雑想 2009年6月

      2022/06/02

快傑ゾロリの《空は青》

日曜日の朝7時から、テレ朝で放映されていた『かいけつゾロリ』。
これ、なかなか面白いアニメだった。

原作のポプラ社から出ている本も、かなり大量に買い込み、一緒に読んだものだ。

子供も大人も安心して楽しめる内容。

テレビのほうは、20数分の中に封じ込められる情報量の適度さと、物語の緩急の手綱さばきがこなれていて、腹八分目の楽しさを味合わせてくれる。

そう、腹八分目だからいいの。

ここでお腹いっぱいになっちゃうと、これに続く『特捜戦隊デカレンジャー』と『仮面ライダー剣(ブレイド)』が見れなくなっちゃうからね(笑)。

もちろん、ポプラ社から出ている児童書のシリーズの原作も面白いということもあるんだけど、アニメの『ゾロリ』もお奨めです。子供向けアニメの定番・王道な内容といっても良いでしょう。

アニメの内容もさることながら、目が覚めるような元気の良いオープニングテーマも良い。
その名も《ハッスル》。

♪ハッスル、ハッスル、みんなハッスル!

日曜日の1日はこれで始まっていたのだ。我が家は。

しかし、《ハッスル》も良いが、エンディングの《空は青》の素朴な味わいも捨てがたい。舌足らずながらも真摯なヴォーカルは、お祭り騒ぎの後の沈静作用がある。

ゾロリのエンディングテーマが変わってしまってからは、手許にあるCD『ハッスル』に収録されている《空は青》を聴きながら、青々とのんびりと広がる日曜日の青空を見上げていた。

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記:2009/06/01

ソニー・クリス ハンプトン・ホース・セッションズ

さらりとしたノリの裏に、ほのかなコクを感じさせるハンプトン・ホースのピアノ。
軽やかな語り口ながらも、その裏には一抹の哀愁を漂わせる、ソニー・クリスのアルトサックス。

この二人の相性は、悪くない。
というより、抜群だ。

ノリよく軽快かと思えば、単にそれのみならず、じっくりと耳を傾けるに値するだけの懐の深さもある。

なので、このアルバム、ジャケットや存在感など、けっこう地味なのであまり積極的に買おうとか聴いてみようとか、そういう気持ちが置きにくいシロモノかもしれないが、いちど耳を通せば、「おっ!」と身を乗り出すことと思う。

▼収録曲
1. Calidad
2. Tornado
3. The First One
4. Blues For Boppers
5. Easy Living
6. Willow Weep For Me
7. Wailing For Joe
8. Saturday Morning
9. When Sunny Gets Blue
10. The Masquerade Is Over
11. What's New?
12. Ursula
13. Memory Of Lane Blues
14. Blues For J.L.
15. Feelin' Happy
16. Shake,Rattle And Roll
17. Teddy's Blues

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今月号のジャズ批評

今月号の『ジャズ批評』2009年7月号は、150号記念号です。

1967年に創刊されて以来、季刊、隔月刊を経て、じつに40年以上の年月も発行を続けてきた雑誌なんですね。(そういえば、67年といえばコルトレーンが亡くなった年ですね)

まだ、私が生まれる前から松坂編集長は奮闘してきたのだと思うと、その熱意には頭が下がりっぱなしです。

この150号は、ジャズ批評ゆかりの関係者、読者から寄せられた声を中心に編集されており、ユニークなのが、創刊1号がそのまま反対の開きから(背表紙から)再掲載されているということ。

当時の広告もそのままに、タイプ印刷ならではの味のある活字とレイアウトが楽しめます。
「!」がやたら大きかったり、活字が左右に微妙に揺れていたりと、なかなか現在では味わえない独特の風合い。

うーん、読んでいると、まるで40年前にタイムスリップしているようだ。
執筆陣も、油井正一、平岡正明、植草甚一、清水俊彦 と豪華で、久し振りに、骨太なジャズの批評を読んだ気分。

ちなみに、この号には、私も寄稿しています。
一番ボロボロになるまで読んだ号が、セロニアス・モンクが表紙の号だったので、その号についてのコメントを少々。

あと、私とともに、この雑誌の「ブログ・ウォーキング」というコーナーに連載中の いっきさんも寄稿しています。

「オクテット」の相澤榮さん、「メグ」の寺島靖国さん、「イントロ」の茂串邦明さんら「ジャズ喫茶のオヤジ」たちからの寄稿もあれば、瀬川昌久さん、岡崎正通さんらジャズ評論家からの寄稿もある。
そうかとおもえば、読者からの声もバランスよく盛り込まれていて、なかなか読みごたえがある。

改めて思うのは、人によって本当にジャズ鑑賞のポイントや、思い入れのツボが違うのだな、ということ。
また、ジャズ熱の温度の高い原稿の多く、このような読者に向けて40年以上も情報を送り届け(しかも現在の編集部は全員女性)てきた松坂さんは、すごい人だな、と改めて感じました。

最近のジャズ批評は、具体的にいうと季刊から隔月に代わってきたあたりから、ちょっと紙数も情報もボリューム不足かな? と感じていたのが正直なところですが、今号のジャズ批評は、ページの隅から隅まで読みたくなる、充実した(というより歴史の重みを感じる)内容となっています。

是非、ご一読をおすすめします。

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CHASM 坂本龍一

20年前のエッジの立った教授のサウンドとは一味違う、成熟した音楽家の、ある意味柔らかい前衛。

デヴィッド・シルヴィアンとの久々の共演曲が良い。

包み込まれるような心地よさの中にも、さり気なくリスナーの聴覚を挑発する蒼色に近い飴色、それも限りなくクリアで明晰な音楽。

静かに戦闘的でもある。

何度聞いてもまったく飽きないどころか、発見が尽きない、

21世紀の『B-2 unit』。

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