【三文日記】1999年12月
2024/12/21
12/1(wed)
池袋のパルコブックセンターにて高嶋哲夫の『スピカ』発売記念サイン会。
打ち合わせ長引き深夜12時帰宅。
仕事の合間に遊び半分で「椎名林檎、4ビート」と入力して検索してみたら、当ページの『雑想』が一番目に検索され、驚き。
12/2(thu)
帝国ホテルにてイヤーエンドパーティ。
ずーっと立ってたんで(当然)足が棒になる。
漆田公一+サンダーバード研究会『サンダーバードで少々生き方を学んだ』読了。
12/3(fri)
7月に出広した企業広告が日経広告賞の部門賞を受賞、赤坂プリンスにて行われた授賞式にて滅茶苦茶重たいブロンズ像と盾と金一封をいただく。
それにしても登壇した人ってみんな40、50のお偉いさんばっかだぞ、思いっきり場違いな弱輩者の俺でもいいのか?という思いが授賞式後の立食パーティで日経の社長やら取締役クラスの人達に囲まれて一層強まる(まぁいいか)。
セクシー看護婦E嬢と渋谷の「雪月花」にて久保田の萬寿に合わせて京風だし巻き卵焼きなど、後、「Bar1899」にてオリジナルカクテルを愉しむ。
12/4(sat)
深夜の12時より朝まで渋谷のPENTAにて椎名林檎コピーバンドの練習。
練習用であまり外に持ち出さなかった'57年プレベを持参し、音数を絞り安定したベースワークを心掛けるようにする。
スタジオのアンプを通して出たきた低音の太さと粘りが驚異的。
12/5(sun)
耳の奥が痛むこともあり、1週間の疲労回復のため終日爆睡。
……のつもりが、息子の“遊んで攻撃”により昼前に起こされてしまい、終日赤子あやし。
小川未明 (著)、たかしたかこ(イラスト)『赤いろうそくと人魚』(偕成社)読了。
12/6(mon)
C君と渋谷のセンター街の横にちょっと入った開店前にはいつも行列の出来る回転寿司屋へ行ってみるものの、狭い、まずい、あわただしい、店内臭い、マズいくせに5皿以上喰わねばならないという理不尽な規則、まるで客をブロイラーのごとく扱う傲慢な店の姿勢が不愉快で10分ほどで退出。
近くの若者向けのイタ飯屋に入るも、ピザしょっぱい、料理マズイ、店員の応対が悪い&融通が利かないで、気分は最悪。
唯一帰りのタクシーの中、携帯で話したT嬢の帝王ぶりに救われた気分、ただし運転手の運転がヘタクソで悪酔いをしたので料金値切る。
12/7(tue)
『ベストセラーの方程式』『返品のない土曜日』など多数の著書と、雑誌・新聞の連載やコメントで大急がしで、日本で唯一のヘアヌード評論家でなんと2,000冊をこえる蔵書量を誇る鈴木書店の井狩春男氏と神田の蕎麦屋(藪蕎麦)で穴子をまるごと一匹揚げた天婦羅蕎麦を食べに行く。
宇都美みどりの姉(確か宇都美幸子?)が働いていたという昔ながらの趣きを残す蕎麦屋さん。
お茶の水ディスク・ユニオンで新品なのに1,000円という廉価が付けられたセシル・テイラーのライヴ盤『アメーワ』、エリック・ドルフィーとハービー・ハンコックの未発表音源の新譜を購入、イシバシ楽器の楽譜店で椎名林檎の《本能》と《幸福論》のバンドピースを購入。
12/8(wed)
「宇宙」とか「天空」のようなチープな喩えはあまり使いたくないのだが、それでもドルフィーのアルトとバスクラは「宇宙の憂鬱」だ。
昨日購入したエリック・ドルフィーの『The Illinions Concert』を聴きながら、ふとそう感じた。
京極夏彦『百器徒然袋-雨』読了。
12/9(thu)
大丈夫だと思えばそれなりに持つだけの体力と健康さがあることは確かなのだけど、しわ寄せの恐怖は常にあるので、寝なくても生きていられる体になりたい(かなわぬ夢)。
田中孝顕『決定版・聴覚刺激で頭の回転が驚くほど速くなる―なぜ、こんな簡単な方法に気がつかなかったのか』(きこ書房)読了。
宮崎学『喧嘩の極意』(幻冬舎)読了。
12/10(fri)
椎名林檎の『警告』のサビ前の16分音符中心の細かい譜割りを打ち込みをして確認。
『マイルス自伝』再々々読了。
やっぱりカッコよすぎだよ、この人。
break
12/11(sat)
生まれ育った横浜本牧の家に住む祖母に、息子を見せに女房と訪問。
足腰の弱った祖母に息子を見せるのは始めて、近所の三渓園に連れていくなどして婆孝行。
ここ数週間の疲れを取り戻すべく爆睡したくも、ついついホームページの細かいレイアウトを更新してしまう。
12/12(sun)
女房、息子とともにイタ飯屋で晩飯。
今年のボジョレー・ヌーボーよりも全然ウマくてフルーティなノベルオを愉しむ(ヌーボーは仏語で「NEW」、ノベルオも伊語で「NEW」。つまり今年の出来たてのワインね)。
今日は何かやり忘れているな、と思ったら、あ、また忘れていた、椎名林檎の《ギブス》の音採りだ!
12/13(mon)
どこかで聴いたことのあるような音に囲まれ、過去に何度か受けたものと同質な刺激と安堵感、そしてミクロの差違に驚き楽しみつつ平穏無事に静かに時間が流れてゆく。
とりたてて現状に対する不満はないし、逆にゾクゾクするようなリスクと隣り合わせの未来への展望もなく、むしろそのような妄想を抱くことは野暮だと苦く鼻で笑いながら安穏とした日常が取り留めもなく……。
ああ、いやだ、こういうのって。
12/14(tue)
司馬遼太郎『梟の城』(新潮文庫)読了。
映画を観た後に読むと楽しみが深まるが、もし逆だったら幻滅だろうな。
渋谷のタワーでようやく橋本一子の『マイルス・アウェイ』を購入。
12/15(wed)
C君と「バックステージ」で飲み。
その後、「松兵衛」で飲み。
その後「ぐでんでん」で飲み。
12/16(thu)
渋谷で所属部署の忘年会。
眠い目をこすりながら、デニー・ザイトリンのレビューをアップ。
定方昭夫『偶然の一致はなぜ起こるのか』(KAWADE夢新書)読了。
12/17(fri)
シリコンバレーの大富豪のお坊っちゃんが通う小学校で必ず出される宿題は、100万ドルのお小遣いを誰が一番有効に使うかを競うコンテスト。
品目は11個までで、数を制限しているのは「安い買い物をさせない」という親心なのだそうだ。
新宿三丁目のパスタ屋「パコス&パコス」に行く。
12/18(sat)
E嬢と赤坂で寿司。
土曜日の赤坂にはほとんど人がいないので、殆ど貸しきり状態。
赤坂プリンスの最上階のバーで夜景を見ながら飲み。
12/19(sun)
高円寺文庫センターの店長宅にて毎年恒例の毎年恒例のコスプレ・クリスマス・パーティ。
息子が怪獣、女房がサンタ、俺が手術着のコスプレで参加したが、例によって流し目をしまくる息子が女性にモテモテで引っ張りだこ、ずるい。
遠藤周作『白い人・黄色い人』(新潮文庫) 読了。
12/20(mon)
女房&息子と行き着けのイタ飯屋。
白ワインと生牡蠣を堪能、息子は相変わらず女性店員にモテモテ。
原隆之『アメリカ人は、なぜ明るいか?』(宝島社新書)読了。
12/21(tue)
仕事ではやらねばならないことのめじろ押し。
木曜日が休日なのが何とも痛い。
スーパーデザイナーO氏、取り引き先代理店の方と六本木で飲み、朝帰り。
12/22(wed)
「クソ」がつくほど忙しい。
深夜帰宅、2時に夕飯(?)。
姫野カオルコ『愛はひとり』(集英社文庫)読了。
12/23(thu)
新しいチューナーを買いに、行き着けの楽器屋へ。
ひとしきりベースを弾きまくり、仲良し店員がすすめるエフェクターを数本試してみたところ、ちょっと音が綺麗すぎるけれども、メタリックな感じに歪むコローションが気に入ったので、今週末の「亡念界」用に購入。
女房&息子といつものイタ飯屋で、フルコース、食後酒はいつものグラッパではなく、養命酒に近い味のマルティーニ。
12/24(fri)
年明け掲出&掲載のもろもろの広告の送りを間に合わすためには今日が正念場。
それだけに前日の祝日がとても痛い。
サンタに扮し、息子にプレゼント。
12/25(sat)
昨日の夜、息子にあげた数種類のチープな電子音の出るおもちゃだが、さすがに「音」と「叩くこと」が好きな彼、朝から夢中になって「バキッ、バキッ、ボコッ、ボコッ」とものすごい音を立てて叩きまくっていた。
ヒマラヤの舞踏音楽、ジンバブエ・ショナ族のムビラ、大好きなチベット密教のCDを購入、いずれも力強くて素晴しい!
女房に鞄を買ってやる、今年で何度目か。
12/26(sun)
バックステージで「亡念界」。
参加者は、朝美、イマムラ、くぅ、こん、C98、ジョニー、梨、hiro(以上、ハンドルネーム表記)と、女房、息子。
皆さん、寒いなかお疲れさんでした。
12/27(mon)
おつき合いの深いデザイン事務所の忘年会に出席。
帰りに楽しい楽しい書店&CD屋めぐり。
司馬遼太郎『街道をゆく39 ニューヨーク散歩』読了。
12/28(tue)
仕事収めの日。
されど忙しさ変わらず。
六本木でC君とカプリチョーザ、後にH嬢(風邪で咳ゴホゴホ)を呼び出し(鬼)、カラオケ屋でC君の爆笑パフォーマンス、終電がなくなったのでT嬢に電話して遊んだり、松兵衛(うどん屋)で朝まで飲みながらジャンケン似顔絵大会。
12/29(wed)
終日部屋のCDの整理。
ケースの移し替え、意外と手間取り時間がかかる。
E嬢から借りた『今昔物語』が面白い。
12/30(thu)
女房、息子といつものイタ飯屋で、仔牛の脳味噌など。
歯も生えていないくせに、最近の息子はなんでもバクバクと喰う。
ミッチーのカレンダー付きベストアルバム『ニヒリズム』を購入、女房と笑いながら聴いている。
12/31(fri)
息子を抱いてピアノを弾いていたら、彼も真似して手の平で鍵盤を強いタッチで叩き御満悦。
ベース弾いたら、息子にネックを握られ、弦がミュートされ音がパスパス。
『田辺聖子の今昔物語』(角川文庫)読了。