オペレッタ 狸御殿/試写レポート
2018/01/09
私の鑑賞能力の低さゆえ、正直に告白すると、
「う~む、よーわからんかった」の一言。
和風サイケなテイストは嫌いではないし、チャン・ツィイーも可愛いとは思う。
なんとなく、全体的にボサーッとしているオダギリジョーも、微妙に緩くていい感じ。
和風サイケと書いたが、サイケはクスリが前提の世界とすれば、和風サイケはクスリではなく酒、それも日本酒なのだろう。
酩酊して、世界が七色にぐるぐると回りはじめたときに、現れたり現れなかったりする、脈絡ないけど豪華絢爛な楽しい世界。
御大・鈴木清順監督の酔狂な世界にどこまでシンクロ出来るか。
どこまで世界の住人になり、難しいこと考えずに楽しめるか。
ある意味、アルバート・アイラーやオーネット・コールマンが、天然に近い精神状態で奏でるサックスの音に、こちらも難しいこと抜きにどこまで楽しめるのか浸れるのかに近いものがある。
あるいは、マイルス・デイヴィスが『オン・ザ・コーナー』で描いた、インドからファンクからジャズからブルースをごった煮にした、頭がくらくらしそうな音世界の中でどこまで遊べるのか、ひたれるのかに近いものもあるかもしれない。
ただ、アイラーや、オーネットや、『オン・ザ・コーナー』は楽しめる私だが、清順の贅を尽くした幻覚世界は楽しめなかったなぁ。
もっとも、アイラー、コールマン、マイルス、清順を同列に並べるのも強引な話だが……。
観た日:2005/04/12
movie data
監督:鈴木清順
プロデューサー:小椋悟、片嶋一貴
脚本:遠谷信幸
出演: チャン・ツィイー、オダギリジョー、薬師丸ひろ子、由紀さおり、山本太郎、高橋元太郎、パパイヤ鈴木、篠井英介、市川実和子、美空ひばり(デジタル出演)、平幹二朗 ほか
記:2005/04/13