ガーデン/イクエ・モリ
2018/10/24
滅茶苦茶脳にくる!気持ち良し!
ニューヨーク在住のドラムマシン奏者、イクエ・モリ。
元はといえば、ドラマーなんだけど、最近はもっぱらプログラミングを中心に活動をしているようだ。
ジョン・ゾーンと組んでライブをやっていたことも記憶に新しい。
数年前に来日したときのジョン・ゾーンとのライブ(法政大学)は、観にいけなくて、本当に残念だった。
彼女の存在を知ったのはTZADIKレーベルから出ている『ガーデン』というアルバム。
アンビエントというか、環境音楽というか、そこらへんの分類はよく分からないが、大変心地の良いサウンドなことには間違いない。
脳に心地よく音の波動が伝わってくる。
しかも、瞑想や目蕩みとは対極な、眠たい意識を覚醒させるような心地よさ。
徹頭徹尾クール。
明晰で歯切れの良い音の配列と間は、疲れた頭脳の良いマッサージにもなる。
まるで、頭のなかに冷たい蒸留水が流れているようなニュアンスを感じ、シャープな「打音」の配列に脳が浄化され、冴えわたってゆくような感覚を覚える。
サウンドは、限りなくデジタルなのに、頭の中にはピュアな水が絶え間なく溢れ、勢いよく流れてゆくようだ。
音楽というよりは、音のインテリアっていう感じかな?
しかし、徹頭徹尾クール。
ドラムマシンだけではなく、サンプラーや、エフェクト音などが効果的に使われており、心地良いだけではなく、ある種のエッジもある。
ソフトに攻撃的なのだ。
ジョン・ゾーンが随分昔に立ち上げたTZADIKというレーベルの作品だが、レーベルカラーにふさわしく、なかなか尖った前衛っぷりを味わえる。
センスの良い店の店頭で流すのも吉。
記:2002/02/13
収録曲
GARDEN (Tzadik)
- Ikue Mori
1、The Pit and the Pendulum
2、Abacus ~ Blue Parrot
3、Tool Box ~ Loops
4、Bamboo Battle
5、Donkey Diversion ~ Gull ~ Moon Desert