アメリ、カウンタ、モンマルトル
2018/01/09
私は、ごくたまにしか、ネット上にアップされた自分のサイトのトップページは覗かない。
したがって、カウンタの数字も最近ではあまり見ない。
もっとも、ページを立ち上げてしばらくの間は、毎日何度も「今日は何人来たかな?」と覗いていたし、アクセス解析もしていたものだが、1万を過ぎた頃から、急速にカウンターの数字に対しての興味を失い、2万を過ぎたあたりになると、もう数字の動きなんかどうでも良くなった。
だからといって、カウンターを外さないのは、やっぱり時々は気になることもあるからだ。
で、この前、リニューアルしたページのチェックも予ねて、久々にトップページを覗いてみると、おお、もう7万3千!
カウンタの回転はメルマガを初めてから、ずいぶんと速くなったものだと痛感していたが、まさか、こうも早いとは思わなんだ。
メルマガの読者の方の他には、一体どういう人が訪問してくれているのだろう?
考えられることとしては、検索エンジンでキーワードを入力して、ここに辿り付く方も多いんじゃないかということ。
「強襲揚陸艦」「馬鹿」「ゲロ」「いやな予感」「闇」
などといった言葉を入力したら、ここに辿り付きましたと知らせてくれる人もいたから、私が書き散らかしている文章中の言葉を、検索エンジンのロボットがマメに拾っているんだろうな。
話しは変わるが、『アメリ』という映画が日本でもヒットしている。
フランスでは10人に9人が観たといわれているほどのヒット作だ。
私はまだ観ていないが、フランス系の外資に勤めている女房は、「観よう観よう」とうるさい。
日本でも、渋谷のシネマライズなどのような映画館で、どちらかというと単館上映的なスタンスで昨年末から上映がスタートしたが、あれよあれよという間に、観客動員数が増えに増え、現在では既に35万人を越すと か。春までには全国70以上の映画館で上映されるほどのヒット作になりつつある。
それにしても、「10人に9人(つまり800万人)が観た」という事実はスゴイ。
『タイタニック』の動員数を超えたという『千と千尋の神隠し』ですら、「10人に9人」は観られていないだろう。
また、韓国の『シュリ』だって、3人に1人の割合だそうだから、いかにフランスではブームなのかということが分かろうものだ。
シラク大統領も官邸での上映会で観たようだし、フランスの極左の一部の人びとは、ホモが出てこない、みんな良い人ばかり、現状肯定、これっての右傾化思想の理想主義なんじゃないか?という意見も出ているようだから、賛否両論が渦巻いている自体、それだけフランス国内では空前のブームなのだとも言えるだろう。
「よし!じゃあオレは観ないぞ」という、私のヘソ曲がりの血が騒ぐ(性格悪)。
『アメリ』を観た映画マニアに言わせると、フランス映画にしては、どちらかというとフラットな作りで、フランス映画にありがちな、毒のあるユーモアや皮肉があまり込められていなく、老若男女問わずに楽しめる映画なのだそうだ。
私はフランス映画といえば、『地下鉄のザジ』が大好きなのだが、ああいう感じなの?と尋ねると、ザジほど斬新でも過激でも無いとのこと。
ほのぼのとした気分、キーワードは“しあわせ”、そして、ハッピーエンドで、良い気分になる映画になるそうだ。
そして、主人公のアメリ・プーラン演ずる女の子がとにかく可愛いのだそうだ。映画のスチールを数十枚見せてもらったが、なるほど、すっごく可愛い。
髪型も可愛いし、あれ、でも、あの髪型を日本人女性が真似すると、「小梅ちゃん」って呼びたくなってしまうような、田舎の素朴な浴衣を着た昔風の女の子になっちゃうかな、良くてクラムボンのヴォーカルの女の子風、似合わないと、かなり悲惨な結果を招いてしまうような気がするぞ、とにかく、あの髪型は、日本人には似合いにくい髪型なんだろうな、などといらぬことを考えているうちに、あれ、なんだか観たくなってきたぞ(笑)。
周囲の女の子でも何人かは観に行った子が何人かいるが、渋谷の映画館だと、40分待っても立ち見のようだから、8月に出ると言われているDVDの発売まで待とうかな。
どうやら、二枚組で出るようだし。もう一枚の方は、“その後のアメリ”という内容なのだそうで、かなりオトクな内容のようだ。
今は、世界的になにかと不安の絶えない時代だ。
特に、日本よりも欧州のほうがテロのような世界的な事件に敏感になっているだろうし、通貨がユーロに統合されるなどと、大きな社会的変化の波にさらされている。
だからこそ、そんなときにこそ、皮肉やウィットに富んだ作品よりも、ほのぼのとしたストレートな作品が乾いた心に染みいってくるのだろうか。
なーんて、観てないうちからあれこれと書くのは、もうよそう。
「観てもいないくせに、どうして偉そうなこと言うんですか?」といったような抗議がまたきそうだからな(大爆笑)。
鑑賞前に、あれこれと想像を巡らすことも、想像を巡らせた内容を書く自由すらも、私には許されていないらしい(あかんべー&べろべろばー)。
で、えーと何が言いたいのかというと、『アメリ』という映画の舞台となる場所が、モンマルトル。
そして、アメリはモンマルトルのカフェでアルバイトをしているという設定になっているのだそうだ。
モンマルトルのカフェ。→カフェ・モンマルトル。
あ、このページの名前じゃん。って、しらじらしいか。
『アメリ』についての情報を検索するつもりで「カフェ・モンマルトル」と入力したら、全然関係のない、こんなページにたどり着いちゃった人も実は多いのかもしれない。
だから、最近のカウンタの周りがすごく速いのかな、などと勝手に想像している今日このごろ。
ちなみに、モンマルトルの丘はフランスですが、「カフェ・モンマルトル」とは、コペンハーゲンにあるジャズ・クラブの名前です。
そういえば、以前アイルランドに住むフランス人女性からメールが来た。
彼女は「cafe、montmartre、Tokyo」で検索をかけたらしい。
この3語、全部うちのページにひっかかる言葉だ。
メールのおおまかな内容は、
「この前、フランスへ旅行へ行ったら素敵な男性と知り合って、楽しいひと時を過ごした。その男性は、日本の東京、たしかロッポンギというところに行くと行っていた。東京のロッポンギというところで、フランス人が集まるようなカフェは知りませんか?私は彼の行方を知りたいのです。ちなみに、私たちが別れた場所はモンマルトルの丘なのです」
といった内容だった。
言葉の組み合わせ次第では、様々な誤解や、予期せぬ物語を知ることもある。
ネットならではの醍醐味なのかもしれない。
記:2002/02/09