プラモ筆塗り、熊野筆。熊野筆の面相筆の塗装作業は楽しいぞ!
2019/12/14
ラッカー系塗料でプラモの下塗り
最近の私は、プラモの下塗りの際は、サーフェイサーを使うこともありますが、ラッカー系塗料を筆塗りすることもあります。
ラッカー系塗料を筆塗りして、その上から塗る塗料の食いつきを良くするための橋渡しをさせるという、要するに、考え方としてはサフ吹きと同じですね。
塗料を塗り重ねすぎて厚ぼったい塗膜にしてしまうのも考えものですが、プラの地肌が露出したがために光に透過度が上がり、物体としてのソリッド感が失われることが何よりも怖いのです。
なので、できるだけ満遍なく塗膜は作っておきたい。
よって、サフ吹きか、ラッカーでの下地作りは欠かせません。
サーフェイサーの缶スプレーをプシューっと噴霧するのも作業時間の短縮化につながるので良いのですが、最近は、むしろ手間をかけて、ちまちまと筆塗りする作業にも喜びを見出しています。
ジャズを流しながらとか、YouTubeを聴きながら、ちょこまかと筆を動かす時間って、けっこう楽しいのですよ。
塗り残しは面相筆で
筆塗りで下地塗装をする際は、いらなくなったラッカー系塗料をランダムに混ぜたドドメ色の下地塗料を使用しています。
これをまず最初は平筆で全体を塗るわけですが、塗料って乾くと少しだけ収縮するんですね。
だから、必ず塗り残しが出てくる。
いや、むしろ塗り残しを作らないぞ~!作らないぞ~!と一度にガッツリ塗ろうとしないほうが良い。
窪みや、隅っこに塗料が溜まってしまうし、筆ムラやダマの原因にもなる。それに、渇く時間が遅くなるし。
だから、少量の塗料をさくさくっと素早く塗って、ささsと乾かしたほうが良いわけです。
で、塗り残した箇所、つまり塗料が乗っていない箇所を塗装するわけですが、面積の広い平筆を使うと、すでに塗ってある箇所に重ね塗りをしてしまいます。
もちろん、それぐらいの塗り重ねはべつだんどうということはないのですが、ラッカー系塗料の特性として、いったん塗装した乾いたとしても、上からラッカー系塗料を塗り重ねると、下に塗った塗料がジンワリと溶けて、上に塗った塗料と混ざるんですよね。
もちろん、それこそがラッカー系塗料の良いところでもあるのですが、この特性を活用できるモデラーは、下地塗装の際は、陰色にもなるマホガニーなどを塗り、その上に基本色を塗り重ねることで、微妙な色調の変化を狙うわけですね。
しかし、あくまで下塗りが目的の場合は、色調の変化などどうでもよろしいわけで、とにかく万遍なく塗料が乗っかってくれればそれで良いわけです。
なので、わざわざ塗料が乗っかっている上から、塗料を塗り重ねることなく、塗装されていない箇所のみピンポイントで塗装をしたい。
そんなピンポイント塗装欲求を満たすのに最適な筆が面相筆なわけです。
熊野筆の面相筆
しかし、面相筆も多用すると、すぐに痛んでくるんですね。
毛先が広がったり、毛が抜け落ちたりします。
もっとも、ツールクリーナーやMr.フデピカリキッドで丁寧に毛についた塗料を洗い流して陰干しをすれば、シンナーにつけてティッシュで拭き取るだけの手入れよりは長持ちするのですが、それでもやっぱり安い面相筆は、何ヶ月ももちません。
だから使い捨てだと割り切って、10本以上のさまざまな面相筆をローテーションで順繰りに使っており、ダメになったら、また新しい面相筆を一本買い足すということを繰り返しています。
しかし、その中でもなかなか長持ちして、なおかつ塗料の含みが適度で気持ちの良い面相筆があります。
つまり、10本単位の筆ローテーションの中でも生き残り続けている面相筆です。
それは、ぜんぶ熊野毛の面相筆だったんですね。
「ちょい高」です。
でも、毛のコシとか、抜け毛の少なさなどを考えると、安い面相筆を何本も何本も買ってはダメにすることを考えれば、結局のところは割安でコスパが高いのかもしれません。
色々なメーカーのものが出ているのですが、私が愛用しているのはハイキューパーツの面相筆ですね。
美容系の業界でも大活躍かつ評判の良い熊野筆です。
熊野筆の面相筆は、少々高めのお値段で、安いガンプラなら1個は買えてしまうお値段なのですが、なかなか使い勝手がよろしいのであります。
とにかく毛先のコシが良い具合の弾力なので、私の場合は、目的のものを塗った後でも、その作業をストップさせるのがもったいないので、そのへんに転がっているプラモのジャンクパーツやランナーなどを、田中克自氏よろしく、ちょんちょんと余った塗料を筆に含ませて塗り塗りすることを楽しんでいます。
面相筆の購入を考えておられる方、模型店の筆コーナーで、ついつい安めの筆セットばかりに手が伸びてしまう方は、ぜひぜひ熊野筆の面相筆をお試しあれ。
筆塗りがもっと楽しくなるかもしれませんよ!
記:2019/03/10