椎名林檎の《丸の内サディスティック》は、ベースを弾くのが最高に楽しい曲なのだ
2018/01/14
正直言って8分音符のルート弾きはあまり好きではない。
極めようと思えば、それはそれで奥が深い世界なのだろうということは分かってはいるのだが、それでも本音を言ってしまえば、弾いていて退屈。
ついつい色気を出して、いらぬオカズを弾いてしまったりして曲の雰囲気をぶち壊しにしてしまうこともある。
しかし、曲が良ければその限りではない。
《丸の内サディスティック》。
曲の大半が8分音符のルート弾きだが、まさに曲が良いために演奏していても全く退屈しない一曲なのだ。
メインとなるコードもほぼ4種類の繰り返しで、すごく簡単。
しかし、弾いていてすごく楽しい。
実際に自分が演奏しているという自覚よりも、良い曲を聴いている感覚で、そしてたまたま、その曲に自分もベースで参加している、といった感覚で弾ける。
曲の8割がたが8分音符の単調なルート弾きだが、中盤のベースソロが演奏上の良い山場となっている。
う~ん、さすが亀田誠二師匠!
ここの箇所、2番のサビが終わる頃、そろそろ来るぞ、と待ち構えるのが気持ちの上でのメリハリになって、とても良いのです。
やっぱり、曲が良く、歌詞も良く、コードも良く、アレンジも良く、ベーシストも良く、そして唄い手が良いと、こうもベースを弾くのが楽しくなるのだという曲の代表でしょうね、《丸の内サディスティック》は。
記:2000/10/29(from「ベース馬鹿見参!」)