冷蔵庫は、ある日突然ゆるやかに壊れる

   

ぼんやりとした冷気

冷蔵庫、数日前から氷が固まる速度が遅くなったような気がしました。

扉を開けた瞬間、身体にやってくる冷気がぼんやりと感じるのです。

ゴムが緩くなったのかと思い、扉を閉める時は強く押すように締めたんだけど、まったく効果なし。

次の日は、前日に製氷皿に入れた水が固まっていなかったので、ああ、これは冷蔵庫いかれたな、と。

結婚してボロアパートに新居を構えてから現在に至るまで、ずーっと使っているHITACHIの冷蔵庫。かれこれ22~23年は使っているのだから、もう寿命なのかもね。

参考記事:ビンボー新婚生活

ネットで「冷蔵庫、寿命」などのワードで検索をかけてみると9年という説が多いので、それに比べれば2倍以上もったのだから、上々としましょう。

ある日突然、ゆるりと冷えなくなる

うちの実家も1年前に冷蔵庫を買い替えているし、知り合いも冷蔵庫を最近買い替えています。

冷蔵庫を買い替えた理由は、両者ともに機種をグレードアップ(バージョンアップ)させることが目的ではなく、使っている冷蔵庫がダメになったから。

冷蔵庫がダメになる瞬間というのは、両者ともに「ある日突然、ゆるりと冷えなくなることを実感した」から、なのだそうです。

我が家の冷蔵庫もまさにその通りで、「ある日突然、冷えっぷりがぼんやりしてきた」なんだよね。

「ある日突然」といえば、『ある日、突然』というアルゼンチンの映画がありましたが、なかなかスタイリッシュなロードムービーだった記憶があります。

参考記事:ある日、突然/試写レポート

しかし、同じ「ある日突然」でも、冷蔵庫の「冷気ぼんやり」は全然スタイリッシュじゃないですな。

20年以上使用している冷蔵庫なので、メーカーに修理を問い合わせても「修理するより新しいの買ったほうが早いし安いですよ」と予想通りの返事。

ま、そうでしょうな。

だから新しいの、買いました。

冷蔵庫の上に電子レンジを置いてはいけない?!

で、家電の量販店に行き、冷蔵庫コーナーで新しい冷蔵庫を物色していたら、フレンドリーな販売員がやってきて、あれこれと色々と説明をしてくれたのですが、その中で気になったのが「冷蔵庫の上に電子レンジを置いてはいけません」という言葉。

え? 置いちゃいけないの?

風水的には冷蔵庫(=冷)と、電子レンジ(=熱)なので、組み合わせ的には良いとは言えないかもしれないけれども、それって「信じるか、信じないかはあなた次第です」的な領域ですよね。

それ以外にも理由、根拠があるはず。
それは何?

「いやぁ、置いてはいけないというわけではないんですけど、自己責任で、ということで置くのはべつに構いませんよ」なんだそうです。

うちの冷蔵庫の場合は、20年以上も上に電子レンジを置いていたけど、なんともなかったぞ。
それなのに?

「それはですね~、昔の冷蔵庫は故障しにくかったんですよ、作りがシンプルで頑丈でしたから」

今の冷蔵庫はデリケートなの?

「一概にそうとは言い切れませんけど、やっぱり昔の冷蔵庫に比べると、故障しやすくなってますね~」

おいおい、正直なのはイイんだけど、故障しやすいもんを売ってるんかい?
それ以前に、そういうことを初対面の客に平然と話しちゃっていいの?

昭和生まれの人間は頑丈で、平成生まれの人間はデリケート、それが証拠に、やれうつ病だ、パワハラだですぐに会社辞めたり自殺したりするのは最近の若者ばかりではないか、なんて言葉を思い出しつつ、ヒトも冷蔵庫も最新版は弱くなっているんかいな? ……なんて思いながら、いや待てよ、「今の若ぇ者は……」なんて言ってるオジさんの多くは、パワハラ、アルハラ、セクハラ、マタハラ、麻原なんて言葉もなかったバブルの時代、あるいはそれ以前の時代に、残業時間など意に介すことなくドカドカ、モリモリ、パワフルに働いていた世代の生き残りなわけで頑丈なのが当たり前、しかし時代は変わり、過保護&過干渉な母親の下で育ち、ゆとり教育、不景気、終身雇用制が崩壊した社会の下で子どもから大人に成長した若者の多くはストレス耐性が無いということが『すぐ会社を休む部下に困っている人が読む本』に書かれていたことを思い出し、まあいいや、最近の若者と最近の冷蔵庫を結び付けて考えるのは、かなり強引過ぎるず。原点に戻れ、原点に戻れ、どーせ壊れるんだったら高いの買うと損だよな、だったら結論はシンプル、安いものにしようと脳内で0.3秒で考えた結果、思いっきり安いものを選択しました。

安いもの、頑丈そうなもの、あるかな?あるかな?
最近、視力低下が著しいけれども、こういう時だけ2.0に回復する十数年前にレーシック手術を受けた私の眼球がビビビッ!とデザインは平凡かつ無骨で「安げな」冷蔵庫を発見しました。

型落ちのモデルで、現在在庫が1点限りなのだそうです。
いいじゃない、いいじゃない。
思いっきり値下げをしてもらって半額以下にしてもらいました。

買った以上は長持ちして欲しいのは当然だけれども、「最近の冷蔵庫は昔のに比べるとデリケートですぐに故障しちゃいますから」なんて言葉を聞いちゃうと、ね。

どうしてもそうなっちゃいますわな。
それって、ケチな私だけ? いや、そんなことはあるまい。
「なになに? 最近の冷蔵庫はデリケートで壊れやすい? だったら、敢えて思いっきり高い冷蔵庫を買ってみよう」なんて気をおこす人は、今のご時世、ZOZOTOWN代表取締役社長の前澤友作氏くらいなものでしょう。

で、思いっきり買い叩いた冷蔵庫、本日中に配送してもらい、セッティングをしてもらうと同時に、古い冷蔵庫を引き取ってもらいました。

「ずいぶん古いものを使われてたんですね」と配送作業の人が驚くくらいだから、以前に使っていた日立の冷蔵庫は、かなりタフだったのでしょう。
お勤めご苦労様でした。

そして、新しく我が家にやってきた新入社員冷蔵庫の上には、ドン!と電子レンジが鎮座しています。

記:2018/10/09

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