カフェモンマルトル

ジャズと映画と本の日々:高野雲

機関車先生/試写レポート

      2016/04/29

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kikansya

乱暴に括ってしまうと、『二十四の瞳』の男先生バージョンとでも言うべき作品か。

美しい瀬戸内海の小さな島。そこに住む無垢な7人の子供たちと、小学校の先生との心温まる交流……。

臨時教員として島にやってきた大きな身体の先生。

この先生は口がきけない。

口をきかん先生で、機関車のように大きいから機関車先生。

この先生は、剣道の達人だったが、試合中に突きで喉を突かれて声が出なくなってしまった。
失望の末、教師としての最後の職場を、母が生まれ育った故郷の小学校に選び、島にやってきたのだ。

身体の大きな先生が、教室で7人の生徒が見守る中、黒板にチョークで一文字一文字丁寧に、こう書いた。
“ぼくの名前は吉岡誠吾です。ぼくは話をすることができません。でもみなさんといっしょにしっかり勉強します。どうぞよろしく。”
深々とお辞儀をする先生。
「口をきけん先生だけん、機関車先生や!」

この機関車先生を演ずるは坂口憲二。
携帯電話のCMで、ガハハと大口を開けている坂口憲二は個人的にはイマイチな印象だった。だが、ガハハな大口をしっかりと閉じ、“存在感だけ”で、誠実で優しい心を持った先生を演じきった坂口憲二は評価したい。

何かと島の人々に細かな気遣いをする苦労人的な校長先生を演ずる境正章の好演も忘れてはならない。
気丈で、女一人で飲み屋を切り盛りしている大塚寧々のほんのりとくたびれた色気も魅力。
網元役の伊武雅刀は相変わらずよく通る声質で、周囲の俳優の声を圧倒して彼の声だけが浮きまくっているのには笑えた。

伊集院静の小説の映画化。

観た日:2004/05/28

movie data

製作年 : 2004年
製作国 : 日本
原作 : 伊集院静
監督 : 廣木隆一
出演 : 坂口憲二、堺正章、倍賞美津子、伊武雅刀、大塚寧々 ほか
配給 : 日本ヘラルド映画
公開 : 2004/07/31テアトル新宿ほか全国にて順次公開公開

記:2004/07/06

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