『書道ガールズ!!-わたしたちの甲子園-』試写感想
成海璃子主演の『書道ガールズ!!~わたしたちの甲子園』の試写会に行ってきました。
個人的にツボだったのが、劇中に一貫して「書道ガールズ」たちの統一した心象風景に「町の煙突」があったこと。
クレーンや電信柱が大好きな私は、じつは煙突もすごく好きなんですよ。
横浜は元町生まれの本牧育ちの私からしてみると、本牧~根岸の日石のコンビナート地帯にそびえる煙突が、幼い私の心の中では特別な存在だったのでしょう。
その影響もあってか、私、煙突にはなにか特別な思い入れがあるのかもしれない。(昔はこんなエッセイも書いてました⇒原風景・横浜)
そして、そこから派生して、機能的なオブジェとしての電信柱、そしてクレーンも好きになっていったのだと思います。
そういえば、中学生のときは美術部に所属していたんだけど、そのときは、スケッチブックには電信柱の絵ばかり描いていたなあ。
あと、最近はぜんぜん更新していないんだけれども、「クレーン・ウォッチング」というブログもやってます。(→こちら)
だから、四国は愛媛県の小さな町の中、象徴的に屹立する紙工場の煙突が、うまい具合に劇中のいたるところに挿入されていて、それがなかなか良かったかな、と思ったのですね。煙突好きからしてみれば(笑)。
『書道ガールズ』は、主人公であり、愛媛県立三島高等学校書道部部長・早川里子を演じる成海璃子ちゃんもカッコ良いけれども、彼女の書道メイト(?)の岡崎美央を演じる山下リオちゃんもなかなか良かったです。
なんだか、デビューした頃の伊東美咲を彷彿とさせるルックス。
そうそう、デビューしたての頃の伊東美咲といえば。
これは、実際にHITACHIの方から聞いた話なんだけど、VALUE STARってパソコンあるじゃないですか、日立が出しているPCモデルに。
これのごく初期のモデルを売り出すときに使われた女優が、まだ無名時代の伊東美咲だったんですってね。
私、当時のポスターのビジュアル、なんとなく覚えていたんですけれども、「目の主」が伊東美咲だったということには全然気付きませんでした。
なぜかというと、大きな目のアップだけだったから。
本当は、彼女の顔や引きの写真もパンフレットやポスター用に撮影はされていたのだけれども、いささか当時の彼女は無名だったこともあり、パソコンと一緒に微笑む無名女優の写真を広告に使っても、分かる人が少ないんじゃ告知効果もインパクトが足りないのでは? という会社の判断で、目元をアップにした写真を広告のメインビジュアルに採用されたのだそうです(その後、知名度が上がった後は普通に引きのフォトも使われるようになった)。
初期の伊東美咲、といっても分からない人には分からないと思うので、そうだなぁ……、そうそう、三木聡監督の『ダメ人』で「タンク」の役で出ていた頃といえば、分かるかな?(笑)
この時期の伊東美咲を彷彿とさせる透明感のあるルックス、山下リオちゃんの存在が光る映画でもありました。
あと、そういえば、成美璃子のうなじの部分をアップで撮影する映画監督って多いような気が。
この映画でも、ラストのエンドロールやパンフでも彼女の真後ろのうなじをアップにしたビジュアルが使用されていましたね。
『あしたの私のつくり方』のラストシーンも、成海璃子の真後ろのアングルから撮影していたことを思い出しました。
うなじをとりたくなる女優なんでしょうかね、彼女は。
実話を元に映画化
この映画、「書道」という地味な題材を選んだあたり、『ウォーター・ボーイズ』や『スウィング・ガールズ』や『恋は五七五』や『うたたま』を連想してしまいますが、この話は実話を元に映画化されたそうで。
深刻な不況の波をかぶっている地方の町のリアルな状況も浮き彫りにされた内容でもありました。
そういえば、クライマックスで使用する筆は、なんと20キロもあるんですってね。重そう!
そういう予備知識を持った上で鑑賞すると、気合のはいった璃子ちゃんの表情が余計カッコよく見えます。
正統派ヒロインを引き立てるドジマヌケな高畑充希
と同時に、物語においては正統派ヒロインの佇まいを醸し出す成海璃子を引き立てるかのように、オッチョコチョイな役を鬱陶しいまでもこなす高畑充希も、なーんか鬱陶しいなぁと思いつつも、頑張っているところは好感。
学園モノにはこういうキレンジャー的なキャラも一人は必要なのでしょう。
『書道ガールズ』は、5月15日より全国ロードショー。
海と煙突のある風景にグサッとくる方にはオススメ!
記:2010/05/06