雑想 2024年6月

      2024/07/04

イントロデューシング・ジョー・ゴードン

トランペッター、ジョー・ゴードンの初リーダー作。

リズムセクションといい、ゴードンのトランペットといい、なんかこう、ジワジワ染みてくるんだよね。

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幻のトランペッター、というと少々大袈裟かもしれないが、リーダー作が少ないため、そう見なされているのかも。さらに、若くして亡くなった(ホテルの火災で焼死!)したということも「幻度」に拍車がかかっているのかもしれないね。

意外にも(?)軽やかに疾走するジュニア・マンスのピアノが楽しめる《トール・ブリッジ》が好きです。
これ、ピアニストの名を伏せて「マニア」に聴かせても、マンスだと答えられ人って少ないんじゃないかな。

ちなみに、ドラムはアート・ブレイキーなんですよ。

土星とユニコーン 山﨑彩音

シンセベースの音色とベースラインがめちゃくちゃ気持ち良い。

そして、すべての音が手で触れるような触感があり、またそのような「手触り」の音たちがバランスよく配列されているからか、全体的にはとても優しく柔らかなサウンド。

これは癖になる。

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人間やめても 山﨑彩音

声もコード進行もエレピもピアノもリズムも、なんだかすべて気持ち良い。

Even If I Quit Being Human

メアリー・ハルヴァーソン

素晴らしい!

引き込まれる、このノイジーなギターに(後半)。

Mary Halvorson Quintet: NPR Music Tiny Desk Concert

バッキングの和音のセンスも素晴らしい!

オナニック・ナルシズム

自覚的であろうとなかろうと、自伝風私小説を書く人の心の内の何パーセントかには、自己顕示欲や自己正当化や自己美化などといったオナニック・ナルシズムがあると思う。

こレラの配合具合と見せ方のある種テクニックが優れた人が太宰治のようなプロの小説家であり、だからと言って彼のような小説家に憧れてありのままを赤裸々に綴ったところで、大半の人の作品は読むに堪えない醜悪なものとなる。

文字の使用(音楽の場合は音の使用)には、その人のテクニック(習熟度)や、品性(いやらしさ)、衝動の解放度と抑制度が如実に現れる面白くも醜く、醜くも美しく、美しくも残念なことが少なくない世界なのだ。

湯川れいこインタビュー

興味深い。
面白かった。

まさか、88歳だったとは思わなかった。
元気ですよね。
矍鑠としている。

スイングジャーナル、岩浪洋三、メッセンジャーズ、ウェイン・ショーター…。

こちらが後編。

まさかマイケル・ジャクソンと激論してたとは……。

村上春樹 文体

昔からファンなので、ファンなのだからこそ、色々と気がつくんだけど、彼の文体と女性と性に対する目線は独特なことは言うまでもなく、それは作品を重ねれば重ねるほど、昔の淡白さが少しずつ、少しずつ湿度と粘りっ気が増してきているような気がする。

乱暴に一言で言ってしまえば、淡白なようでネチっこい。

もちろん文章は抜群に面白い。
そして、村上春樹の内面にある大体の世界観というかモチーフと、それの表出の仕方も、一見難解そうにみえる(聴こえる?)セシル・テイラーのピアノも、実はいくつかのモチーフとバリエーションが存在し、それらを長年即興演奏でうまく組み合わせながら、生々しさと勢いを保ってきたのと同じようなものを感じる。

もちろん文章は抜群に面白い。
それは昔から。

昔からそれは大きく変わることはないのだが、若い頃のシャープさは影をひそめたかわりに、作品を重ねるごとに深みと静かなエロさが増してきているような気がする。

そういえば、今「深み」と書いたが、最近の村上春樹の小説には「深く」という言葉がやたら登場している。
誰か数えた人いないかな?

ミラーマン 最終回

セブンの最終回を彷彿とさせる、涙、涙の終わり方。

【ゆっくり解説】特撮史上屈指の美しい最終回!「ミラーマン」ウルトラマンとは違ったストーリー展開!

ダン⇒アンヌを突き飛ばして変身
京太郎⇒朝子をビンタして変身

想いをよせる女性が身を案じてくれているんだけど、「個人ごと」よりも大きな「使命」のために、女性に暴力を振るってまでも(いや、振り切ってまでも)、「公務」優先で変身して敢然と仕事に向かっていく姿が当時は(今でも?)カッコ良いヒーローだったのでしょう。

違和感 心地よく無さ

結局、音楽も人も、違和感の多さ、少なさ、あるいは、心地良さの分量が人の感情が好き・嫌いの判断を下す重要な要因になっているような気がする。

やっぱり、違和感が多いと、音楽だと聴く気が起きなくなってくるし再生をストップしたくなる。
人の場合は、嫌われたり、阻害されたり、時には虐められたりもするのだろう。

このあたりの感度というか、アンテナのようなものは、男性よりも女性の方が敏感で、この感触というものは言語化しにくいものだし、女性はいちいちその感覚(感触)を言語化しようともしない。

反対に男の場合はどうしても、言語化しようとするし、言語化することによって腑に落とそうと躍起になりがちだ。少なくとも私は。
ま、言語化したところで、何が生まれるわけでもないし、その違和感を消すことは出来ないけれども、とりあえずは腑におちる。

腑におちることによって、はじめて対処法(距離の置き方)などを考えようとする。精神的に大人であれば。あるいは年齢関係なく成熟した内面を持つ者であれば。
逆に、精神的に未熟だったり、メンタル的にコドモな人間(社会性が欠如した者)は、攻撃という形で排除しようとするのだろう。

攻撃したり排除したところで、決して心がスッキリするわけではないのだけれども、その攻撃性の理由って、結局は異物排除というよりは、異物から攻撃されるのではないかという潜在的な恐怖を払拭しようとする本能から生まれたものなのかもしれない。

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