カフェモンマルトル

text:高野雲

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超時空メルヘン「ババジ君」第21話

      2016/12/11

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第20話の続きです。

金色だらけの部屋の天井に吸い込まれたババジ君。どういう仕掛けでこういうことになったのかは分かりませんが、とにかく今ババジ君がいる場所は、ガラスのような玉がたくさんある部屋です。

金色の部屋のものとは比べものにならないほどの大きな玉がたくさん並んでいます。

並んでいる、というよりは、立体的に複雑怪奇な形に積み上げられている、と言ったほうが分かりやすいですね。

一つ一つの玉からは象さんの鼻のような管が出ていて、玉同士が結ばれています。

大きな玉は、大人の身長ぐらい、小さな玉もババジ君の身長ぐらいはあります。

玉は一つずつ、みな違う色で点滅したり、光ったりしています。いったいここは何のための部屋なのでしょう。

ババジ君はとりあえず、例の女の子がこの部屋にいるかどうか部屋中を探してみましたが、人の気配はまったくありません。

無機質な球体が静かに色々な色で光っているだけです。この光景は美しいというよりも不気味です。

ババジ君は、この玉は売れば結構なお金にはなるだろうなぁ、と思いましたが、持って帰るにはあまりにも大きすぎます。あきらめるしかありません。ババジ君は出口を探し始めました。

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黒い油が、タンクとパイプの接合部からスゴイ勢いでドバーッと吹き出してきて、ユニワノイナホを直撃しました。

「うわー、なんじゃこりゃぁ!!」

ユニワノイナホは急いで、もう片方の手で油が出ている隙間をふさぎ、ネジを固く締めました。

とりあえず、漏れは止まりましたが、からだ中が油で真っ黒です。口の中にまで油が入ってきています。

「うわぁ、ちくしょう、ひどいなぁ、ぺっ、ペッ!」

ユニワノイナホは、口の中の油を吐き出し、顔に付着している油を袖で拭いました。

「さっきの乱気流でネジが緩んだのかな。それより早く着替えないと。こんな油まみれのカッコしてたんじゃ、臭くてたまんないからな。」

ユニワノイナホは洗面所に向かおうと足を一歩踏み出したとたん、床の油に足がすべって、後ろ向けにひっくり返り、床に延びていたパイプにしたたかに頭を打ちつけてしまいました。

床は油の海になっています。背中もドス黒い油でベチャベチャになってしまいました。つまり今のユニワノイナホの全身は油まみれの「油人間」といったところです。

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つづく

画:赤っぴ

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