自由戀愛/試写レポート
2018/01/09
映像、美術、衣装、そして、主演の長谷川京子が、たまらなく美しい作品だった。
私は着物に関しては造詣が深いものではないが、それでも、素人目で見ても、そうとう良い着物が劇中に登場していることぐらいは分かる。
この美しい着物を纏う長谷川京子は、どちらかというと「和」よりも「洋」の要素の強いルックスの女優だが、これは、メイクやスタイリストの功績だろう、美しい着物と、彼女のルックスが絶妙にマッチし、不思議な色気をを放っているのだ。
そして「洋」の要素の強い彼女は、後半、和装から洋装姿がメインのいでたちに変わるが、この洋装もまた、とびきり美しい。
「震災前の古きよき大正」とでも言うべきか。
「和」の美しさと、「洋」のモダンさの幸福な融合だ。
くわえて、メイクも非常に上手に彼女の顔のチャームポイントを殺すことなく引き立てている。
私が感じる長谷川京子のチャームポイントは、「頬」。
ホッペタだ。
モデル時代から私が彼女に注目していた理由は、一にも二にも、微妙にふっくらとしたラインの頬。
これにつきる。
これ以上ふくらむと虫歯で腫れたように見えてしまうし、へっこんでしまうと、他の女優やモデルと大差がなくなってしまう(と私は感じている)。
私は新幹線の700系の正面から見たときの、横に広がるふっくらとしたラインが大好きだが、あれほどカーブはキツいわけではないが、彼女の真正面から見た頬が描くカーブを見るたびに、700系新幹線に乗って京都や大阪に行きたいな、と思ってしまう(アホだ…)。
それほど、長谷川京子という女優を長谷川京子たらしめている生命線は、微妙なカーブを描き、絶妙な盛り上がっている彼女の頬なのだ。
この微妙な「ふっくらさ」と、シャープな眼差しの絶妙なコントラストこそが、長谷川京子の美しさの源なのだ。
この映画は、そんな長谷川京子の魅力をあますことなく捉えていると思う。
ストーリーも、起伏があって、飽きない2時間。
NHKの連ドラで半年がかり引き伸ばしてやっても面白いんじゃないかと思うほど、御曹司の豊川悦司をめぐる、長谷川京子と木村佳乃の運命は、わりかし波乱万丈。
唯一の不満は、後半の“新しき時代の新しき人たち”のパーティのシーンの描写。
ちょいとクドかったというか、もうちょい時間を短くしたほうがピリリとしまるはず。
時代の価値観のパラダイムシフトをこの場面に込めているという意図はよく分かるのだが……。
観た日:2005/07/25
movie data
監督・脚本:原田眞人
原作:岩井志麻子
出演:長谷川京子、木村佳乃、豊川悦司、國村隼、香川京子、瀬戸カトリーヌ、遊人、街田しおん、山崎清介 ほか
記:2005/07/28