小テストから分かる2つのこと<前編>
小テスト 英単語 漢字
殆どの塾では、授業で漢字や英単語の小テストを行っていると思いますが、私はその小テストにひと手間掛けています。
まず、自己採点や交換採点等として生徒に採点を任せることはせず、私が入試基準で採点をします。次に、その正誤を一問毎にファイルに入力します。すると、それまでの履歴が全て残っていきます。そして、「その生徒の出来なかった問題を何度でも出す」というやり方を取っています。
生徒にとっては、次回は自分が間違えた問題or新しい問題しか出されないので、復習をサボるとすぐにバレてしまいます。また、一度正解した問題も、その時正解出来たのは短期記憶やラッキーパンチかもしれないので、適当に期間を空けて、纏めて抜き打ちで出します。これを私は「again」と呼んでいて、「again」で正解出来ればほぼしっかり覚えていると言って良いでしょう。
点数 管理
この少し面倒なやり方を始めたキッカケは、自分が大手塾で教えていた時に、「小テストの点数だけを管理しても、生徒の理解度や定着度、伸び具合は判断が出来ない」と気付いたからです(それすら管理しない講師もいるけれど)。
一人ひとりの間違えた所が違うのだから、一人ひとりに合わせて反復の指示や復習チェックをしてあげなければならない。当たり前なのですが、実際に何人もの生徒を細かく管理するというのは難しく、力量が問われます。
しかし、これこそが塾講師の使命です。
私はその大手塾時代からこのやり方を取り入れていましたが、今は個人塾なので、それこそ綿密に行っています。生徒が何度も同じ間違いをすると、その間違いを私が覚えてしまう位、です。
暗記 復習 反復
定着(暗記)には復習あるのみです。
本来、「自分が覚えたかどうかを自分で判断できる事」が大切なのですが、小学生や中学生ではそれが難しいという子もいます。
そういう子には目安として、復習の回数を示しています。
それが何回なのかというと、前述したagain(抜き打ち復習テスト)の「正解率を逆数にした数値」です。
againが100問として、そこで50問正解の子なら100÷50=2、つまり「平均2回」の復習が必要、ということです。33問なら3回、25問なら4回、……です。逆に、大体70問以上取れる子はもう自分で復習管理が出来ると見做してOK。今まで多くの子にコレを伝授してきましたが、ほぼ合っています。
復習して覚えるまでの反復回数が人によって違うのは当たり前、同じ人でも教科や事柄によって回数が違うのは当たり前です。「幾らやっても覚えられない」…と愚痴をこぼす前に、その「幾ら」が前述した必要反復回数に達しているかを見てみては如何でしょうか。
text:山近晃広
飯田橋にある学習塾『誠塾(まことじゅく)』代表。
10年以上の講師経験を元に、教育や学習に関する話をして参ります。
勉強のコツから業界の裏話まで!? 話題は硬軟織り交ぜて。
JAPAN MENSA会員。
●誠塾 http://www.ab.auone-net.jp/~makoto-j/
※当サイトの「ベース馬鹿見参!」に共感いただいた「誠塾」の塾長・山近様よりご寄稿いただきました。