実写版『ど根性ガエル』が意外と面白い
2018/01/09
日テレで実写化されて放映中の『ど根性ガエル』。
なぜに、今頃、そしていまさら『ど根性ガエル』なんだろ?と思って興味半分で見たみたのですが、これがなかなか良いのです。
私は小学生の頃、夕飯前の時間帯に、アニメの『ど根性ガエル』の再放送を見ていたことがあり、しかもテレビっ子というか『夕焼けテレビ番長』といっても良いほどの再放送のアニメや特撮が大好きだった子どもだったためか、『ハクション大魔王』や『ど根性ガエル』は、ほぼ全話を見たんじゃないかと思います。
めちゃくちゃ入れ込むほど好きだったというわけでもないんだけれども、自室で勉強するよりはテレビを見ていたほうが楽しいし、それに、毎晩夕飯前はテレビの前に据わるということが生活習慣になっていたというか。
だから、『ど根性ガエル』は懐かしいというよりも、私にとっては「暇つぶし」アニメだった大昔の作品だったんですが、そんな暇つぶしアニメが「なんで今頃、実写でリメイク?」と思ったのですが、とにもかくにも、ほとんど期待することもなしに、なんとはなしの気分で観てみたんですよ。
すると、意外や意外、なんだか面白い。
話自体は、ゆるーい感じですね。
それこそ15分のエピソードが2本立ての30分アニメだとすると、その1話ぶん程度の内容だと思うのですが、これが1時間近くに引き伸ばされていても、あまり違和感がないのです。
松山ケンイチや、薬師丸ひろ子の演技力の賜物ということもあるのでしょう。
しかし、それ以上に「頑張りすぎていない」ところが大きな理由のような気がしますね。
今回の同じクールのドラマ、たとえば北川景子の『探偵の探偵』や、窪田正孝の『デスノート』と比較してみると、『ど根性ガエル』のドラマ中に詰め込まれた情報量って、十分の一にも満たないんじゃないかと思うほど。
北川景子がカッコいいシリアス・サスペンスものの『探偵の探偵』にしろ、夜神月やLのキャラが新しく設定しなおされるという意気込みは良いのですが、どことなく上滑りをしている感の強い『デスノート』にしろ、基本、情報量や、1話の中に挿入されるイベントの数が多いです。
しかし、『ど根性ガエル』の劇中で発生するイベントの少なさといったら……。
しかし、このイベントが少なく、なんとなく間延びのした感じが、かえって心地よいのです。
役者や監督、演出の力量次第ではスッカスカな内容になってしまいかねない内容が、きわどくもスッカスカになる一歩手前の状態で、心地よいリズム感を保っている。
これは、なかなか凄いことなんじゃないかと思っています。
それと、もうひとつ。
ピョン吉の声優、満島ひかりの声がとてもよいのです。
表情豊かなあの声、ちょっと高音の部分が微妙に掠れたりするところが根性あるけどナイーブな一面も併せ持つピョン吉のキャラを巧く引き出していて、CGアニメーションの平面ガエルに生命を吹き込んでいるのです。
満島ひかりといえば、特撮好きな私にとては『ウルトラマンマックス』に登場するアンドロイド・エリーの役が強烈なインパクトだったのですが、あの表情が抑えられたアンドロイドが、こうも表情豊かな声でドラマを彩っているのかと思うと、とても感慨深いものがあります。
上の写真は、『ウルトラマンマックス』の第一話試写会の際に撮影したものですが、右に立つ満島ひかりが、今では、あのピョン吉の声なのかと思うと、彼女が持つ芸幅の広さには驚くばかりです。
しっかし、よくキャスティング担当の人は、満島ひかりを「発見」したな~。
「切なさ」が彼女を選んだポイントなのだそうですが、なるほどね。
彼女がこれほどまでにハマリ役だったとは、満島ファンですら気付かなかったことなのではないでしょうか?
さて、この実写版『ど根性ガエル』、今のところ1話、2話は続けて見ています。
きっと今週の第3話も、ゆるーい気分で見ていることでしょう。
記:2015/07/23