ジャズとモテは関係ない。
2021/02/09
「ボクは小学生から高校時代まで、ずっとイジめられていた。だけども、家に帰れば、ジャズがあった。ジャズさえ聴いていれば、ボクをいじめている奴らに対して“おまえら、こんな素晴らしい音楽のこと知らないだろう。ざまあみろ”と思えたから、なんとかイジメにも耐えられたんだ……。」
学生時代、時折、音楽室に出入りしていた社会人ドラマーがこぼした言葉だ。
彼とは妙にウマがあい、呑みに連れてってもらったりしたこもある。
そのときは必ず、上記のごとく過去の暗い話とジャズの話題になったものだ。
正直、そのおじさんはモテなかった。
「ジャズを聴いていれば、いつか彼女が出来ると思って、たくさんのレコードを聴いたり、曲やジャズマンの名前を暗記したんだ。でも、ちっともモテやしない。絶対におかしい、世の中おかしいよ」
いや、世の中がおかしいのではなく、そのオジサンの努力の方向がおかしいのだ。
口には出さなかったけれどもね……。
数年後、私は結婚することになった。
2次会は六本木のジャズクラブを借り切ったので、その際、そのおじさんにドラムを叩いてもらおうと招待状を出したのだが、来た返事は、「こないだ彼女にふられたんで、人の幸福を祝う気持ちにはとてもなれません。あしからず」だった。
……人生いろいろ(・∀・)b
記:2005/04/05