一言、楽しみ。庵野監督のシン・ウルトラマン
帰ってきたウルトラマンのヴァージョンアップテイストを期待
庵野秀明監督が『シン・ウルトラマン』を手がけるそうで。
前々から噂はされていたけれども、やっぱり、いよいよ、ついに、って感じですな。
公開は2021年。
企画・脚本が庵野監督で、監督は樋口真嗣監督とのこと。『シン・ゴジラ』コンビですな。
ウルトラマンに変身するのが(発表ではウルトラマンに「なる男」となっていた)斎藤工で、ほか長澤まさみ、西島秀俊が出演とのこと。
斉藤工がハヤタ?
長澤まさみがアキコ隊員?
西島秀俊がムラマツキャップ?
いや、別の世界の別な物語になるのかも。
『シン・ゴジラ』も個人的にはけっこう面白かったので、『シン・ウルトラマン』も、ぜひ「あのテイスト」でやって欲しいですね。
というか、庵野監督が手がけるとしたら、「あのテイスト」つまり、「エヴァテイスト」にしかなりようがないと思うんだけど。
『シン・ゴジラ』も、要するに汎用人型決戦兵器が登場しない「シト退治」の物語でしたからね。
となると、なんとなく予想できるのが、大昔、庵野監督が若かりし日に、岡田斗司夫とともにDAICONフィルムが制作した『帰ってきたウルトラマン』のようなテイストになるのかもしれないね。
「ああいう」シリアスムード、そして細かなところがムダにかっこいい(褒め言葉です)というか。
あ、その作品、昔は1万円くらいもしたDVDを買ってみたものだけれども、今は実写映画作品集に収録されています。
いま観返すと、すでにエヴァの原型があの作品に封じ込められていると思うんだよね。
ムダにかっこいい(褒め言葉です)怪獣は、ATフィールドをつかってウルトラマンの攻撃を受け付けないし、ちゃんと父と息子の葛藤も描かれているし、マットアローが発進するまでのプロセスも凝っている。
もちろん、学生が作った映画同好会的テイストは否めないんだけれども、それでも、ところどころに才能というか非凡なセンスがほとばしる瞬間がいくつもありまして、エヴァやゴジラに飽き足らず、庵野監督の才能をディグしたい人にとっては格好の素材。
アングルも話の運びも、低予算フィルムの限界を超えています。
この作品を発表したら、脚本を書いた岡田斗司夫と庵野秀明は円谷プロに呼び出されてこっぴどく怒られたというけれども、まあたしかにあの頃の「円谷ウルトラマン」の世界とは一線を画する異質な世界観ではありましたが(なにせ「エヴァ」ですから)、しかし、いま観ると、ようやく時代というか円谷が庵野監督たちの感性に追いついてきたといえなくもないかもしれませんね。
いまではエヴァの人気ということもあるんだろうけれども、あの「アフロ庵野ウルトラマン」も円谷の公式になっちゃっているそうですから。
だから、低予算でありながらもダンボールや厚紙のハリボテの集積で「あのテイスト」まで昇華できた庵野監督ゆえ、今度は予算にしろCGにしろ、当時とは比べ物にならないほどの予算と機材とスタッフを使えるわけで、さてさてどのようなテイストのウルトラマンが出来上がるのか、一言、楽しみなのであります。
記:2019/08/01