ファイヤー・フォックスは、やっぱり何度観ても面白い。
2018/01/09
私が好きな映画の一つに、『ファイヤー・フォックス』があります。
小学生の頃に見て以来、ほんと、この映画は何度見返したことでしょう。
まだ、米ソ冷戦時代の頃のお話で、簡単に言ってしまえば、ソ連が開発した、最新鋭戦闘機を西側のパイロットが盗むお話しです。
ミグ31。
コードネーム「ファイヤー・フォックス」。
ソ連が、理論物理学の分野では高名、されど反体制的なユダヤ人科学者を開発陣営に引き入れて作った、西側の10年先の技術を行く戦闘機です。
特徴を列記してみると、
・パイロットの思考がそのまま兵器に伝達されるシステム(ロシア語で「ミサイル発射!」と考えれば、ミサイルが発射される、など)
・マッハ5で飛ぶ。緊急時はマッハ6でも可能
・ステルス
・高高度での戦闘が可能
などなど、当時の西側の航空技術を軽く凌駕し、東西のパワーバランスを左右しかねない、危険な戦闘機なのです。
これを、盗む。 盗むのは、クリント・イーストウッド演じる、ミッシェル・ガントというパイロット。
彼は母親がロシア人で、ロシア語が話せる。
パイロットとしての腕も一流。
しかし、ベトナム戦争時のトラウマが残るパイロットでもあります。
彼が変装してモスクワに降り立ち、ユダヤ人組織の力を借りてビリヤリスクの基地に潜入、盗みだすまでの緊張感、ハラハラ感がたまらんのです。
見事、盗みだし、滑走路から離陸するファイヤーフォックスの勇士!
もう、涙涙なのであります。
さらに、重苦しい雰囲気に覆われた前半の空気とは裏腹に、ビリヤリスクの基地を飛び立ったファイヤーフォックスのスピード感溢れる描写が、く~たまらん!なのであります。
もちろん、CGなぞ無かった次代の特撮。
今の眼で見ると、陳腐な映像に見えるかもしれませんが、そんなことどうでもイイのです。
もちろん、ファイヤーフォックスの機体のカッコ良さもあるのですが、この映画の面白さは、緊迫感、圧迫感、開放感、カタルシスの4つの要素の緩急の匙加減の見事さにあるのです。
スパイ映画と特撮映画が合体した感じというのかな?
これを味わいたくて、年に2~3度、いまだに見続けている私。
だから、一緒に見ている息子も、ストーリーやディティールも、興味のあるところは覚えてしまっているようです。
「このパスポートには不審な点がある」
「ボスコフ中佐、身分証明書を」
「はは、…まさか盗むだなんて大それたこと」
「荒削りだな」
「ビールを冷やして待っていてくれ」
「ロシア語で考えろ!」
など、場面に合わせて暗誦するので笑ってしまいます。
あと、シーンに合わせて「あ、この炎はトラウマのところだよね?」とか、「失速したから、クルクル回ってるんだよね?」などと、私が以前解説したシーンの意味もキチンと覚えているので、嬉しいかぎりであります。
息子の将来の夢は、考古学者らしいですが、忍者にもなる夢も諦めてないようなので、是非、大きくなったら、ファイヤーフォックス級の最新鋭兵器を盗みだして欲しいものです。
というのは冗談ですが、犯罪とは知りつつも、ルパンや二十面相やキャッツアイ(笑)じゃないけど、「盗む」という行為にはある種の美しさや、トキメキを感じてしまう私。
今読んでいる本も、ヘタな犯罪小説を読むよりは、ずっと面白いです。
▼盗まれたムンクの叫びを追うロンドン警察特捜班!
ムンクを追え! 『叫び』奪還に賭けたロンドン警視庁美術特捜班の100日
記:2006/03/22