今年の映画「ベスト10」を選んでいる
今年の映画「ベスト10」を選んでいる
総合映画批評サイト「intro」より今年上映の映画「ベスト10」の選出依頼がきました。
今年は、例年よりもあまり映画の新作を見れない年でしたが、それでも、どれを選ぼうかな、とうーん、うーん、と悩んでおります。
とはいえ、やっぱり『バベル』は外せないだろうなぁ。
見終わったあと、しばらく時間を置けば、色々と突っ込みどころは出てくるのですが、鑑賞中の2時間は、まばたきする時間すら勿体無いほど画面に釘付けになっている自分がいましたから。
それだけ、制作側の意図やら思想、コンセプト以上に、画面そのものの「力」の強い映画なのです。
久々に全身の細胞がザワザワした記憶があります。
なんだかんだで、3回観ちゃったよ。
DVDでも観なおそうかなと思ってます。
それとは対極に、ワースト映画はもう『めがね』に決定!(笑)
同じ荻上直子監督の作品では、昨年に上映された『かもめ食堂』はとても良かったんだけどさ、
『めがね』は、『かもめ食堂』のもっとも悪い部分、個人的にいやぁ~な部分(ぶっちゃけ、もたいまさこの“なんとなく不思議っぽい”キャラ)だけを抽出拡大して、それ以外の余計な部分を極力そぎ落とした内容に仕立て上げられているがゆえ、ロハスなんだか、呆けた白痴推奨にも感じられる中途半端な内容。
距離を置いてイジワルな目線で観るとユルい新興宗教に主人公がハマってゆく映画にする見えてしまう現代人の「癒し願望」とやらを「こんなもんだろ」とあっさりと見透かしいるかのようでいて、そのじつなんとなく的外れな感じも否めない内容で、こんな惚けた島暮らしは絶対にしたくない!と思わせる私の反・ロハス志向に火をつけてくれた類稀なる作品です(笑)。
唯一、この映画の良いところは、食い物がうまそうに撮影されている点。
あと、「うーん、ちょっとねぇ~」というのが、伊東美咲と田村正和の『ラスト・ラヴ』(笑)。
ジャズ映画だからと期待してみたんだけど、なんちゅーか、60分のトレンディドラマ(死後?)のロングバージョン的な偶然ばかりが続く少女マンガチックな内容。田村正和のテナーの音が意外に太くて円やかなのにはちょっと驚いたけど。
あと「うーん、空回りねぇ」が、役所広司主演で、久々に葉月里緒奈もスクリーンに復帰したという『叫』。
殺伐とした映像は好感だけれども、難解というよりは、監督の思い入れ、思い込みが客に伝えるまでの租借力、編集力、練りが足らないような気がした。
まったく同じ理由で、「うーん」だったのが、『大統領暗殺』。
虚構のストーリーにリアリティを持たせるために、過去の膨大な記録映像にあたって編集された本作品は、ここまでやるか!調べるか!な労作だったようだけれども、制作側の努力と、鑑賞者の面白さは比例しないのよねん。と、今年は、いい映画もあったけれども、うーんなんで?な映画も多かった年でもあり、いい映画に関しては、来年早々に「intro」にアップされるでしょうから、そっちを見てね、と宣伝(笑)。
記:2007/12/14
2007年のベスト映画は?
昨年末に、映画批評サイト「intro」に「2007年のマイ・ベストムービー」を寄稿したのですが、先日、アップされました。(⇒こちら)
10人の映画ファン、批評家が寄稿していますが、みなさん、それぞれ、好みや守備範囲が異なる方々ばかりなので、さまざまな作品が挙げられ、なかなか読み応えのある面白い内容になっていると思います。
今すぐ、見てみてください。(⇒こちら)
さて、この「intro」というサイトは、映画ライターを募集しています。
ギャラは出ませんが、ステイタスが得られます(笑)。
けっこう、原稿の審査が厳しいので、ありきたりな映画論では、「いりません」と刎ねられてしまいます。
というより、書き手の個性が求められるようですね。
「俺に映画を語らせろ!」
「われこそは!」
と思われた映画好きさんは、ぜひ、「intro」ライターになってみてください。
記:2008/01/10
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