ウィンブルドン、ドッジボール/試写レポート
球技の映画2本
「たま」に関する映画の試写を2本観た。
猫のタマでも、
金の玉でもなく、
ましてや、ちょっと前に解散したイカ天出身のバンドでもない。
タマは玉でも、球技の映画だ。(「あタマ」の悪いダジャレ、すいません)
ひとつは、『ウィンブルドン』。
テニスですね。
もうひとつは『ドッジボール』。
タイトル通りですね。
両方とも、そこそこ面白かったよ。
映画の性質は、まったく違うけれどもね。
スポーツの絡んだ、あくまで爽やかな、そして、観ているこちらが少し照れてしまうほどの正統派ラブストーリーが『ウィンブルドン』。
それに対して、いかにもアメリカ!!なコテコテなノリと趣味の悪さを、ここまでかというほどコッテリと見せつけてくれたのが『ドッジボール』。
レモン味の爽やかキャンディと、オタフクソースとマヨネーズがどっぷりとかかったお好み焼きの違いですね。
ま、両方、おいしいから好きだけど。
ウィンブルドン
『ウィンブルドン』のヒロインは、キルスティン・ダンスト。
『スパイダーマン』ではMJ役で有名ですね。
さすが、3歳の頃から100本以上のCM、映画、ドラマをこなしたというキャリアはダテではなく、この映画ではスパイダーマンのときのMJとはまったく違う役柄を演じております。
スパイダーマンのときの彼女は、冴えない男の子が憧れそうな、野暮ったさをリアルに漂わせた、ご近所レベルでかわいい女の子を演じていましたが、今回は奔放で勝気なテニスのチャンピオン。
当然、オーラの漂わせ方がまったく違うわけで、『スパイダーマン』(特に「1」)においては、普通の女の子的な地味な「イモ姉ちゃんオーラ」を正しく発散していた彼女でしたが、今回は、テニスの王座を射止めている、ある意味王者の風格さえ漂わせているのです。
なかなか素敵でした。
ファニーなフェイスですが、ああいう笑顔は素敵ですね。
テーマは、「恋をすれば強くなる」。
世界ランキング119位の、まぁそこそこの実力の持ち主だけれども、大きく突き抜けることもないポール・ベタニーが、彼女と恋に落ちて……、あとはお楽しみに。
サクッと軽やかに楽しめる90分でした。
観た日:2005/03/29
ドッジボール
同じ90分の“タマもの”映画、『ドッジボール』。
こちらは、なんっつーか、大阪のノリですな。
あ、アメリカに大阪はないんだけれども、いっかにもアメリカーン!な、お馬鹿でキッチュなノリが炸裂する、ギャグムーヴィ。
ただ、なんというかB級感は拭えませんな。
しかし、それでも同時期に公開されていたトム・ハンクスの『ターミナル』や『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』を抑え初登場第1位を記録し、5週連続トップ10入りをしたというムーヴィなんです。
しかも、全米興収1億1400万ドル突破ということなので、気軽に観て笑うためには最適な映画だったんでしょう、アメリカでは。
ひと癖あるチームメンバーばかりを集めて結成された、ドッジボールのチームなんですが、ひと癖というより、アクのあるメンバーばかりなのであります。
フライドチキンのアブラでギトギトになった指先で、肉汁のしたたりまくるハンバーガーをガブつき、真っ赤になるまでフライドポテトにケチャップをかけ続けるような、そんなジャンクでグリージーなノリが漂いまくっているのです。
ま、やるんなら徹底して、とことんとここまで馬鹿やってくれたほうが観終わった後は爽快なわけでして、そういった意味では、今回の「タマ」映画の2本は、ノリは180度違うけれども、鑑賞後の気分は、両者とも爽やかでしたね。
鑑た日:2005/03/31
movie data
●ウィンブルドン
監督:リチャード・ロンクレイン
製作:ティム・ビーヴァン、エリック・フェルナー、ライザ・チェイシン、メアリー・リチャーズ
製作総指揮:デブラ・ヘイワード
脚本:アダム・ブルックス、ジェニファー・フラケット、マーク・レヴィン
出演:キルスティン・ダンスト、ポール・ベタニー、サム・ニール、ジョン・ファンブロー、バーナード・ヒル、エレノア・ブロン、オースティン・ニコルズ、ニコライ・コスター=ワルドウ ほか
2004年作品
イギリス=アメリカ
●ドッジボール
監督: ローソン・マーシャル・サーバー
製作: スチュアート・コーンフェルド、ベン・スティラー
製作総指揮: メアリー・マクラグレン、ローズ・レイダー
脚本: ローソン・マーシャル・サーバー
出演: ヴィンス・ヴォーン、クリスティーン・テイラー、ベン・スティラー、リップ・トーン、ジャスティン・ロング、スティーヴン・ルート、ジョエル・デヴィッド・ムーア、クリス・ウィリアムズ、アラン・テュディック、ミッシー・パイル、ゲイリー・コール、ジェイソン・ベイトマン、ハンク・アザリア、ランス・アームストロング、チャック・ノリス、デヴィッド・ハッセルホフ、ウィリアム・シャトナー、ジュリー・ゴンザロ、エイミー・スティラー ほか
記:2005/03/31