雑想 2009年11月
2022/10/07
朝の代官山
代官山でクレーンを探しつつ、
電柱ウォッチングをしていた際に、
空にニョッキリ物体。
すがすがしい朝。
静かな午前中。
たしかその日は、山手線が遅延だったような。
渋谷、恵比寿駅付近はかなりゴタゴタだっただろうな。
Colors Manami Morita
「ポスト上原ひろみ」と称されてもいるManami Morita(マナミ・モリタ)の作品。
ベースがエレクトリック・ベースのピアノトリオだ。
それにしても自由奔放なピアノを弾く人だ。
元気はつらつ、イキのいいピアノトリオ。
ピアノによる表現スタイルはまったく違うんだけど、聴いているときのフィーリングでいえば、たとえば、エロール・ガーナーの『コンサート・バイ・ザ・シー』を聴いたときに感じるワクワク感、高揚感に近いものがある。
ハッピーなフィーリングになりたい人、リズムセクションの密度の高いアンサンブルを楽しみたい人、とにかく難しいことにとらわれず楽しい気分になりた人にオススメのピアノトリオだと思う。
メロディの寸詰めがユニークな《マイ・フェイヴァリット・シングズ》が面白い。
ザ・ヒルクレスト・クラブ
オーネット・コールマンの新譜、ではなく、レコード2枚分の内容を1枚にまとめた復刻盤だ。
ロサンゼルスの「ザ・ヒルクレスト・クラブ」でライブ録音された内容で、ピアノがポール・ブレイ。
これまでは『The Fabulous Paul BleyQuartet』や『Coleman Classics 1』などに、いくつかの音源は登場していたが、1枚のCDにコンパクトにまとめられたのはこれがはじめて。
オーネット・コールマンファンは必携のディスクだ。
▼収録曲
1. Klactoveesedstene
2. I Remember Harlem
3. The Blessing
4. Free
5. When Will The Blues Leave?
6. How Deep Is The Ocean?
7. Remblin'
8. Crossroads
すごい!プロフェット5で《フォトムジーク》を再現
ジャズネタではありませんが、YouTubeで素敵な映像を発見。
テクノ(YMO)世代にとっては鳥肌ものの内容です。
昔NHK FMの坂本龍一の「サウンド・ストリート」をラジオにかじりつくように聞いていた人にとっては、とても懐かしく感じるのではないでしょうか。
この番組のオープン&エンディングトラックの《フォトムジーク》を、なんとプロフェット5の多重録音でコピー&再現する過程の映像です。
高校、大学のときの私も、このようにシンセサイザーを駆使して作った曲を多重録音しまくっていたのですが、もちろんここまでのクオリティやこだわりにはほど遠く、この映像を見たら、またまたシンセ熱や多重録音熱がむくむくと湧いてきました。
にしてもプロフェット5は、本当、いい音しているなぁ。
これに外見が似たシンセサイザーでコルグのトライデントは持っていますが、このような「いかにも坂本チックな音色」は出せんもんな~。
な感じで、曲が出来る過程を見るのが退屈な人は、こちらのほうの映像をご覧ください。
サウンドストリートでは、オープニングナンバーは《フォトムジーク》から《両顔微笑》に変わりますが、《両顔微笑》は、番組に送られてきたリスナーからのデモテープの中から秀逸なトラックを1枚のCDにまとめた『デモテープ』に収録されています。
いま考えると、まだアマチュアだったころのテイ・トウワや槇原敬之もこの番組に作品を送ってきているんですよね。
中学時代は、さほど年も変わらぬ彼らの素晴らしくクオリティの高い音源を聴いて腰を抜かした記憶があります。
井上陽介 ライヴ 六本木
先日、六本木の「アルフィー」に、ベーシスト・井上陽介さんのライブを観に行ってきました。
新作『LIFE』の発売記念のライブです。
メンバーは、
川嶋哲郎:テナーサックス
椎名豊:ピアノ
大坂昌彦:ドラムス
のワンホーンカルテット。
メンバー、お客さんが一体となったノリノリの楽しいライブでした。
このライブのレポートは、来年発売の『スイングジャーナル』に書かせていただけることになったので、そちらをご覧いただくことにして(笑)、今回のライブで、川嶋哲郎のベースワークには、パーシー・ヒースを強く感じました。
もちろん現代的なスマートさも有したベースなのですが、アドリブパートの4ビートで繰り出されるビートは、モダン・ジャズ・カルテットや、初期のマイルス・デイヴィスを支えたパーシー・ヒースのベース的な気持ちよさを感じました。
オーソドックスで「遊び」はあまりないかわりに、ビートの奥底の深い部分で鼓動するようなニュアンス、じわりと染み込み、演奏を鼓舞する低音。
私はマイルス・デイヴィスの『バグズ・グルーヴ』でのパーシー・ヒースのベースが大好きなんですが、いまいちど、聴き返してみたくなりました。
マイルスやモンクのプレイが際立つ《バグズ・グルーヴ》ではありますが、ベースに神経を集中させると、シンプルながら、味わい深い低音の鼓動を楽しむことが出来ますよ!
アルバムをお持ちの方は、是非、これを機会に聴きなおしてみましょう。もちろん、「ベース耳」で!(笑)
サヴォイ 1100円シリーズ レビュー
奄美大島のCD屋「サウンズパル」の主任、高良俊礼さんが、ブログにサヴォイ¥1100シリーズの紹介を一気に20枚分アップしています。
まさに、一気呵成という言葉がピッタリ。
「高良さーん、ブルーノートのときもそうだけど、新譜の復刻がリリースされると、高良さんのほうも一気に短評付きでドカーンとブログに紹介してますよね? 毎回毎回大変じゃないですか?」
「ふふふ、荒行ですから。」
高良さんは、いつも忙しい時ほど不敵に微笑むのです。
「荒行好きなんですか~?」
「荒行を終えた後のガトーショコラは最高なんですよ」
そう、高良さんは甘党なのでした。
ちなみに私も甘いの大好きですが、食べ過ぎると猛烈に眠くなります……。
私はちょっと長めのテキストをたまーにブログやメルマガにアップすると、「やれやれ疲れたぜ~」といいながら昼間から「自分に御褒美酒」をかっくらって、「カ~ッ」と言うのが最高なのですが、高良さんはお酒を飲まない人です。
そのかわり、甘いものが大好きです。
それにしても、サヴォイのジャケットってブルーノートやECMに比べると、微妙に安っちいよね(笑)。
そこがまた魅力といえば魅力。
今回の復刻シリーズのラインナップの中で、私のおすすめはというと、アート・ブレイキーの『ミッドナイト・セッション』かな。
ジャズメッセンジャーズというとブルーノートのゴージャスで分厚いサウンドを思い浮かべるかもしれないけど、このサヴォイに録音された時期のメッセンジャーズは、ある種「暗黒時代」ともいえ、《モーニン》などのヒットを放つ前の時期の録音です。
ジャケットもなんだか安っぽいし、レーベルもサヴォイだし(笑)、と侮るなかれ。
けっこういけるんですよ。
まず、ビル・ハードマンのトランペットがいい。
それに、ジャッキー・マクリーンも参加しているんですよ。
もちろん、その後のファンキー、モード路線に突き進むメッセンジャーズの威風堂々アンサンブルに比べると、小粒な感は否めないと思います。
でも、やっぱり、なんというか、いいんですよ~。
ブルーノートのジャズメッセンジャーズのサウンドって、ある種コンボ編成を超えたスケールを威風堂々と醸し出しているものが多いのですが、サヴォイのメッセンジャーズのサウンドは、これぞまさしくコンボの演奏。
なるほど、メッセンジャーズって実は小規模の編成のバンドで、その編成で人数分以上の迫力を出していたんだな~ということが、すごくよく分かるのです。
エキサイティングなことには変わりありませんが、ほんの少しだけスケール感が縮小したサウンドは、逆に聴きやすいといえば聴きやすい。
珍しいアルバムというわけでもありませんが、こういう機会でもなければ、なかなか買って聴かないでしょ、皆さん?(笑)
ブルーノート1100シリーズである程度メッセンジャーズのディスクがそろったら、今度はサヴォイのメッセンジャーズもチェックしてみよう!
記:2009/11/30