TVドラマ『鬼嫁日記』主婦=不良債権?
人気のブログが書籍化され、さらにはTVドラマとなって現在放映中の『鬼嫁日記』。
息子は『ナースのお仕事』で観月ありさのが好きになり、なにかのバラエティでゴリのファンになったということもあり、毎週この番組を楽しみにしています。
リアルタイムで観て、ディーガに録画された映像も繰り返して観ているので、息子にとっては相当面白いみたいですね。
つられて私も観ています。
私は原作のブログは1度か2度しか覗いていないうえに、書籍も未読なのですが、ドラマだけを見る限りでは、ゆるい『ダメおやじ』って感じかな。
ほら、昔あったんですよ、『ダメおやじ』というマンガとアニメが。
オニババと呼ばれる、カレー事件の林ますみをさらに鬼のような形相にした奥さんや、長女、さらにはタコ坊と呼ばれる小学生の息子にまでイビられ、虐待されまくる情け無い親父の姿を描いたギャグマンガです。
このマンガやアニメは、虐待というよりも拷問なんじゃないかと思われるほどのヒドい刑罰を親父は受けるのですが、その面白さが売りなんですね。
『鬼嫁日記』の場合も、さすがに身体的な刑罰はほとんどありませんが(観月ありさの細い腕でゴリが締め上げられるぐらい)、やっぱり、やられ役のゴリが良い味を出しているからこそ、物語としてのバランスを保っているのだと思います。
ゴリのコミカルな惨めさがなければ、単なる理不尽でしらけたドラマになってしまいそうです。
とにもかくにも、鬼嫁というよりは、女王蜂ですね。
観月ありさとゴリの関係は、女王蜂と働き蜂の関係とでもいうか。
雑用、使いっぱしり、旅館の予約など、面倒なことはすべて夫のゴリに命令し、不満を持ちながらも渋々従う夫。
専業主婦が聞けばおそらく溜飲が下がるであろうキメセリフを観月ありさが放ち、あいも変わらずゴリの服従&奴隷生活が続くといった感じ。
悲壮感の漂い過ぎないコミカルなゴリのキャラクターが良いので、一応、コメディドラマとして成立してはいるけれども、実際にこんな嫁がいたら、夫の稼ぎから甘い汁吸おうとする前にお前自身も仕事に出ろよ!です。
欲しいものがあれば、働け、働け。
やりたいことがあれば、自分で手に汗しろ、です。
ま、それぞれ家庭の事情もあるだろうし、そういうオンナを良しとしてゴリは結婚したわけだから、人の家庭をとやかく言っても仕方がないのですが、そういう鬼嫁予備軍女が最近多いと思いませんか?
ファッション誌でもよく見かける、セレブと結婚する方法とか玉の輿狙いの記事。歯磨きのCMのキーワードも最近は「玉の輿」だったっけ。
これらの記事って結構、評判いいみたいですね。
ま、大半の賢明なる女性は、興味半分で見ているだけなのでしょうが、きっと中には真剣になって読んでいる人もいるのかもしれません。
セレブ婚でラクしていい暮らしができりゃぁ、それに越したことはないかもしれないけれども、そういった希望や幻想をいだくこと自体、『希望格差社会』ではありませんが、女性が保守化している兆候でしょう。
一時期のバリバリのキャリアウーマン! みたいな頑張る女性像よりも、いまは、「ねぇ、ダーリン、あれ買って~ん、これ買って~ん」なスタイルのほうがラクだということに気付いちゃったのかな。
私は森永卓郎氏のように「主婦=不良債権」とまで断じはしないけれども、鬼嫁のように過度に旦那の働きと誠意に期待&依存し過ぎるのって、どうよ?と思います。
もちろん、きちんと家事をこなしている専業主婦は別だよ。
あくまで鬼嫁や、男から甘い汁を吸おうと目論んでいる女性に対してです。
『鬼嫁日記』を見ながら、そんなことを考えていました。
とりあえず、うちの嫁は鬼じゃなくて良かった。
というか、仕事の鬼か……。
記:2005/11/11(from「趣味?ジャズと子育てです」)