そうだ、ジャズを書こう!

      2024/09/04

何を書こう?

サイトを立ち上げたはいいものの、さて何を書こうと迷っているというかねたを探している今日この頃です。

何せ、周囲のチャット仲間がホームページなるものを立ち上げて、私も「ホームページなるものを立ち上げてみんとてするなり」ってな感じで立ち上げているので、ホームページという器を作ることが目的となってしまっていて、では、肝心の内容はどうしようかということは全くのノープランだったのですね。

でも、せっかくホームページを立ち上げたからには、たくさんの来訪者が来て欲しいわけですし、アクセスカウンタもぐるぐる回したい。

あるサイトにはこう書いてありました。

「アクセス数を増やすには、更新の頻度を多くしなければならない。そうしないと固定客がつかない。」

なるほど、情報を常に送り続けないといけないわけですね。

そうすると、日記に関しては日々更新せざるをえないわけですから、それはいいとして、問題はそれ以外のネタということですね。

ウルトラマンや仮面ライダーなどの特撮ネタはある程度の生地量は書けそうですから問題はないのですが、問題は、それ以外のネタ。

部屋の中をぐるりと見渡します。

おや?
あの、大きなCDラックに納められている膨大なCDは、あれってジャズのCDではないか?!

ジャズを書こう

学生時代から趣味でちょくちょく買い続けていたジャズのCDがいつの間にか大量に増えてきてしまっている。
中には全く聞いてないものもある。

これはいかん、いかん。

せっかく買ったジャズのCDさまに失礼ではないか。
「死蔵」していたら、ジャズのCDも浮かばれないでしょう。

よし、ジャズを書こう!

でも、書けるかな?俺?

怖~いマニアな人たち

どうも、私の心の中では、ジャズについて書く人は「すごく偉い人」というイメージがあるんですよね。

はたして私もその偉い人みたいな文章を書けるのだろうか?
そういった不安が頭の中をよぎります。

ジャズを聴き始めの頃、私はよく渋谷のタワーレコードでジャズのCDを買っていました。
まだ宇田川町の吉牛の前にある頃で、輸入盤のレコード独特の匂いが店内に漂う「知る人ぞ知る場所」というイメージの頃のタワーレコードです。

高校生の頃からここに通ってはいたんですが、せいぜい2Fの洋楽のロックのコーナー止まり(1Fはジーンズメイトだったので、タワレコーのフロアは2Fから)。
3Fはジャズとクラシックのコーナーだったので、そこはもう由緒あるお寺の本堂というイメージで、おいそれと足を踏み入れてはいけない「聖域」に感じていたものです。

この「聖域」に味を踏み入れた時のことはよく覚えています。
ビル・エヴァンスの『ポートレイト・イン・ジャズ』を買うために足を踏み入れた時が、一番最初。

なにしろ、緊張しました。

果たして、目的のCDを探し出せるのだろうかという不安と、私のような若造が、そのような大人の聖域に足を踏み入れるのはおこがましいのではないかという気持ちです。

案の定、最初に足を踏み入れた時は、このフロアに漂う2Fとは異なる異様な(?)雰囲気に気圧されました。

何せこのフロアにいるお客さんたちは皆、顔に「私はマニアです」という張り紙をつけたような人たちばかりなのです。

皆、頭の中に膨大なジャズの知識を蓄えた気難しい学者のように見えた。

そのような人たちのみが立ち入ることが許される特権的な空間に足を踏み入れてしまったのではないかという重圧感に押されながらも、なんとか無事ビル・エヴァンスのアルバムを探し出し、会計を済ますことができたのだけれども、あの時、私が勝手に感じたプレッシャーは並大抵のものではなかった。

今後、たくさんジャズを聴けば、このフロアにたむろする人たちと自分は太刀打ちできるのだろうか?なんて、別に勝負ごとの世界じゃないんだけれども、なんとかこのフロアにたむろする人たちと肩ぐらいは並べたいと思ったものです。

ここでジャズのCDやレコードを神妙な顔立ちと手つきで物色しているジャズマニアの人たちと私は、永遠に話が通じないままで終わるのではないか? それはイヤだぞ。
今考えれば、べつに話なんて通じなくたってどうでも良いことなんですが、その時の私は、なぜかジャズについてのウンチクを彼らと同等に話してみたいという気持ちになっていたんですね。
なぜか。

大学時代はジャズ研に所属し、ジャズのベースをプロに習ったりもした私ですが、演奏することはともかくとして、こと「ジャズを書く」ことに関しては、かつてのタワーレコードのジャズコーナーにいたジャズマニアな方々の足元にも及ばないのではないかという不安があります。

もちろん、私が見たジャズマニアの方々は、単にジャズのCDを買いに来たお客さんなのですが、彼らがジャズ評論を書いたら、絶対にスゴいものになるんだろうな、絶対に自分は彼らの書いた難しい文章を理解できないんだろうな、彼らマニアと対等、いやそれ以上にジャズの話が出来る日は来るのだろうか?と、その時に抱いた妙な感情は今だに忘れません。

jazzalbums_jackets

しかし、いざジャズを書こうと思っても、何をどう書けば良いのだろうか?

しかし、ここで臆していても仕方がありません。

我が家のCD棚には数回しか聴かれず、そのまま放置されているジャズのCDが膨大にあります。私がジャズのアルバムについての感想、レビューを書くのは、彼らへの「供養」の意味もあるのです。

せっかく私ごときに買われていったジャズのCD達、きちんと聴いてあげないと彼らだって浮かばれません。

気を取り直して、きちんと聴きなおし、まずは書けることからマイペースで書いていこうと思います。

記:1999/03/22

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