ギタリスト 大村憲司
Leaving Home best live tracks II
大村憲司 ymo
ギタリスト大村憲司。
残念ながら1998年の獅子座流星群の日に故人となってしまいましたが、彼のギターを愛してやまない「通」なファンは日本全国いたるところにいると思います。
YMOのサポートメンバーとしても有名で、むしろYMO経由で彼のことを知った人も多いでしょう。
彼の前任のサポートギタリストは渡辺香津美でしたが、彼の場合はジャズ・フュージョン的なアプローチのギターで斬り込んでいったことに対して、大村憲司の場合は野太いロック的なアプローチで、まったく異なるサウンドカラーを打ち出していました。
春がいっぱい
YMOと大村憲司といえば、やはり『春がいっぱい』でしょう。
YMOのメンバーや矢野顕子が全面参加したこの作品は、テクノ好きにはたまらないピコピコサウンドの要素が全編にわたって楽しめます。
しかし、その一方では、タイトル曲はシャドウズのカヴァーですし、ジョージ・ハリスンとロン・ウッドの共作である《ファー・イーストマン》なども収録されていて、洋楽ファンをニヤリとさせる要素も満載なのです。
『春がいっぱい』の中で、個人的にツボな曲は《ファー・イーストマン》です。
ジョージ・ハリスンの気だるい名曲が、それこそ80年代の空気をプンプンと漂わせながら、やっぱり気だるく蘇っています。
大村憲司のヴォーカルとコーラスの矢野顕子の絡みがなんとも気持ちよいのです。
持っている人は今一度聞き返してみてください。
大村憲司 maps
『春がいっぱい』の中の名曲といえば《マップス》を挙げる人が多いですね。
この曲は、YMOのツアーに参加した際に、大村憲司がギターを弾きながら歌っています。
このときの映像は1980年の武道館のライブで見ることができます。
外人天国
大村憲司のギターの魅力は太くてワイルドなところでしょう。
テクニックはあるのですが、あまりチョコマカしたことはしない。
ガッツリと男の魅力。
そんな太くてワイルドな魅力を楽しめるのが『外人天国』の《ザ・マン・イン・ホワイト》です。シンプルだがスケールの大きいギターサウンドを楽しめます。
大音量で聴くと迫力満点。是非、生で聴いてみたかった……。
このアルバムは、とても趣味の良いアルバムだと思います。
スティーリー・ダン(ドナルド・フェイゲン)が好きな人にも刺さる内容なのではないかと思います。
派手さはないものの、このアルバムはなかなか奥行きと味わいの深いアルバムだと思います。坂本龍一のさりげないシンセのサポートも光ります。
個人的には、大村憲司の諸作品の中では一番好きなアルバムですね。
聴いているうちに、じわじわと良さが染みこんでくるので、長い時間をかけて付き合えるアルバムだと思います。
AOR系好きの心のツボにはグサグサと刺さりまくる作品だと思いますよ。
記:2004/11/18