【三文日記】2000年3月

      2023/02/11

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3/1(wed)

早朝に帰宅し、寝る間もなくあたふたと出社。

市ヶ谷にて、ダチョウの生肉とスペアリブを心ゆくまで齧り付く。

帰りにE嬢に電話、疲れが少し飛ぶ。

3/2(thu)

久々に早く家に帰りテレビをつけたら、今井美樹がアパレルの広報担当を演じる『ブランド』というドラマがオンエアされていた。

女房と二人で見るも、あまりの幼稚さと荒唐無稽さに唖然として開いた口が塞がらず、最後は大笑い。

単に「ギョーカイの雰囲気ごっこ」を楽しんでいる他愛もないオコサマ以下の恋愛劇にすらならないシロモノなのだけれど、「自分を見守る心優しい上司が元婚約者で、純真でお坊ちゃまな10歳ぐらい年下の男をクイモノにして、高い服を颯爽と着こなして仕事と生き方に悩むOL」という構図に影響受ける人もいるのだろうな。

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3/3(fri)

仕事が長丁場になりそうだったので、夜、ちょっとした時間の隙間を見つけて長崎飯店でビールの生と餃子とちゃんぽんの大盛りで腹ごしらえ。

すべての仕事を片付け終えたのが一時過ぎ、帰宅のためタクシーを呼びつけた。

しかし乗車して、行き先を告げる言葉がなぜか自動的に「ろっ・ぽん・ぎ」。

3/4(sat)

女房が昨日の深夜より高熱でダウンしたので、終日主婦業と息子の世話。

松本零士の『ザ・コクピット』をまたもや借りてきて見る、これで何回目だろう。

大好きな『音速雷撃隊』、そして『鉄の龍騎兵』の最初のナレーションを聞くだけで涙腺が弛んでしまう俺って……。

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3/5(sun)

女房の体調が思わしくない。

少しでも女房に静かな時間を与えようと息子とおでかけし、「幻の映像を遂に発掘!」「血だらけで演奏するシド・ヴィシャス!」というウリ文句に釣られて、ピストルズの『ライブ・イン・テキサス』のDVDを購入。

息子に『ばちがあたる?!』(ふじもとやすこ)という「悪いことをしちゃいけませんよ」的な教訓絵本を読んであげた直後、ビリビリに引き裂かれた。

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3/6(mon)

先日読んだばかりの土屋嘉男の『クロサワさーん!』に即した内容の漫画がスピリッツに連載されていてちょっと驚き。

女房から風邪をうつされた息子は、真っ赤な顔で鼻水をたらしてクシャミを連発しながら、パーカッションとベースをガンガン叩きまくり、俺の髪の毛を引っ張り、新聞と雑誌を破きまくり、CDとビデオを口にいれたりと、いつにまして凶暴化。

ソーダグラスがオマケについていたので、近所のコンビニでI.W.ハ-パーを買い、『真夏の夜のジャズ』を観ながらのんびりと飲む。

3/7(tue)

イタズラ息子の動きがスバシッコクなってきて、手に負えなくなってきつつある。

追いかけ回しながら黒澤明の『羅生門』を観る。

宮部みゆき『幻色江戸ごよみ』(新潮文庫)読了。

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3/8(wed)

夕方、目黒で打ち合わせ。

この時間になっても朝の日比谷線の衝突脱線(脱線衝突?)事故の復旧がまだ終わっていずに、霞ヶ関まで不通だった。

錦糸町で飲み。

3/9(thu)

小池壮彦『心霊写真』(宝島社新書)読了。

「写真を撮ると魂を吸い取られる」という迷信、鏡と同様に左右が逆に写る銀版写真は、着物で撮影すると死装束同様の「左前」なので縁起が悪いとされた江戸末期から、「貞子」がブラウン館から這い出す『リング』の現代までの、日本人がいかにオカルトと付き合ってきたかのいわゆる精神史で、なかなか興味深い内容だった。

女房&息子と一緒に寿司。

3/10(fri)

奥歯の詰物が取れたので、仕事の合間を縫って歯医者にいく。

夜中の12時には終わるだろうと目論んでいた仕事、気が付いたら朝になっていた。

仕事の合間に「東洲斎写楽」は蔦屋重三郎・葛飾北斎・斎藤十郎兵衛・十返舎一九の共同プロジェクトだったと主張する、村中陽一 『新説・写楽は四人いた!』(宝島社新書)読了。

3/11(sat)

オールド・ギター・ガレージへ行き、65年ジャズ・ベースにピックカバーを取り付けて貰った。

ジャズベース、プレシジョンベースともに弦を何年かぶりに取り替える。

とにかく「肉」が喰いたかったので、女房&息子と「つばめグリル」へ行き、ボジョレー・ビアージュをがぶ飲みしながら、アイス・バインやハンバーグなどにむしゃぶりつく。

3/12(sun)

林檎コピーバンド「立憲ポムドゥテール」の練習を渋谷で。

息子&女房とトンカツ屋で有機豚(?)のヒレカツ定食。

数年前にブルースやジャニス・ジョップリンのコピーを一緒にやっていた女性から、現在活動しているゴスペルグループのピアノの伴奏の依頼の電話、俺より女房の方が「やれ、引き受けろ、ライブ見に行く」と乗り気。

3/13(mon)

珍しく仕事が9時前に片付いたので、早々に帰宅。

息子と戯れながらベースの練習。

宝泉薫『歌謡界「一発屋」伝説』読了。

3/14(tue)

歯医者で虫歯の治療、の前に、溜まりに溜まった歯石をガリガリと削ってもらう(そうしないと歯茎が炎症をおこしているから虫歯の治療が出来ないのだそうな)。

六本木で俺の仕事のアシスタントのZ嬢と飲み、途中バックステージでH嬢合流。

女性ジャズメン2名(ピアノ&ヴォーカル)のライブにベースで飛び入り参加し、《ピーク・ロウ》、《ワンノート・サンバ》、《ジョージア・オン・マイ・マインド》《ナイト・アンド・デイ》などをベースで伴奏、酔って指がヘロヘロ、間違い連発で顔から火が出る思いだった。

3/15(wed)

ショナ族のムビラをかけたら、息子がつかまり立ちをして足をカクカクさせて踊りたそうだった。

バーボンをかっくらいながら、久々にロバート・ジョンソンなぞをかけてみる。

暗闇の奥からの届く深遠な声に、しばし聴き入る。

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3/16(thu)

部署の飲み会。

ベース、ピック弾きの練習。

泉康子『いまだ下山せず!-ドキュメント山岳遭難捜索』(宝島社)読了。

3/17(fri)

歯の治療。

「こんなに丈夫で立派な歯なのに、不摂生で虫歯だらけだなんて勿体無さすぎるわよ!」と呆れられる。

徹夜で仕事。

3/18(sat)

午前中に帰宅し、正午まで睡眠。

息子と女房とショッピング&食事。

未発表映像を多数含むという『ブルーノート物語』、ミシェル・ファイファーが「君の瞳に恋してる」を歌っている『恋のゆくえ』を購入。

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3/19(sun)

午前中:息子を連れて丸井でTシャツ数着購入後、楽器屋でアシュボリ―・ベースとウッドベースを試奏し譜面と『Rockin' On Japan』とシールドを購入、のちスーパーでデジタルビデオのテープ数本購入し、近所の寿司屋に握り5人前を注文。

午後:成長した息子を見に、女房の実家の両親と妹が来訪、食事と歓談。

深夜:眠らない息子の散歩も兼ねて、レンタル・ビデオ屋に「蛇拳」の教則ビデオを借りに行く。

3/20(mon)

土曜日に買ってあげた子供用ブロックで息子と一緒に遊んであげるが、すぐに飽きてしまい相変わらずベースの弦を叩いたり舐めたりしている。

路上演奏と、バックステージの「レディス・ヴォーカル・ナイト」用に結成したバンド(「立憲ポムドゥテール」からドラムとキーボードの抜けた編成・バンド名まだ決まっていない)の練習を渋谷にで夕方4時から8時まで。

店員の態度の無愛想なパスタ屋で打ち上げ夕飯。

3/21(tue)

右奥歯の虫歯を治療。

ドリルの音と歯の削られたときに立ちこめる匂いは、相変わらずイヤだ。

仕事、仕事、仕事、慌ただしい1日が今日も過ぎ去っていった……。

3/22(wed)

市ヶ谷の『蕎楽亭』にて、久保田の萬寿を啜りながら、ふきのとうをはじめとした春野菜の天麩羅、あまごなどの川魚の天麩羅、そしてシメに十割蕎麦をシアワセな気分で堪能。

近所の若干20代の姉妹が経営している、いつもブルースの流れているレストランにて、ギリシアワインを啜りながら、バニラアイスをのっけた上にチョコレートソースをかけた熱々のアップルパイと、胡椒たっぷりのスペア・リブをニコニコ顔で堪能。

飲み過ぎて、終電乗り越し。

3/23(thu)

仕事の合間に原宿へ行き、駅前の露店で、息子用の「米軍認識票」を作ってもらう。

渋谷のタワーレコードで、先日モンクのページの掲示板で指摘されてしまった未聴アルバム『ビッグ・バンド・アンド・カルテット・イン・コンサート』を購入。

寺島靖国 『JAZZオーディオ「快楽地獄」ガイド』読了。

3/24(fri)

徹夜覚悟の仕事も、予想以上にスムースに進行し、午前0時には帰社することが出来たので、浮いた時間を六本木のバックステージで朝の5時まで過ごす。

常連の某外資製薬会社の取締役が、秘書の女性(彼は彼女らのことを「ワイフ」と呼んでいるが)二名を連れてきていたためか、賑やかな時間を過ごすことが出来た。

いきなり彼から「クイーン」の譜面を渡されて“Let's play together! Sound like wood bass,please.”、仕方なく適当にベースで合わせてみるも、曲知らんからウマクいくハズないよなー。

3/25(sat)

朝帰りでへタレ気味のカラダ、そして翌日の『林檎オフ会』に備えて万全な体調で臨むためにはウマイモノを喰うしかない!

そうだ、ワインが飲みたいぞ、ワインだワインだ赤ワインだ、と思った瞬間に猛烈にイタ飯が喰いたくなり、女房&息子とともに『コモ・ド・コモ』でラクリマの赤に合わせて、牛肉の赤ワイン漬けの山葵ソースがけや、八丁味噌とひき肉のパスタなど、和風っぽく攻めてみた。

料理の味は相変わらず悪くはないが、少しご無沙汰している間に従業員のほとんどが見知らぬ顔、心無しかサービスの質が低下した感はある。

3/26(sun)

六本木バックステージにて、椎名林檎ファンのオフ会「鼻味会」。

北海道、宮城、大阪、奈良、兵庫など遠方から来られた方も多く、参加者が過去最高の35名で感謝感激楽しさ倍増。

1次回が6時まで、2次会も同じくバックステージで10時過ぎまで、3次回は『香妃宴』で12時近くまで、いやはや、参加された皆様どうもお疲れさまでした。
(参加者)
朝美、イマムラ、れい奈姫、きつつき、京、こん、C98、jaco、隊長、高科秋実、どりぃ~ん、梨、ねこひろ、七、hikky、HEIKA、BUREI、まー、茉莉花、Mina、まりりん、まゆこ、深結、ゆか、ゆた、ゆた彼氏、ユニ、亮子、ルーク伯爵、冷蔵庫(以上ハンドルネーム表記)と、女房&息子

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heika

kitutuki

live

trio

yakuza

zenkei

3/27(mon)

先日のオフ会で撮影した写真を整理して、気が付いた。

オレって、ベース弾いているときってこんな顔しているのかよ~!

鼻の穴を大きく脹らませたマヌケな惚け顔ばかり。

3/28(tue)

C君とH嬢とで秋葉原のカレー屋、C君は1300gカレーに挑戦するも、惨敗。

H嬢は仕事に戻り、C君と二人で「養老乃瀧」で飲み。

中山康樹『マイルス・デイヴィス ジャズを超えて』(講談社現代新書))読了。

3/29(wed)

E君より、先日のオフ会に参加した関西勢が池袋に集結しているという連絡があるも、仕事が片付くメドがたたず、それでもせっかくの関西勢が一同に会しているところに参入できるのは滅多にないチャンスなので、「えーい!仕事は全部明日に片付けよ!」とばかりに10時過ぎに退社、11時近くに池袋の飲み屋に集結している「林檎中毒患者」たちと合流、駅前のおんぼろカラオケ屋で楽しいひとときを過ごす。

I君もバイクで駆け付けてくれ、《丸の内サディスティック》全員合唱でクライマックス。

疲れがたまっていたのか、はたまた銘柄の分からない安ワインと数種の酒をチャンポンしたためか、いつになくしたたかに悪酔い、吐き気と睡魔に襲われ、Y嬢とタクシーで始発電車を待つに相応しい駅近くに移動、朝を待つ。

3/30(thu)

椎名林檎の新譜『勝訴ストリップ』を購入。

関連記事:嗚呼、『勝訴ストリップ』

一聴、非常に明快なアルバムのトータルな世界観、カタチ、見取り図のようなものが瞬時に頭の中に描かれ(思い込みだろうが)個人的には非常に「掴み」の良い手応え、そのくせ聴きこめば聴きこむほど、スルメのように味の出てくるアルバムになると思う。

感想は、前作にも増して素晴らしいの一言につきる。

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3/31(fri)

徹夜で仕事。

刑事ドラマじゃないんだけど、深夜の労働にはあんパンと牛乳がおいしい。

中山治『中学生のための「個性別」超勉強法』読了。

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