バーナード・エドワーズのベースが素晴らしい~Chicの《Good Times》
ゴキゲンなディスコナンバー
シックの《グッド・タイムズ》が好きだ。
バーナード・エドワーズによる4小節のベースのパターンが延々と繰り返され、これにナイル・ロジャースのリズムギターが絡む、ゴキゲンなディスコ・ナンバーだ。
ノリをキープすることが難しいベースライン
クイーンのファンが、この曲を聴いたら、《アナザー・ワン・バイツ・ザ・ダスト(地獄へ道づれ)》のベースラインと酷似していることに気がつかれることと思う。
それもそのはず。
クイーンのベーシスト、ジョン・ディーコンは、シックのこの曲のベースラインをパクッ……、いや、参考にして作ったのだそうだ。
しかし、同じように聴こえるベースラインでも、シックとクイーンでは著しくニュアンスが違う。
クイーンのベースは、細かな16分音符は省略されているため、平板な印象が拭えないが、シックのラインは、音符も休符も、かなり複雑で細かい。
聴くぶんにはゴキゲンだが、このノリをベースで出すのはかなり難しい。
しかも、8分以上、延々とこのパターンを繰り返すのだ。
バーナード本人は天然で弾いているのかもしれないが、我々ベーシストが、このノリを8分もの間キープしつづけるのは、いや、それ以前にこのベースラインの音符を間違えたり遊びをいれずに8分間キープしつづけるには、かなりの集中力を要する。
音符や休符の位置にばかり気を取られていると、今度はノリのほうがおろそかになってしまう。
しかし、逆に言えば、この難しいがゴキゲンなベースの4小節パターンはベースの練習にはもってこいなフレーズといえる。
・ノリの維持、
・運指の訓練、
・リズムキープの訓練、
・集中力の養成、
などなど、ベーシストに必要な「基礎体力」を培うにはもってこいの素材といえる。
この曲にあわせて毎日ベースを弾けば、半年、いや、1ヶ月でもかなりリズム感とグルーヴ感が養われるのではないかと思っている今日この頃。
慣れてくれば、ウォーミング・アップにも最適なベースラインだとも思われる。
グランド・マスター・フラッシュ
私?
昔、練習してましたよ~。
ただし、シックの《グッドタイムズ》ではなくて、グランド・マスター・フラッシュの《ザ・ホイールズ・オブ・スティール》に合わせて。
そう、グランド・マスター・フラッシュも、この曲をラップのネタにしていたのですね(ちなみに、よく聴くとクイーンのベースラインもネタに使われている)。
Adventures Of Grandmaster Flash On The Wheels Of Steel
じつは、この曲のベースラインがシックのものだと知ったのは、つい最近のことで(汗)、それまでは、グランド・マスター・フラッシュのゴキゲンなナンバーだと思っていた私(汗)。
で、今ですが、ときたま、ウッドベースのウォーミングアップにこのベースラインを使わせていただいたいます。
なかなか、太くてタフな弦に対しては、右手の指の良い運動になります。
スムースに弾けたときは、弦とお友達!になれた感じがして(特に4弦と2弦)、なかなか気分が良いものです。
もし、いまいち自分のベースには持久力もノリも足りないと思っているベーシストは、守備ジャンルを問わずにチャレンジされてみては如何?
記:2005/05/05(from「ベース馬鹿見参!」)