ソビエト陸軍 重戦車 JS3 スターリン 3型 タミヤ1/35 制作記

      2021/12/07

インパクト大な造型

前々から気になっていて、作ろう作ろうと思っていたスターリン3型を作ります。

一口に、スターリン戦車といっても、様々なタイプがあり、砲塔の形がタイプによってまったく違うのですが、もっともインパクトがあると私が感じているのはJS3、つまり3型の砲塔。

なんとまあ、ペッシャンコな砲塔よ。

その後のT55やT62、T72とソビエトの主力戦車は、鋳造丸型ペッタンコ砲塔を採用し続けますが、そのはしりとなったのが、このJS3なのでしょう。

ドイツ戦にはギリギリ参加できなかったみたいですが、その後、中東戦争のエジプト軍の戦車としても活躍、イスラエル戦車の砲弾を跳ね返したという逸話もある丸型ぺったんこ砲塔と傾斜装甲がインパクトな戦車です。

箱の中身はシンプルそのもの。

ドイツ戦車と違い、部品少なく、すぐ完成できそうな気がするのが、ソ連(ロシア)戦車の嬉しいところです。

ちなみに、箱の内側。

ビニール袋からパーツ類を取り出して並べてみると、なんともおいしそうなランナー、パーツたちよ。

とくに砲塔の鋳造表現は素晴らしいですね。

砲塔パーツの荒々しい鋳造表現にウットリ、しげしげと眺めること、しばし。

組み立て説明書です。

そして、デカールはこんな感じ

ソビエト(ロシア)戦車は、アメリカやドイツの戦車と違って(特にドイツの戦車と違って)、大戦中も対戦後も、必要最低限なマーキングしかほどこされていないので、デカール貼りが面倒くさい私にとっては有り難い題材なのです。

組み立て

さっそく組み立てます。

サスペンション周りのモールドも良い感じですね。

昆虫ロボットに見えなくもない。

で、あっという間に組み立て完了。

後ろから見ると、砲塔は、かなり前面についていることが分かります。

驚くほどに扁平です。

ベルリンにおける戦勝パレードで、このスターリンの姿をはじめて見た連合軍の首脳たちはビックリ仰天したというエピソードがありますが、分かるような気がします。

当時のパンサーやタイガー、シャーマンやチャーチル、そしてKVやT34シリーズなどを見慣れた目で、このシルエットを見たら、未来からやってきた戦車に見えてしまうのも無理はありません。

だって、少し前のロシアの主力戦車って、こんな感じじゃないですか。

それが、こんな感じに。

実際は、この車高の低さからくる車内の居住空間の狭さが、発射速度の遅さなど、様々な弊害を生んでしまったようですが、このインパクトある外観は「強そう」以外の何ものでもありません。

塗装

塗装は、サフを吹き、その上から水溶きアクリル筆塗りで。

ダークグリーンを基調に、水で薄めたタミヤのアクリルミニの、オリーブドラブやカーキやホワイトなどをランダムに混ぜて塗っていき、基本塗装終了。

履帯(キャタピラ)は、瞬間接着剤で、要所要所を固定して弛みを表現しています。

ただ、“たるみ”っぷりが大げさになってしまいました。

フィギュアは、指定色を筆塗りした後、薄めた油彩でスミ入れをしただけです。

フィギュアは、多くのAFVモデラーの達人たちの芸術品のような細かな塗りとグラデーションづけを数多く見てきているので、ため息を3万回以上ついてきていますが、結論としては、「自分には無理」。

だから開き直って、中途半端に凝るよりも、「あっさり塗って、それっぽく」路線を極めようと思います。

完成!

砲塔に赤い星のデカールを貼り、乾いたら、油彩でウェザリングをして、JS-3スターリン戦車、完成しました。

使用した油彩は、バーントシェンナとアイボリーホワイト。

薄く溶いたバーントシェンナを全体にラフに塗り、乾かないうちに、アイボリーホワイトでドライブラシをかけました。

すると、バーントシェンナと白がほどよくブレンドされ、ところどころが浮き錆びっぽいオレンジが生まれてくれるのです。

ところどころに、Mr.ウェザリングカラーのフィルタ・リキッド・ヴァイオレットを筆で置くように塗ってメリハリをつけています。

122ミリ砲がデカくて長いため、迫力たっぷりですな。

車体の後方は、けっこう単調なデザインなので、メリハリつけるのに苦労しました。

まだ単調ではあるのですが。

というわけで、スターリン完成。
予想以上に平べったく、予想以上に作りやすくて、完成した時の喜びも巨大な、すばらしいキットでした。

部品も少ないですし、初心者も安心して作れる戦車プラモなのではないでしょうか。

記:2019/10/29

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