シカゴのリーダーだった故レスター・ボウイが知ったかぶりな記者から「ドラムはプリミティブな衝動と~」と言われた途端、「冗談じゃない、ドラムこそ知性が必要な近代的な楽器なのだ」と一喝したのも頷ける話だ。

記:2000/11/25

2000年9月の雑想

The Madmen/YMO

サーヴィスサーヴィス

畳み掛けるようなせわしない16ビートに、時おり挿入される細野さん独特のベースの「濁った」スラップ音、そして細野さんの乾いた硬質なヴォーカル。

YMOのラストアルバム『サーヴィス』の中で、一際異彩を放ち、100パーセント細野さんまる出しの《The Madmen》はいつ聴いてもカッコいい。

歌詞は、何となく戸川純の《森の人々》を彷佛させる世界観で、不気味&お茶目。

記:2000/09/11

誘惑~口説き上手

具体的な言葉は何も発しないし、行動や表情の変化も見せないのだが、微妙な空気の濃度だけを自由にコントロール出来る「口説き上手」な女性が、たまにいる。

彼女の発する微妙な「空気の揺れ」を注意深く察知し、具体的なアクションを起こすのは男の側で、あくまで決定権と主導権はこちら側にあるのだ、という振るまいは崩さないことが肝要だ。

お釈迦様の手の中の孫悟空のように、一見イニシアチブは男が握っているかのようだが、実はその逆で、少しずつ蜘蛛の巣に絡め取られていく獲物を、ただただ「口説き上手」な女性は動くこともなく、しなやかに男の為すがままな状態の中で、心の中では妖しい微笑を浮かべているのだろう。

記:2000/09/13

夫のエゴ

自慢じゃないが、私の女房は美人だし、美人だから結婚した。

勿論、それだけの理由で結婚したワケじゃないが。

だから、もし冗談や謙遜でも女房が「どうせ私はブスだから」などといった、自らを卑下するような言動、素振り、態度をとろうものなら、即刻私は彼女を張り倒すだろう。

何故なら、女房にはいつだって綺麗でいて欲しいし、自分のことを自ら「ブス」と言ったり、或いは愚痴や弱音を吐くような情けないオンナを生涯の伴侶に選んだ自分自身のセンス、大袈裟に言えば全存在が否定されたに等しいからだ。

記:2000/09/09

2000年8月の雑想

疲れと睡眠不足は「汗」で解消

仕事や呑みでなどで、深夜どころか、朝の6~7時に朝帰りすることも多いため、私の睡眠時間は1日に平均3時間、ひどいときは30分だけ横になって出社、という日もめずらしくない。

どんなに短い睡眠でも、寝ている間はシーツがグッショリと濡れるほどの汗をかく。

その汗が、アルコールや「疲れ」の成分の集積で、カラダが必死になって元のコンディションに戻るように調節した結果なのだろうな、と考えることにしている。

実際、寝汗をたくさんかいた日は快調で、どんなに睡眠時間が少なくとも、仕事に差し障ることはほとんど無い。

記:2000/08/22

2000年7月の雑想

オルレアンの噂

一時期まことしやかに囁かれた噂に、

香港で新婚(ツアー?)旅行中の女の子が試着室に入ったら行方不明になり、娘の行方を案じた親は、日本のヤクザの裏ルートを通じて娘の居場所をつきとめてもらうが、現地の見世物小屋で再開した娘は、腕と足を切断されたダルマ女さながらの変わり果てた姿だった

というものがある。

これは、フランスの「オルレアンの噂」という、ユダヤ人の店で女の子が行方不明になるという、社会学的にも有名な話の変種で、団体旅行のツアコンがツアー参加者が勝手な行動をとらないための戒めに使った話に過ぎないのだそうだ。

「口避け女」「割り箸を持った朝鮮人」などといった、近くて遠い、未知なものに抱く我々の恐怖感から生み出される共同妄想(?)は、幽霊目撃談よりも、はるかにリアリティがある分、怖い。

※参考文献:西本健一郎『間違いだらけの海外個人旅行』

記:2000/07/15

2000年6月の雑想

フィニアス・ニューボーン Jr.

女房が好きだというアルバムの一枚にドラマーのロイ・ヘインズがリーダーの『ウィ・スリー』がある。

ピアノがフィニアス・ニューボーンJr.のトリオ編成で、何の大仕掛けも大上段に構えたところもないアルバムなのだが、とても洒落たフィーリングに溢れていて、私も最近はよく聴くようになった。 私はフィニアス・ニューボーンのピアノは、高音部のタッチがとても美しいと思っているし、圧倒的なテクニシャンと謳われてはいても、ただ単に指が動くだけではなく、「聴かせる」ピアノをきちんと弾くことができる非常にツボの抑え所が巧みなピアニストだと思う。

We Three: Rudy Van Gelder Remasters SeriesWe Three

記:2000/06/10

2000年5月の雑想

ジャズメン

辛口JAZZノート辛口JAZZノート

ジャズマンはすべからくダンディであるべし。恰好よくなければジャズメンではない。ダンディなジャズメンは演奏もダンディだ。

ジャズ喫茶「メグ」のマスターであり、評論家でもある寺島靖国氏の名言だ。

私もダンディなジャズマンを目指したいものだ。
って、………無理か?

このような断定的フレーズ満載のジャズに関する独断と偏見本(?)『辛口ジャズノート』は名著です。

記:2000/05/21

「ソロ」とういフォーマットが好きだ

好きなフォーマットは一概には言えないが、私の場合は人数が少なければ少なくなるほど興味がわきやすい。

ビッグバンドよりはコンボ。
クインテットよりはカルテット。
カルテットよりはトリオ。
トリオはトリオでもピアノトリオよりはピアノレストリオ。
トリオよりもデュオ。
そしてデュオよりはソロ。

他人と協調する必要のない、アンサンブルを念頭に置かない自己表現は、演奏者の特質と内面を過酷なまでに浮き彫りにするので、その誤魔化しの効かない、ただならぬ緊張感に惹かれるからなのかもしれない。

記:2000/05/21

サンダーバード 非アメリカ的ヒーロー

ピンチの場面に遭遇したとき、きっとアメリカン・ヒーローならばブシツケに、そして派手で恩着せがましく颯爽と登場するところだが、初登場のサンダーバード1号の場合は、空港の管制塔に着陸許可を求め、着陸希望滑走路を伝えた。

その律儀さと、現実的な描写が好きだ。

事故現場、移動指令室、国際救助隊本部との「ほう・れん・そう(報告・連絡・相談:ビジネスの基本中の基本)」が終始徹底していて、スタンドプレイ無しの緊密なチームプレイが救助成功の鍵となっているところが良い。

国際救助隊のロケットの秘密を暴くために、あの手この手と作戦を考えるだけではなく、実際に何から何まで全て一人で行動し、どんなに手痛い目にあってもメゲずない悪役・フッドのマメさと、ヘコタレなさも敬服に値する。

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記:2000/05/21

ピアノ

ピアノは打楽器、だと思う。

西洋平均律という太いクサリによってガンジガラメにされた、不自由、かつ制御の困難な手強い巨人だ。

鍵盤を叩き、コネくり回し、倍音の悲鳴を上げさせ、いつしか飛翔させてあげられる日がやってくるまで……。

記:2000/05/21

カインド・オブ・ブルー/マイルス・デイヴィス

Kind of BlueKind of Blue

私にジャズをずっと聴き続けていこう、と決心させたアルバム。

メンバー全員が、静かに燃える情感を決して演奏表面には出すことなく、並々ならぬエネルギーと集中力の方向をむしろ内側に向けて、深く深く静かに潜行してゆく。

演奏者フィーリングと、その場を支配したムード、そしてほんの一分の隙さえも許されないタイミングの一致が、ひと粒の青白い結晶体に昇華された、類い稀なる一枚のアート作品。

記:2000/05/21

ビッチェズ・ブリュー/マイルス・デイヴィス

ビッチェズ・ブリュー+1ビッチェズ・ブリュー+1

音による壮大な物語。
音による壮大な祭典。

フレーズ云々、ジャズ的 or 否ジャズ的などといった思い込みを排し、ただただ圧倒的な音塊の一瞬一瞬に身を任せるのが正しい聴き方だろう。

圧倒的なリズム群の中から見えかくれする、抽象的なマイルスのラッパは、重く、そして深い。小ぽけな脳みそを駆使して意味などを探ることはいったん休止しよう。圧倒的な音の群像の中に浸ることに集中しよう。

Bitches Brew (Columbia)
- Miles Davis
Miles Davis(tp),Wayne Shorter(ss),Bennie Maupin(bcl),John McLaughlin(el-g),Chick Corea(elp),Joe Zawinul(elp)Larry Young(elp),Dave Holland(b),Harvey Brooks(elb),Jack DeJohnette(ds),Lenny White(ds),Charles Alias(ds),Jim Riley(per)
1969 Aug.
●Pharaoh's Dance,Bitches Brew,Spanish Key,John McLaughlin,Miles Runs The Voodoo Down,Sanctuary

記:2000/05/21

感性

個人の感性に基づく「好み」というものは、本人が自覚している以上に、自身を取り巻く環境や、幼少時からの体験の積み重ねによって規定されるものだと思う。

私がそう考えるようになったのは、(あくまで私から見て)大したことがなかったり、センスの無い人物ほど、やたらに「感性、感性」という言葉を連発するのを目の当たりにしたから。

この考えに基づいた意見は、当ページの別の記事にも書いたし、これからも書いていくかもしれないです。

記:2000/05/21

エリック・ドルフィー

好きなジャズマンの一人にエリック・ドルフィーがいて、彼の参加アルバムは、ほぼ耳を通している。

彼の奏でるアルト、バスクラリネット、フルートのどれもがスピード感に溢れ、その肉感的な音色と、聴いたこともない独創的で跳躍の激しいフレージングは、聴いた瞬間に病みつきになってしまった。

好きなアルバムは、たくさんある。

幾何学音楽とでも言うべき『アウト・トゥ・ランチ』。

我をも忘れてついつい聴きいってしまう熱いライブ『アット・ザ・ファイヴ・スポット vol.1』。
ひたすら不気味で怪しい『アザー・アスペクツ』などなど。

これらの音源は、ナガラ用のBGMとしてではなく、真剣に音楽に対峙したい時についつい手が延びてしまう、手強くも奥の深い素晴らしいアルバムたちだ。

記:2000/05/21

演奏速度

どの楽器でもそうなのだが、ベテランによるアップテンポの演奏は、実際の速度よりもゆったりと聴こえることが多い。

もちろんその逆もあって、実際のテンポ以上にスピード感を感じさせる人も多いが……。

特にスゴイなといつも思うのは、デクスター・ゴードンのレイドバック奏法。

間の取り方といい、たっぷりと余裕を持ったフレージングといい、熟練者ならではの余裕を感じる。

私のベースなどはまだまだで、ミドルテンポの曲でも、せかせかとした余裕の無い演奏になりがちなので、なお一層の精進を重ねたいものだ。

記:2000/05/21

ウッドベース

今ではエレキベース専門の私だが、以前は少しだけウッドベースを弾いていたことがある。

屋内、それもあまり広くないスペースと限定されはするが、ウッドベース独特の、空気をゆっくりと震わせ、空間包み込むかのようなサウンドは、エレキベースでは絶対に出せない。

いずれ再チャレンジして、あの豊穣のサウンドをこの手で奏でてみたいと思っている。

記:2000/05/21

YMO

小、中学生の頃、夢中になって聴いていた音楽がYMO。

最初に虜になったのは、《東風》や《テクノ・ポリス》、そして《ライディーン》などといったキャッチーな曲だったが、次第に彼らの暗く内省的なサウンドに惹かれ、特に『BGM』と『テクノデリック』は、本当に何度も何度も繰り返して聴いた。

少しでも彼らのサウンドに近付こうと、シンセやリズムマシンを買い、ラジカセやMTRで多重録音を繰り返し、彼らを発端に、少しずつ少しずつ聴く音楽の枝葉が拡がってゆき、今ではジャズや椎名林檎を演奏し、ピアノを叩きながら絶叫している自分がいる。

記:2000/05/21

at HURRAH/YMO

ビデオでは分散収録されていたYMOの「ハラー」でのライブ映像が、コンプリートな形で編集されたDVDで発売されていたので、改めて購入、観賞してみた。

カメラが高橋幸宏のドラムばかりを捉えているためか、どうしてもドラムを中心に見てしまうが、やはり幸宏の正確でなおかつグルーヴしているドラム・ワークは凄い(特にハットワークが)。

オイシイところは渡辺香津美がギターソロで持っていってしまうし、アッコちゃん(矢野顕子)はバックコーラスや『在広東少年』でスポットを浴びて華があるのだがが、この時の教授は、後年の『ウインターライブ』や『散解ライブ』のステージングと比較すると、信じられないくらい地味な存在だったのだな。

COMPLETE HURRAH [DVD]COMPLETE HURRAH [DVD]

記:2000/05/21

坂本龍一と細野晴臣

元YMOのこの二人の音楽性の違いは、たとえば二人とも手掛けたことのある「沖縄(風)音楽」に対する取り組み方の違いにヒントがあると思う。

教授(坂本)の場合は、沖縄ペンタトニック・スケールの導入や、現地の伝統音楽奏者を雇うことによって、技術的、プロデュース的な対処の仕方で音楽を作ったことに対し、 細野さんの場合は、実際に現地へ赴いて土地独特の伝統・文化・風習を吸収しつつ、その土地の師承から楽器を習ったりと、実地体験からその土地の音楽の根っこを理解しようとした。

商業的に成功しているか否かの一点のみにおいての比較では教授に軍配が上がるかもしれないが、私としては、どちらかというと、細野さんの求道者的姿勢の方に共感している。

記:2000/05/21

インスタントコーヒー

コーヒーは好きだが、インスタントコーヒーはもっと好きだ。

1日に10杯近くは飲んでいるし、旅や出張の時もカバンの中にインスタントコーヒーの小瓶を忍ばせるのが常だ。

朝一番に飲むコーヒーは、インスタントコーヒーじゃないとダメで、ホテルや喫茶店の本格的なコーヒーだとちょっと調子が狂うのだ。

もはや、コーヒーとインスタントコーヒーは、ラーメンとカップラーメンと同様に、別種の飲み物だと思っている。

記:2000/05/21

浪費

遊び過ぎだ、ムダなお金と時間を使い過ぎだと人からよく言われる。

しかし、無駄なお金と時間を使わなければ人間は成長することが出来ないと思うし、歌舞伎役者や小説家などは、その昔からムダなお金と時間を使っているから、それなりの成長をすることが出来たのだと思っている。

自己弁護かもしれないが、私自身はそう信じているし、今のムダ(だとは思っていないけど)が、必ず将来のより大きなステップになると信じて、今日も夜の街へと繰り出すのであった(笑)。

記:2000/05/21

ビーチ・ボーイズ

ビーチボーイズを忘れた頃にたまに聴く。

低音をあまり感じないサウンド。

彼らのサウンドにはオーディオのシステムから出る音よりも、むしろラジカセのような安めな再生装置がよく似合う。

「シャリシャリッ! うん、それでいいのよ。」
そう言って、ビーチボーイズ好きの彼女は笑った。

Surfin Safari / Surfin UsaSurfin Safari/Surfin Usa

記:2000/05/21

バンドのMC

私自身も気をつけなければと思うことなのだが、アマチュアのライブのMCでありがちなのが「あまり練習してませんけど……」ってやつ。

自信のなさからくる、うまくいかなかった時のための予防線なのだろうが、観客にとっては、良い演奏、楽しい演奏を聴かせてもらえれば、練習しようが、していまいが、そんなことどうでもいいことなんだよね。

下手なら下手なりに、練習してないならそれなりに、一生懸命演奏してくれた方がこちらとしては楽しめるし、好感を持てると思うのだが。

プロは絶対にそんなこと言わないよね。
「練習してないんですけど」。
この一言で、「金返せ!」の罵倒が飛ぶ。だから、たとえ練習していなくても、そんなことは言わない。

「金返せ!」を言われる可能性の少ない、あるいは「金返せ!」と言いたくなる客の気持ちをイメージできないアマチュアは、こういう点一つとっても、プロよりも甘いといわれても仕方が無い。

記:2000/05/21

マカロニほうれん荘

小学生の時は、『少年チャンピオン』に連載されているこの漫画に夢中だったし、今でも時折、愛蔵版を時々読み返しては笑っている。

何しろ、1コマ1コマに封じ込められた絵の躍動感がスゴく、漫画全体から強烈なビートを感じる。

ヒゲ、グラサン、ひし形口のトシちゃんが大好きで、早くあのような大人になりたいと思っていたものだが、気が付けばとっくに彼の年齢をとっくに追い越してしまっている自分がいた。

マカロニほうれん荘 (2) (少年チャンピオン・コミックス)

記:2000/05/21

街の灯

東京の街の灯は白銀灯なので、白っぽく、無機質に風景が映る。

一方ニューヨークやヨーロッパ諸国の街灯は、ブラウン系のタングステンなので、夜の街が綺麗に見える。

海外のほうが、日本の街の風景よりも絵になりやすい、と漠然と感じている人も多いと思うが、それには理由があったのだ。

記:2000/05/21

レッド・ガーランド

レッド・ガーランド・アット・ザ・プレリュード+5

除隊後に念願のプロ・ボクサーになったレッド・ガーランドは、たちまち試合で30勝をあげたが、クリーブランドでの試合に予定された相手の都合が悪くなり、代わりに立てられたのが、かつて一緒に練習をした仲間だった。

友人を殴り倒す気になれず、判定負けを喫し、マネージャーからはボクサーに向かない男だと見離されたため、ジャズピアニストに転向した。

もともとレッド・ガーランドは大好きなピアニストだったが、このエピソードを知ってますます好きになった。

記:2000/05/21

天下多忌諱

天下多忌諱、而民彌貧
~天下に忌諱多くして、民いよいよ貧し

技術が進めば進むほど社会は乱れ、
人間の知恵が増せば増すほど不幸な事件が絶えず、
法令が整えば整うほど、犯罪者が増える。

「老子」からの引用だ。
昨今の社会を賑わしている一連の少年犯罪や、通り魔殺人などといった暗い事件を持ち出すまでもなく、まさに真理を突いている言葉といえる。

記:2000/05/21

兵法

孫子の兵法や宮本武蔵の戦法は、意地悪な見方をすれば「卑怯」な戦い方だ。
孫子は用間(スパイ)の重用を力説しているし、武蔵は勝てる相手と勝てる戦い方しかしていない。
自分と相手の実力を正確に把握した上で、「では、どうすれば勝てるか。そして今の自分には何が出来るか」と、考えを冷静に煮詰めてゆくと、良く言えば“合理的”、悪く言えば“卑怯な”戦法に辿り着くのだろう。

新訂 孫子 (岩波文庫)新訂 孫子 (岩波文庫)

記:2000/05/22

勝訴ストリップ

椎名林檎の2枚のアルバム、個人的にはどちらも好きで優劣をつけ難いのだが、『無罪モラトリアム』を聴くときは「作品集」として、『勝訴ストリップ』を聴くときは1枚の「作品」として聴いている。
もっとも、厳密に区分して聴いているワケではないのだが。

『無罪~』は聴きたい曲を選曲して聴くことが多いが、『勝訴~』は、どうしても一曲目からラストまで通しで聴いてしまうし、曲を飛ばしてかけようという気が全くおきない。
そういった意味では、非常にレコード的な作りであるのと同時に、トータルアルバムとしての完成度が高いのだと思う。

勝訴ストリップ勝訴ストリップ

記:2000/05/23

ブラインド・レモン・ジェファーソン

ザ・ラフ・ガイド・トゥ・ブラインド・レモン・ジェファーソン(ボーナスCD付き )

ボブ・ディランがカバーした《See That My Grave Is Kept Clean》という曲を作り&歌い、憂歌団が『シカゴ・バウンド』中に歌う「メクラのレモンも死んじまったし…」のレモンとは、テキサス出身のブルースマン、ブラインド・レモン・ジェファーソン(ジェファスン)。

戦前のカントリープルースの代表格といわれている彼の、流れるように朗々としたギターとヴォーカルはとてもピュアだ。

夥しいスクラッチ・ノイズの向こうに垣間見る、骨太で力強い彼のギターと歌を聴くたびに、自分の中に流れる慌ただしい時間意識と、彼の体内に流れていたであろう悠久な時間の流れの差に、いつも唖然としてしまう。

記:2000/05/24

牛丼

皆さんにも、こういうことってあると思うんだけど、時々無性に牛丼を食べたくなることってありませんか?

私の好みは「吉野家」で、「松屋」のほうは、あまり好みではない。

そういえば、「牛丼・営業マンA氏の場合」といった「ネギだく」を勧めるキャンペーンを行っていた「なか卯」で「ネギだく」を頼んだところ、本当に丼の上はタマネギだらけ、肉が3片しかのっていない牛丼を出されたことがある。

記:2000/05/24

メンフィス・ミニー

力強く、ちょっと素っ気ない感じの歌い方も、慣れると中々病みつきになる。

メンフィス・ミニーの紡ぎ出すブルースは、カントリーブルースの中でも洗練されていて、聴きどころが多い。

私は彼女に夢中になっていた時期があって『I Ain't No Bad Gal』や『Hoodoo Lady』を繰り返し繰り返し聴き、それにも飽き足らずにブルースバンドを結成し、彼女の歌ばかりをコピーしていた時期もあった。

彼女のぶっきらぼうな感じすらするブルースから、たくさんのブルースのエッセンスをインストールさせていただいたと思う。

Queen Of Country BluesQueen Of Country Blues

記:2000/05/27

エリック・クラプトン

ヤードバーズやクリームの時代から、最近の『アンプラグド』、『チェンジ・ザ・ワールド』まで、一通りエリック・クラプトンの代表作を聴いたのはつい最近のことだ。

ジェームズ・ブラッド・ウルマーやマーク・リボーの「捩れギター」、チャーリー・パットンやブラインド・ウィリー・ジョンソンのボトルネック奏法、マイルスバンドに在籍時のジョン・マクラフリンやピート・コージーなどの個性的でアクの強いギタリストに親しんでいた耳にとっては、分かりやすい教則模範演奏を聴いているような気分だった。

曲自体はメロディアスで、ニクイほどセンスの良い曲が多いのだが、ひとたびギターソロに耳を向けると、フレーズは教科書的で分かり易くちょいと喰い足りないが、ギタリストにとっては、お手本の宝庫なのだろうな、とは思った。

そこに魅力を感じる人も多いのだろうが、どんな時においても破綻が無く、優等生のように几帳面で丁寧な演奏を聴かせるクラプトンのギターは、私にとっては刺激が足りなくてあまり面白いものとは言えない。もちろん、好きな曲、好きな演奏はあるんだけどね。

記:2000/05/28

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