石田徹也の絵
息子は、私に似ているのか、はたまた、私が発散させている空気を敏感に感じ取って感性の血肉にしているのかどうかは分かりませんが、けっこう、好みが似ています。
最近は江戸川乱歩が好きなようで、愛読書は『夜光人間』と『妖怪博士』(笑)。
渋い!
『少年探偵団』や『宇宙怪人』や『電人M』じゃないところがイイ。
『魔太郎がくる!』も楽しそうに読んでいるし(笑)、こうなったら、高学年になったら、夢野久作の『ドグラマグラ』を読ますしかないな。
二十面相が出てこない江戸川乱歩の作品、たとえば『パノラマ島奇談』とか『孤島の鬼』といった面白楽しい(?)作品も、きっと好みに合うかもしれないので、これは、是非、小学校4年か5年になったら読ませよう。
私も、『悪魔の紋章』とか『妖虫』なんかは、小学校3年のときに、夢中になって読んでましたから、きっと歴史は繰り返す。というか、俺が繰り返そうとしているだけか(笑)。
そういえば、最近のポプラ社から出ている乱歩のシリーズの挿絵は、なんだかつまらない。
昔のシリーズの挿絵のほうが、おどろおどろした要素が微妙に入り混じりつつも、子供が一目見てもシチュエーションが理解しやすい、写実的かつ分かりやすい描写でよかったな。
と思いながら、棚をみると石田徹也の画集が。
これ、いいよぉ。
そうそう、まさに、こういう灰色なテイストなんだよね。もっとも石田徹也のほうがオドロオドロ度というか、人の心を不安にさせる要素は強いですが。
石田徹也は、夭折の天才画家です。
ちょっと前に踏切事故で死亡したため(自殺?)、世の中に残された作品は少ないのですが、一部の近代アート好きや、大槻ケンヂちっくな嗜好の人には、じわじわと人気が広がっているようです。
最近は、株ではなく、近代アートに投資する人も増えてきていますが(とくに海外へのお金の持ち出し制限のある中国では、絵を財産として海外に持ち出す富裕層が増えている)、中国や香港などのオークションでの近代アートの値上がりっぷりはスゴいようです。
例に漏れず、石田徹也の作品も、2006年11月にクリスティーズが香港で開催したオークション『アジアの現代美術』に出品された『無題』(2001年)は、事前落札予想価格6万 - 8万香港ドルをはるかに上回る78万香港ドル(約1201万円)で落札されています。
他のオークションでも、オークション落札予想価格が、50~60万円だったものが、300万円以上までにはねあがったりと、どんどん、彼の絵の値段は騰がるいっぽうです。
ちっ、安いときに買っておけばよかったぜ(笑)。
というのは冗談で、安いときは、私、石田徹也の存在しりませんでしたから、買いようがありませんよね。
私の弟は美術好きで、大学生のときにお金を貯めて、自分がピン!ときた絵を買ったのですが、以来、何度か美術館から貸し出し依頼が来て、その都度、貸し料を稼いでいるようですが、弟に言わせれば自分は別に絵を金儲けの手段にはしていない、と。
自分は、その絵がとても欲しかったから買っただけで、たまたまその絵を描いた画家(誰だか忘れた)の評価が上がってきたから、画廊や美術館から貸し出し依頼があるだけで、売るつもりはまったくない、とのこと。
ま、絵を買う人はそういう気持ちじゃないとダメなんだろうね。
投資目的とかで買われた絵はカワイソウです。
記:2007/09/21(from「趣味?ジャズと子育てです」)