HGUCハイゴッグ制作レポート
『ポケ戦』でもっとも印象的なMS
機動戦士ガンダム『ポケットの中の戦争』に登場したモビルスーツ(以下MS)には、印象的な機体が多いです。
まずは、ガンダム「RX-78 NT-1 アレックス」(以下アレックス)ね。
これ、カッコ良し。
洗練されたフォルムと、圧倒的な強さ。
ケンプファーをガトリング砲のみで屠ってしまいましたからね。
しかし、ガンダムを上回る反応速度を得ていたアムロ・レイのために新開発された機体ですが、性能良すぎで一般のテストパイロットにとっては操るのが難しい機体だったようです。
ラストはザクのヒートホークに首チョンパされてしまいましたが、そんなところも含めて印象的なMSでしたね。
そのアレックスにやられたケンプファーもカッコ良し。
アレックスには呆気なくやられてしまいましたが、連邦軍のスカーレット隊の量産型ガンキャノンらMSを全滅させています。
グフカスタムとともに、ケンプファーは「漢」のMSといった趣きですね。
かっちょいいです。
他にも、ジム寒冷地仕様やズゴックEなど、ファーストガンダム世代にとっては懐かしい機体がリファインされたものも登場し、オールドファンの心をくすぐるに十分でしたが、なかでもハイゴッグの異様なフォルムに心が鷲掴みになったファンも少なくないのではないでしょうか。
特異なルックス
ハイゴッグは、とにかく手が長い。
ゴッグのズングリとしたボディがすっかりシェイプアップされて贅肉が絞り取られて引き締まったボディがなんとも精悍。
それを強調するかのようなデカい肩のアーマーはまるでキュベレイ。
見ようによっては、ハイゴッグの「キュベレイ肩」は、バットマンのマークのコウモリの翼のように見えなくもありません。
ちなみにキュベレイといえば、永野護氏のデザインですが、同時期のZガンダムのMSで秀逸なデザインはハンブラビも挙げられますね。
ハイゴッグのモノアイ周辺の尖ったデザインは、ハンブラビも彷彿とさせます(ちなみにハイゴッグのデザインは、出渕裕氏)。
そして、着脱式の水中航行用ユニットは、まるで昭和の時代の子どもがお風呂で遊んだ潜水艦のようなレトロなデザインです。
さらに、長い腕を収納して水中航行時の邪魔にならないためのカプセル型のユニットも戦闘機の増槽を彷彿させてミリタリー感がムンムン漂っていますね。
そして細長い爪。
凶暴そうなルックスに拍車をかけていますね。
一目見たら絶対に忘れない異様なルックスです。
そんな印象的で愛らしいフォルムをしたハイゴッグのプラモ(ガンプラ)、発売されたときから、いつか作ろういつか作ろうと思っていたのですが、なかなか制作の機会に恵まれず、最近になってようやっとのことで組み立てることが出来ました。
生物的な色で塗ろう!
設定色の水色もカッコいいのですが、私は最初から生物なんだか兵器なんだかよくわからない感じのニュアンスを出そうと思っていました。
いわゆるメカ・クリーチャーっていうんですかね。
それとも、マシン・クリーチャー?
なんか、発音が「マシーネン・クリーガー」に似てきていますが、そういえば、マシーネンの兵器も、塗りようによっては、かなりクリーチャー感が出せそうな気もしますね。
特にグラジエーターなんかは。
ですので、色は最初からメタリックレッドで塗ろうと決めていました。
こんな色をした兵器はないのですが、イメージとしては兵器ではなく、サソリとか、南方の島のジャングルに潜んでいそうな毒虫や猛毒爬虫類とか、そんなイメージです。
それとカニ。
カニやエビだったら、海の生物だし、赤いし、違和感ないかな?って。
だって、海は100mも潜れば、ほとんど真っ暗で色なんてあまり関係ないですから(水深100mに届く太陽の光は海面の1%前後なんだそうです)。
だから、深海を戦闘フィールドとする兵器は、あんまり迷彩色って関係ないわけですね(とかいいつつ、しっかり迷彩塗装していますが)。
パテで鋳造感を出す
素組みの後、いきなり塗装は始めず、まずは最近クセになっている「指パテ」をしました。
「指パテ」とは、プラスティックの地肌にラッカー系のパテをグリグリと塗りつけていく作業です。
鋳造表現をするのにもってこいの表現なんですが、私の場合は、単にパテの匂いが好きなのと(←ヤバいんでねぇの?)、粘土遊びの感覚で、指先でこねこねしながら、プラスチックになすりつけてゆく作業が大好きだからです。
「指パテ」作業で、ハイゴッグの表面を荒らした後に、マホガニーや濃緑色などの下地となる色を何層かに分けて筆塗りをしました。
パテや下地塗装によって、プラスティックのテカテカした表面を完全に隠蔽した後に、本体の色を塗っていきました。
赤・黄・緑の3色
まずはメタリックレッド。
なんだタコじゃん(笑)、ってことで、より一層「ゆでダコ感」を出してみようと思い、アクセントとしてパープルを塗り重ねてみたりしました。
メタリックレッドを塗った後は、アクセントとして黄色でラインを引いてみました。
旧日本軍の戦車のイメージですね。
赤と黄色。
うむ、毒々しいぞ。
このコントラストがタマラン!なんて言いながら最初は悦に入っていたのですが、どうも情報量が足りない。
ですので、赤、黄に加えて緑も追加してみました。
ロシアングリーンです。
これで、赤、黄、緑と信号機のカラーが揃いました。
あとは、浮きまくったこの3色のトーンを調整するために、クリアイエローや、グレー、茶色系の色を薄めて、何度も少しずつ上から塗り重ねていったら、こんな感じになりました。
最初のドギついメタリックレッドの色調は消え、だいぶ落ち着いた色彩になってくれました。
サビ止めペンキが日焼けして赤っぽい茶色になりました、ってなニュアンスの赤かな。
ま、それは良いとして、こんな思い付きかつテキトーな塗装でも、なんとなくサマになってくれるハイゴッグのデザインは、やっぱり秀逸なんだなと思います。
今回は装着しませんでしたが、背中の航行ユニットや、本体を下から見上げた時のフォルムなんかは「昭和」を感じさせるレトロチックなムードを醸し出していますね。
パテで鋳造表現した表面も、場所によっては良いガザガザ感を醸し出しており、個人的には、この粗い感じが気に入っています。
私は「さすがゴッグだ、なんともないぜ!」というセリフが好きなだけに、ジオン水泳部のMS(ジオン軍の水陸両用MS)の中では、ゴッグがフェイヴァリットなMSです。
そのゴッグのお相撲さんのような鈍重さを換骨奪胎し、ムエタイ選手のように引き締まったフォルムをしたハイゴッグは、非常に素晴らしいデザインだと思っています。
今度は、デザートカラー(なぜに砂漠戦?)や、真っ黒な潜水艦カラーでも塗ってみたいと思っています。
記:2017/06/05