雑想 2002年12月
2022/07/06
困った時にはミルト・ジャクソン
ミルト・ジャクソンのヴィブラフォンは、さりげなく凄い。
彼が叩き出すのヴァイブのサウンドは、ウェス・モンゴメリーのギターにしろ、マイルス・デイヴィスのトランペットにしろ、どんな楽器にでも溶け込んでしまう親和性の高さがある。
それでいて、溶けて一つになった音色に埋没するというわけでもなく、その音の中からは、ミルト!としか言いようのない存在感をも放つところが、やはり、さり気なく凄いとしか言いようがないのだ。
どんなサウンドにも溶け込み、個性を発揮するのだ。
したがって、彼は、誰とでも共演できるだけのキャパシティがあるだけではなく、相手の中に溶け込みながらも、自分自身の個性をキチンと出せるだけの音の存在感があるのだ。
例えば、このアルバム、『バグス・オパス』。
これは、ミルト・ジャクソンと、ベニー・ゴルソン&アート・ファーマーコンビの邂逅とでもいうべきセッションが収録されている。
《クリフォードの思い出》や、《ウィスパー・ノット》といったベニー・ゴルソンの曲が取り上げられていることからも分かるとおり、ゴルソン色の強い内容かもしれない。
しかし、ゴルソンのアルバムではないんだなぁ。
強烈に主張するわけでもないのに、ミルト色が色濃く漂うこの雰囲気。
もとより、ゴルソン=ファーマーのコンビは2管が繰り出す音のアレンジが美しいが、これにミルトのヴァイブが加わると、さらに美しいハーモニーの誕生だ(ハーモニーは3音以上の音の重なりをいうので、ゴルソンとファーマーの2管の音だけでは、ハーモニーとは言わない)。
演奏に溶け込み、なおかつ、ふくよかさを加え、どんな相手の土俵の中でも、きちんと自分を出せるミルトのヴァイブ。
やっぱり、この人は名手だ。
こういうさり気ないアルバムが、さり気なくかかるジャズ喫茶が好きだ。
というより、困った時にはミルト・ジャクソン。
何をかけようか、何を聴こうかとジャズの選曲で迷った際は、リーダー作でなくても、MJQでなくても良い。ミルト・ジャクソンが参加しているアルバムをかければ、まず「ジャズな気分」と「ジャズなムード」を損ねることはないだろう。
リンかけ スーパーブロー
ジェットアッパーとハリケーンボルト、どっちが強いのか。
石松はかつて、ハリケーンボルトでギャラクティカマグナムを破っているからね。
ジーザス・クライストとの試合前に剣崎と喧嘩をした際、互いの必殺ブローが激突。
「ギャラクティカマグナム破れたり!」と石松。
地面に激突する剣崎。
もしかしたら剣崎は威力をセーブしていた可能性もあるけど。
時々だが、「きしめん」を発作的に食べたくなる
幼稚園から小学校にかけて、2年間ほど愛知県に住んでいからということもあるんだろうね、今でも、きしめんが好きだ。
小学校高学年から東京に住んでいる私は、そうしょっちゅうきしめんを食べているわけではないが、時おり無性に食べたくなる。
昔、日本にマクドナルドを導入した藤田田氏の本を読んだときに、「人間の味覚は8歳くらいまでで形成される」ということが書かれてあったような記憶があるが、なるほど、味の記憶が形成される時期に、私はきしめんをモリモリと食べていたわけだ。
モリモリではなくツルツルか。
同時に、溶岩のようにドクドクに味噌が濃い味噌煮込みうどんも時折無性に食べたくなってしまうのも、同じく「8歳までの味覚」の法則に、まんまと当て嵌まっているのだろう。
そういえば、横浜から愛知県の布袋に引っ越した際、隣の町の古知野(現在は江南市)の幼稚園に転入する際、面接で先生から「好きな食べ物は?」と聞かれた際に、「はい、きしめんです」と応えた記憶がある。
本当は、カレーか寿司と言いたかったんだけど、なんだか子どもっぽい気がしたのと(当時の子どもだった私の浅はかな考え)、地元の人には地元の人が喜びそうな受け答えをしたほうが評価が高まるだろうと思ったからだ(それも、当時の子どもだった私の浅はかな考え)。
そして、今も昔も暗示にかかりやすい私のこと、いったん口にしたことって、妙なタイミングで実現したり、その通りの感情になってしまうことが多いのね。
だから、当時は好きでも嫌いでもどちらでもなかった「きしめん」という食べ物に対して、いったん「好き」と言ってしまった以上、自己暗示にかかってしまったのか、いつの間にか好きになってしまったんだよね。
ただし、一口にきしめんといっても千差万別。
きしめんは確かに好きだが、まずいきしめんは嫌いだ。
うまく文字では表現できないのだが、歯ごたえやのど越し、そして微妙な厚みの差で、ずいぶんと美味い不味いが左右されるのだ。
どのメーカーのきしめんが良くて、どのメーカーのものが悪いのかは、一概には言えないし、自宅で食べる場合は、茹で方の巧い下手もあるので、そのあたりも本当に微妙なのだが、とりあえず、乱暴に言ってしまえば、高いきしめんだと美味しい確率が高い。
あるいは高いきしめんであれば、多少茹で方ががヘボくても、おいしく食べられる可能性が高い。
個人的には「手延べ」きしめんが好きですね。
ゆで方のコツは、とにかく、麺と麺がくっつかないように茹でること。
幅はあるけど、薄いぶん、くっつきやすいんだよね。
一反木綿というか短冊が長くなったような麺だから。
ま、くっつけばくっついたで、スイトンみたいな歯ごたえがあるので、それはそれでオイシイといえばオイシイのだけれども。