ガンキャノン量産型制作レポート/HGUC 1/144 RX-77D ガンキャノン量産型
2021/12/22
名やられ役
カイが乗っていたガンキャノン以外のガンキャノンって、ジムと同じく「名やられ役」なモビルスーツのひとつだと思います。
ジムの「やられ」は、様々なシチュエーションが登場しますが、ガンキャノンの「やられシチュエーション」というのは、どうやら「瞬殺」が多いようです。
最近だと、『ORIGIN』の鉄騎兵中隊のガンキャノン最初期型が記憶に新しいと思いますが、忘れてはならないのが、『ポケットの中の戦争』でケンプファーに屠られるスカーレット小隊の量産型ガンキャノンも忘れてはなりません。
というか、登場時間が短いので忘れている人も多いかもね。
しかし、ケンプファーにはまったく歯が立たなかった量産型ガンキャノンではありますが、そして登場時間も一瞬なので、機体のディティールまでには目がいかなかった方も大勢いらっしゃるとは思いますが、よくよく見ると、なかなかそそるデザインなんですね。
丸みを帯びたガンキャノンに比べると、量産型はもう少しカクカクしていて無骨なシェイプです。
さらに特徴的なのが、肉抜き穴(?)がたくさん空いた肩のアーマーです。
また、股間に装備されている謎の棒状パーツも目を惹きますし、なかなか「塗り心」を刺激する要素が満載な機体なのです。
これは作るしか(塗るしか)ないっしょ!
ということで、押入れの奥から取り出したる量産型ガンキャノンのキット、作ります!
ボックスアートもなかなかカッコいい!
げんこつデカ過ぎ、でも力強い。
箱の中
量産型ガンキャノンの箱の中を見てみましょう。
こんな感じです。
パーツは少なめですね。
すぐに組めてしまいそうです。
ランナーやシール、ポリキャップを並べると、こんな感じ。
ランナーは3枚。
サクッと組めてしまいそうです。
では、各ランナーを見てみましょう。
Aランナー
多色成型のAランナー。
赤、黄、グレーともに、テカッとしたプラスティックのツヤは、最近のしっとりとした質感のガンプラのパーツとは違い、少々時代を感じる成型色ですね。
Bランナー
グレイ一色のBランナーです。
ガンキャノンのトレードマークのひとつでもあるクルブシの大きな円。
この足先を構成するパーツが目を引きますね。
Cランナー
赤一色のCランナーです。
出荷されてからだいぶ年数が経っているのか、ランナー全体が経年変化で微妙に歪曲していますが、もちろんパーツへの影響はないので、まったく問題ありません。
この赤の色味、ちょいとチープな赤ですね。
しかし、素組みで塗装をしない場合でも、完成後につや消しトップコートを吹けば、この手の赤は、見違えるほどしっとりとした深みのある質感が生まれます。
個人的には、この手の赤味、嫌いではありません。
勝手に「昭和レッド」と呼んでいます。
昔のプラモデルの赤いパーツの色って、こんなテイストのプラスチックが多かったんですよ。
それと、昭和時代の特撮の赤を彷彿とさせる赤でもありますね。
レッドバロンとか、マッハバロンとか、ザボーガーやダイバロンの赤とか。
ちょっとノスタルジーを感じる赤。
というわけで、この量産型ガンキャノン、最初はグレー系で渋く塗るつもりでしたが、昭和レッドなテイストで塗ろうと思います!
要するに設定色どおりに塗るだけ……。
シールとポリキャップ
シールとポリキャップです。
頭部のバイザーはクリアパーツではなくシールで表現するようになっているんですね。
肩の特徴的な丸い黄色のナンバーのシールは貼ろうかな、どうしようかな。
たぶん貼らない……。
組立説明書
組立説明書です。
素組み完了
あっという間に素組みが完成してしまいました。
いつもだったら、各部位ごとに撮影してレポートをするのですが、今回はなぜか、一気に組み立ててしまいたい!という欲求が強く、短時間で一気に完成まで持っていきました。
おそらく、一気に組み立てて、その後、つや消しラッカーを吹きたい!という気持ちが強かったのでしょう。
ですので、素組みした後、Mr.カラーのつや消しスプレーを吹いています。
案の定、薄っぺらい感じの赤に多少深みが出てきたので、ちょっと嬉しい。
さらに、肩の肉抜き穴の部分は、NATOブラックで塗装しています。
つや消しブラックでもいいんですが、真っ黒だと、ちょっとコントラストがキツ過ぎて、かえって不自然になってしまうんですよね。
脚部の黒い汚れは、NATOブラックがポトリと垂れてしまったので、慌ててティッシュで拭き取った後です。
なんだかベラダサ。
急いで素組みをし、配色のバランスをチェックしたり、つや消し剤を吹いた赤味を確認したので、いよいよ塗装作業に移行したいと思います。
サフ吹き
各ブロックごとにバラしたパーツにサーフェイサーを吹き付けました。
頭部を除いて。
マホガニーを吹き、乾いたらプラの地肌が出ているところをめがけて黒を吹きました。
プラスチックの地肌を表面を潰すことと、その後の塗料のノリを良くすることが目的なので、色味に関しては、この段階では気にしない気にしない。
頭部は成形色を生かそうかと考えているので、つや消しラッカースプレーを吹きました。
シールを貼ったバイザーの光沢が良い具合に消えてくれました。
アクリル塗料のハルレッドを下塗り
頭部以外の各ブロックごとに分割したそれぞれのパーツに、タミヤのアクリル塗料のハルレッドで下塗りしました。
ハルレッドに微量にダークグレーを加え、水で薄めて、百均で買った水採用の大型平筆で、ムラや塗り残しを気にせず、一気にグワワワッ!と塗りつぶしました。
基本色を筆塗り
基本色を塗装しました。
タミヤのアクリル塗料で筆塗りです。
赤はフラットレッド、黄色い箇所はフラットイエロー、グリーンの箇所はNATOグリーン、キャノン砲はNATOブラック、その他のグレーの箇所はダークグレーです。
完成!
量産型ガンキャノン、完成しました!
Mr.ウェザリングカラーのステインブラウンを窪んだ部分に流し込み、タミヤのアクリルカラーのガンメタルをドライブラシすることによって、モールドを際立たせています。
後姿。
ただ、背中の海苔せんべい(?)の黒の箇所、筆塗りが雑ですね。
マスキングをすればよかったと反省。
無骨なボディがなかなかカッコ良いではないですか。
『ポケットの中の戦争』では、登場したらすぐにやられてしまうので、一般的には弱い機体だと思われているようですが、ミーシャ(ミハイル・カミンスキー)が操縦するケンプファーが強すぎただけで、本当は強いのでは? そう思わせてしまうほどの無骨なシルエットです。
つや消しラッカーを吹いてはいるんですが、しっとりとした質感になったバイザーの緑が光って見えます。
快傑ズバットやロボコンのロボショーのような「昭和の赤味」を出せたかな?
そういえば、ロボショー(消防ロボット)といえば、このガンキャノンも、肩のキャノン砲から水を放水する機能があれば、歩く消防車に見えなくもない(笑)。
安くて、パーツが少ないのですぐに組めて、さくっと塗装が出来て、ささっと汚すだけでサマになる。
なんとコスパの高いガンプラなんでしょう、量産型ガンキャノンは。
もっとも、成型色の赤はちょっと安っぽい赤なので塗装をする必要は感じますが、赤のパーツを塗るだけでも、かなり見栄えがよくなること請け合いです。
おすすめキットです!
記:2018/11/15