大量生産戦車 M4シャーマンとT-34の比較

   

M4 T-34

第二次大戦中のアメリカの主力戦車といえば
⇒M4シャーマン

ソビエト連邦の主力戦車といえば、
⇒T-34

いずれのプラモも作って楽しい、たくさん作ってもまったく飽きない。
さすが量産型!

作れば作るほど、比較すれば比較するほど、アメリカとソ連両国の当時のお国柄が、さまざまなところで反映されているように感じるので、色々な面から比較し、メモとして残しておいた。

両車輌の特徴

T-34とM4シャーマンは、第二次世界大戦における代表的な戦車であり、それぞれの特徴を簡単にまとめると以下のようになる。

T-34

ソ連で開発・生産された中戦車で、優れた機動性と装甲、安価な生産性を備え、ソ連軍の主力戦車として活躍した。

東部戦線においてドイツ軍の戦車と激突し、多くの戦果を挙げている。

M4シャーマン

アメリカで開発・生産された中戦車。
信頼性の高いエンジンと豊富なバリエーション、整備性の高さを備え、連合軍の主力戦車として活躍した。
東部戦線では主に支援的な役割で使用されたが、西部戦線ではドイツ軍戦車と激突し、多くの戦果を挙げた。

生産数

T-34
⇒約84,000輌

M4シャーマン
⇒約50,000輌

撃破・損壊数

東部戦線

T-34
撃破約43,000輌
損壊約21,000輌

M4シャーマン
東部戦線ではほとんど使用されず

西部戦線

T-34
西部戦線ではほとんど使用されず

M4シャーマン
撃破約8,000輌
損壊約19,000輌

合計

T-34
撃破約43,000輌
損壊約21,000輌

M4シャーマン
撃破約8,000輌
損壊約19,000輌

まとめ

生産数はT-34の方が圧倒的に多い。
撃破・損壊数に関しては、東部戦線に限ればT-34の方が圧倒的に多いが、西部戦線も含めるとM4シャーマンの方が損壊数が多い

もっとも、上記の撃破・損壊数はあくまで推定値であり、資料によって異なる。

操縦性

T-34は雑な大量生産ゆえ、レバーの効きが重く、ハンマーで叩きながら操作したという逸話も残っているようだ。
では、両車両の操縦性はどうなのか。

M4シャーマン

長所
トランスミッション操作が比較的容易
視界が良好
乗員居住性が高い

短所
エンジンパワー不足
ギアチェンジが遅い
重心が高い

T-34

長所
エンジンパワーが強力
サスペンション性能が良好
旋回性に優れている

短所
トランスミッション操作が複雑
視界が狭い
乗員居住性が低い
総合的に見ると

まとめ

初心者にとってはM4シャーマンの方が操縦しやすく、熟練者にとってはT-34の方が戦闘能力を発揮しやすいと言える、

具体的な状況における操縦性の比較

平坦な地形
M4シャーマンの方が、エンジンパワー不足の影響を受けにくいため、快適に操縦できる。

起伏の激しい地形
T-34の方が、サスペンション性能が良好なため、安定した操縦できる。

市街地
T-34の方が、旋回性に優れているため、狭い路地などを通りやすく、敵をかわしやすい。

もっとも、操縦性以外にも、戦車の整備状況、乗員の練度、戦場の状況など、様々な要素が操縦性に影響を与えることはいうまでもない。

迷彩効果

M4は基本オリーブドラブで塗装され、T-34はダークグリーンで塗装されていたが、どちらの塗装の方が迷彩効果がが高かったのか?

M4シャーマンのオリーブドラブ

アメリカ陸軍で広く使用されていた色
草原や森林など、緑色の多い環境に適していた
遠距離では効果的だったが、近距離では車体が目立ちやすかった

T-34のダークグリーン

ソ連軍で広く使用されていた色
森林や沼地など、暗い環境に適していた
近距離では効果的だったが、遠距離では車体が判別しにくかった

迷彩効果に影響を与える要素

草原での戦闘では、オリーブドラブの方が効果的だった可能性が高い。
森林での戦闘では、ダークグリーンの方が効果的だった可能性が高い。

対タイガーI戦術

M4とT-34、いずれの戦車にとって当時の強敵の一つがドイツ陸軍のタイガーI重戦車だったが、では、タイガー重戦車と戦う場合、どのような戦術を取るべきか。

M4シャーマンの戦術

M4シャーマンは、タイガー重戦車よりも装甲や砲撃力が劣るため、正面からの撃ち合いは避けることが賢明。
したがって、以下のような戦術が考えられる。

側面や背面からの攻撃
タイガー重戦車の側面や背面は装甲が薄いため、そこを狙って攻撃する。

待ち伏せ
タイガー重戦車の進路を予測し、待ち伏せて攻撃。

複数戦車で集中攻撃
複数のM4シャーマンで同時に攻撃することで、タイガー重戦車を圧倒する。

煙幕を使って視界を遮る
煙幕を使ってタイガー重戦車の視界を遮り、攻撃を有利に進める。

地形の利用
丘陵地帯などの起伏のある地形を利用して、タイガー重戦車の射撃を避ける。

T-34の戦術

T-34は、M4シャーマンよりも装甲や砲撃力に優れているため、タイガー重戦車と正面から撃ち合うことも可能ではある。しかし、油断は禁物。考えられる戦術は以下の通り。

正面からの撃ち合い
T-34の76mm戦車砲は、タイガー重戦車の前面装甲を貫通できる可能性がある。さまざまな条件が整った場合に限るが。

側面や背面から攻撃する
M4シャーマンと同様に、側面や背面を狙って攻撃する戦法。

待ち伏せ
M4シャーマンと同様、待ち伏せ攻撃。

複数戦車で集中攻撃
M4シャーマンと同様に、複数のT-34で同時に攻撃。

煙幕を使って視界を遮る
シャーマンと同様に、煙幕を使って視界を遮る。

地形の利用
M4シャーマンと同様に、地形を利用してタイガー重戦車の射撃を避ける。

と、だいたいがM4もT-34も同じ戦法で戦うというか、戦わざるを得ないというか。

もっとも、戦車の性能そのものよりも、乗員の練度も重要で、当然のことながら、乗員の練度が高い方が、戦術を上手く実行することができることは言うまでもなく、加えて戦場の状況も重要で、戦場の状況によって、適切な戦術はかなり変わってきて臨機応変な対応が必要となる。

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