重たく、マッタリ。このアルバムに魅せられっぱなしの私。

      2021/12/12

もう何日会社に泊まり仕事をしていたのだろう、曜日の感覚が全然なくて、あらら、もう金曜日?明日は休日?しかも、雪らしいぞ。で、ようやく、本日の夕方仕事終了。青山一丁目に行き、次は渋谷の街をブラつく。 iPodのボリュームを最大にして、超大好きなミッシェル・ンデゲオチェロの『ピース・ビヨンド・パッション』を聴く私。

雑踏の中、この重くてストイックなソウルを聴きながら歩くと、「ああ、オレってなんてカッコいいんだろう」と、かなりナルシスティックな気分にひたれマス。

ほんと、私、このアルバム好きです。

同列に並べるのもどうかとは思うけれども、ンデゲオチェロを聴くようになってから、プリンスはほとんど聴かなくなってしまった。プリンスよりもンデゲオチェロのほうが音楽的に優れているとか、そういうわけではなくて、単に気分、好みの問題。

実験精神を持ちながらも、最終的には、どの曲もキャッチーなテイストに満ちた作品に落とし込むプリンスの作品は、かならず、優しく、甘い。とてもスィートなんだ。

このテイストと対極なのが、フランス国籍の女性黒人ヴォーカル&ベーシストのミッシェル・ンデゲオチェロ。

彼女のサウンドは、どこまでもまったりと重く、限りなくビターだ。

『ビター』というアルバムも出しているから、というわけではないが、その1つ前のアルバム、『ピース・ビヨンド・パッション』も、ものすごくバネのある、眩暈がするほど、とてつもないグルーヴを生み出しながらも、アルバム全体に漂うムードはビター、としかいいようがない。

禁欲的ですらある。

もう数年前から私はこのアルバムの魅力にやられっぱなし。一時期聞いていない時期もあったが、最近思い出したように聴いたら、再びハマッた。

たぶん、この種のテイストのソウルが一番私の身体にはシックリくるのだろう。現代最高のソウル(ファンク)ミュージックと言いきってしまってもイイぐらい。

あらゆる意味で、ブラックミュージックのひとつの到達点と言っても過言ではないほど。
彼女の使用ベースはフェンダーのオールドのジャズベース。

いいじゃないの、いいじゃないの。

しかも張っている弦は、フラットワウンド。

滅茶苦茶イイじゃないですか。

身体が裏返ってしまうんじゃないかと思うほどのノリは、このモッコリ&マッタリした音色で奏でられているのだ。ベース好きにはたまらない音色とセンスあるラインがこれでもかとばかりに繰り出されるのだ。

ヴォーカルも素晴らしい。低音気味な甘い声色の素晴らしさといったら。ベースを弾かず、ヴォーカルだけでも、滅茶苦茶スゴい歌手として脚光を浴びていたころだろう。

ミッシェル・ンデゲオチェロ。舌を噛みそうな名前だが、是非是非、この名を覚え、ショップで見つけてみて欲しい。

お子様には分からない、大人の深みのあるソウルがこのアルバムには漲っている。

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