雑想 2008年12月
2022/12/11
ニュー・ロマン・トリオのCD2枚発売!
ニュー・ロマン・トリオの新譜2枚発売中!
松本茜嬢奏でるぬくもりのあるピアノで、この冬を暖かく!
どっちがいいんだよ?
迷うよ?
そうお悩みの貴兄には、個人的にはバッハのほうをお勧めしたいかな。
番組で取り上げたということももちろんあるんだけど、バッハのほうが原曲にしばられず奔放にジャズしていると思います。
一方、《雨にぬれても》、《アルフィー》、《小さな願い》、《クロース・トゥ・ユー》など、おなじみのナンバーが好きな方には、バカラックのほうももちろんお勧めです。
ジャケットはシンプルですが、CDをプラケースからカパッと取り出したときの下の写真にはニュー・ロマン・トリオの写真がちゃんとあります(笑)。
バカラックのほうは茜さんの「肘ポーズ(?)」付き(笑)。
Urban Score 櫻倉レオン
甘くハスキーな歌声が魅力の櫻倉レオンのソロアルバム。
豪華メンバーに囲まれたスタイリッシュなジャズ。
『たけしの誰でもピカソ』のエンディングテーマ《Cat Walk》も収録。
▼参加ミュージシャン
倉田大輔
加藤雄一郎
伊藤志宏fromshima&shikou duo
(UA、青木カレン)
東保光(山中千尋)
森岡裕希
・・・etc
アレンジ
岡野泰也、野井洋司、SWING-O・・・etc
▼収録曲
1. Urban Score
2. Toul l' amour -エリーゼのために-
3. Bewitched Flash
4. Lullaby of birdland
5. Sunny
6. Un homme et une femme -男と女-
7. Blue for you -ブルーボッサ-
8. Cat Walk
9. Silhouette of romance
10. Sustinable love
11. Skindo-lele
AERA それからの『ノルウェイの森』
いやぁ、寒くなってきました。
今週号の勝間和代が表紙の『AERA』は、「それからの『ノルウェイの森』」が掲載されていたので、面白そうなので買って読んでみたが、どうもセンチメンタルさが先行し、小説の「あの世界」に「自分の現実」を無理やり重ね合わそうという試みがピッタリとはまれば面白いのだろうけれども、あんまりおもしろい内容ではなかった。あとは、写真でなんとか体裁を整えてるって感じ?
ま、電車数区間の適度な時間つぶしにはなったので、それはそれでいいのだけれど。
記:2008/12/17
さよならハバード、さよなら2008年!
先日、トランペッターのフレディ・ハバードが亡くなったとのニュースがありました。
唇の調子が回復しない、体調がすぐれないなどの話はちょくちょく伝わってきていたのですが、まさか亡くなってしまうとは。
享年70歳。
まだ60代半ばぐらいかな、と思っていたのですが、もうそのような年になっていたのですね。
謹んで冥福をお祈り申し上げます。
フレディ・ハバードといえば、初リーダー作の『オープン・セサミ』を代表作に挙げる方も多いと思うし(《ジプシー・ブルー》好きが私の周囲には多いのです)、私よりもう少し上の世代で、ライブ・アンダーなどを観に行ったジャズファンは、V.S.O.Pでの渾身のプレイが忘れられないという方もいらっしゃると思います。
では、私にとってのフレディは? といえば、パブロから出ている『ボーン・トゥ・ビー・ブルー』というアルバムを日頃から愛聴しています。
学生時代に、トロンボーン奏者の故・板谷博氏にジャズのアンサンブルを習っていた頃によく聴いた思い出のあるアルバムです。
授業のテーマ曲が、このアルバムに収録されているハバード作の《アップ・ジャンプト・スプリング》を聴くために、5~6軒CDショップを探しまわったものです。
3拍子のふわりとした曲想の《アップ・ジャンプト・スプリング》。
“渾身”、“力演”という言葉がふさわしいハバードとは少し違う色合いの優しく心暖まる曲と演奏です。
『ボーン・トゥ・ビー・ブルー』は、ハバードの他の諸作よりは、隙間の多い多少ゆるい内容のアルバムかもしれません。
完成度やクオリティの面で見れば、もっともっと他のアルバムに軍配があがると言われたら、それはそれでまったく否定はしません。
本当に極私的な思い入れのあるアルバムですね。
▼ こちらでも『ボーン・トゥ・ビー・ブルー』のこと書いてます
ボーン・トゥ・ビー・ブルー/フレディ・ハバード
もう1枚、ハバードのプレイが素晴らしいと個人的に感じているアルバムがあります。
彼のリーダーではないのですが、エリック・ドルフィーの『アウト・トゥ・ランチ』です。
トニー・ウィリアムスの空間構築能力と、ドルフィーの特異な音楽性、それらを増強する色彩を放つボビー・ハッチャーソンのプレイこそがこのアルバムの骨組だと長らく思っていた私ですが、ハバードのプレイも違和感なくアルバム独特の雰囲気に溶け込んでいる。
ハバードのトランペットが、力強く中空を浮遊しているのです。
現実を帯びた抽象性が彼の演奏からは感じ、『アウト・トゥ・ランチ』の演奏が、単に頭デッカチではなく、「肉」のともなった内容になっているのです。
ハバードがいなければ、もしかしたら『アウト・トゥ・ランチ』は、ヒッチコックばりのサスペンス変拍子音楽なだけの「ちょっと変わった雰囲気演出音楽」に終わっていたかもしれません。
ハバードの参加こそが、このアルバムのジャズ度を維持し、実験音楽風の演奏に終わらない「すぐれたジャズ」に昇華させているのではないかと最近の私は感じています。
▼ 『アウト・トゥ・ランチ』評はこちらでご覧になれます
アウト・トゥ・ランチ/エリック・ドルフィー
そういうわけで、今年は私にとっては「ジャズ的前進と実り」の多かった年でしたが、来年はさらに加速度を高めてゆこうと思っています。
どうぞ、来年も宜しくお願いいたします。