『同じ月を見ている』とおせち料理

   

「同じ月を見ている」オリジナル・サウンドトラック「同じ月を見ている」オリジナル・サウンドトラック

昨日は細かいことが山積していて、書く暇ありませんでした。

とはいいつつ、『同じ月を見ている』の試写会に行ってきたんですけどね。

あ、だからシワ寄せが夜に来たんだな…。

この映画は、土田世紀の漫画の映画化なんですが、私、原作読んでないんですね。

どんなストーリーなのか知らないまま、先入観なしに見ました。

窪塚洋介の復帰の第一作なんですが、私はどちらかというとドンちゃんを演じていたエディソン・チャンが良かった。

カナダ生まれの香港映画のスターの彼が日本人の役をどう演じるのか興味があったのですが、彼のキャスティングは正解だったような気がする。

彼はたどたどしい日本語しか話せません。

しかし、セリフのほとんど無い寡黙な役柄が幸いし、かえってドンちゃんの懐の深い温和な表情を出せ、ヒステリックで神経質なてっちゃんを演じる窪塚と良い対比をなしていたと思います。。

あと、黒木メイサの少女時代の役を『女王の教室』で進藤ヒカル役をやっていた福田麻由子ちゃんが数十秒でしたが登場してましたね。

昨年の東宝の『世界の中心で愛を叫ぶ』のヒットに、東映も負けじと『四日間の奇蹟』を映画化するなど、泣けるムービー路線をつづけていますが、今回もなんとなく、「泣けます」路線を前面に押し出していましたね。

だから、イイとかワルいとかを言うつもりはまったくないし、むしろ、そういう「泣きたい」需要もあるからこそ、「泣ける路線」の映画が作られるんでしょう。

残念ながら私は泣けなかったけど、ラストシーンの精妙な窪塚洋介の表情と演技には、ほんのちょっとだけホロリとはきました。

“泣きたい路線映画”としては、『世界の中心で~』よりも『四日間の奇蹟』よりも、ぜんぜんイイ映画だと個人的には思ったということは一応書いておきましょう。

ラストの挿入歌は、『世界の中心』の平井堅に対して、『同じ月』のほうは声も曲調も似ている久保田利信。

なんとなく、『世界の中心』を意識してるんだなぁと思わせる人選と曲調ですが、平井堅よりは久保田の歌のほうが、曲も声も断然イイです。

個人的には、平井堅の歌って苦手なんですよ。

女性シンガーだと宇多田ヒカルもそうなんですが、この二人の声は聴いていると息が苦しくなってくる。苦しそうで搾り出すような声(に私は聞こえる)を聴いていると、こちらも酸欠状態になってくるのです。

だから、ラーメン屋やそば屋の有線で、平井堅や宇多田ヒカルが流れると、やめてくれー!呼吸が乱れるぅ!と心の中で叫んでしまいます。

宇多田ヒカルの曲は、組んでるバンドのレパートリーでもあるんですけど、うちのバンドのヴォーカルが歌うと、すごくシックリとくる(笑)。

つまり、曲自体はイイ曲なんですよね。

だから、宇多田ヒカルにおいてはすべてのアルバムと映像作品も買って一生懸命好きになろうと努力したんだけれども、やっぱりダメなもんはダメ、にんじん好きになろうと努力したけど、やっぱりダメでした、って感じで、今ではなかば諦めています。

こんだけ好きになろうと努力したのにダメなんだから、イイでしょ? と思ってます。

好き嫌いといえば、食べ物の好き嫌いは、私は特にありません。

女房も特にない。

だから、なんでも旨そうにバクバク喰っている親の姿を見ている息子も好き嫌いはまったく無いのですが、ただひとつあまり好きじゃないメニューがあります。

それは「おせち料理」。

「昆布やゴマメがダメ」というわわけじゃないんです。

おせち料理の中の特定のものが苦手というわけではなく、おせち料理全般が苦手なようです。

体が受け付けないというわけでもないし、本人は悟られないよう、周囲に合わせて食事をしているつもりなんですが、「食べるのヤだな」オーラが全身に漂っているので、すぐに分かります。もっとも知らんふりしてますが。

さりげなく、なぜ御節が苦手なのかを聞いてみたことがあるんですが、昨年だか一昨年に、周りは全員食べ終えてひと段落しているのに、自分ひとりだけが食べ終わらず、皿に盛られたおせちを食べていたので、周囲から取り残されたような気がして、それ以来、おせち料理という料理というよりは、親族そろっておせち料理を食べるという環境・空間があまり好きじゃなくなってしまったようです。

でも、もう少し体が大きくなり、食べる速度も速くなれば解決できる問題だと思っているので、これに関してはあまりとやかく言ってません。

来年の正月は、周囲と歩調を合わせて食べられるようになるでしょう。

そうしたら、苦手な意識などふっとんでしまうに違いありません。

お、そろそろ15分。
今日はここまでね。

記:2005/10/01(from『趣味?ジャズと子育てです』)

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