B-2 unit/坂本龍一
2022/03/20
最高傑作!
私が坂本龍一のアルバムで最も好きなのが『B-2unit』。
『エスペラント』とともに、坂本龍一の最高傑作だと思っている。
ロシア構成主義のグラフィック・デザイナー、エル・リシツキーが1922年に発表した子供の本、『六つの場面の中での二つの四角のスプレマチト物語』の表紙をモロにパクッたジャケットは、パクリと分かってはいても、LPサイズで眺めると、それなりにの迫力で中々カッコいい。
私がこのアルバムを好きになったキッカケの曲はは、《differencia》と《participation mystique》。
なんて野蛮で戦闘的で、そのくせ知的なサウンドなのだろうと衝撃を受けて以来、かれこれ20年以上も飽きることなく聴き続けている。
記:1999/04月
再発・リミックス盤
あ~あ、また買っちゃったよ。
坂本龍一の『B-2 unit』の再発&リミックス。
レコード、カセット(一時期出ていたんですよ)、CD……。
いったい何回買い直せば気が済むんでしょうねぇ。
でも、「自身とNYCスターリング・スタジオのテッド・ジャンセンによるデジタルリマスタリング!」「新インタビユー掲載!」なんてうたい文句を読んじゃうと、またついつい手が出てしまうんですよね。
音は、うん、そうだね、昔のレコードのときのゾワゾワ感が、やっぱりこのような攻撃的なサウンドにマッチしているとは思うんだけれども、ヌメッと輪郭が浮き彫りになったこのミックスも悪くないと思う(ま、そんなに大差はないんだけどね……)。
過激というよりは、一つ一つの音のレイアウトが秀逸なサウンドは、まさに、ジャケットのロシア構成主義のデザインそのもの。
だから、デザインそのものはエル・リシツキーの作品のパクリだけれども、リシツキーの作品に目をつけ、ジャケットでアルバムの音を伝えようとするアイディアとセンスはもの凄く買ってます。
私の中では、いつまでも坂本龍一のベスト!
リアルタイムで聴いていない人の耳にも、刺激的で驚きに満ちたサウンドとして響くんじゃないかな?
教授が好きな人は、彼の生み出すハーモニーが好きな人ってすごく多いと思うんだけれども、ハーモニーが徹底的に、粉々に破壊された彼のサウンドも逆の意味で新鮮に感じるんじゃないかと思います。
解体された音の向こうに再び音楽が聞こえてくるのです。
記:2005/08/01
追記
発売時からリアルタイムで、ずーっと聴き続けている、「愛聴盤」のひとことでは済ませられないほど、もう、このアルバムの音の隅々が自分の細胞になっちゃっているんじゃないかと思うほど大好きなアルバムです。
今日も2回聴いちゃいました(笑)。
自宅にあるiTunesで再生回数を300回越えているアルバムは、これと、スライの『暴動』ぐらいなもんじゃないかな。
もちろん、自宅のiTunesで聴く以外にも外ではiPodの常備曲だし、iTunes導入前から、CDやレコードで聴いているので、もしかしたら1000回以上聴いてるかも。
なにがいいかって?
音色、タイミング、曲、音の配列バランス、勢い、響き、なにからなにまで全部!
それぐらい、自分という人間の一部になっちゃっているぐらいのアルバムが坂本龍一の『B-2 unit』なんです。
記:2012/01/19