「鉄コン」と「アジカン」はベストマッチング
2018/01/09
そういえば、先日試写で見た『鉄コン筋クリート』もう一回見たくなってきたぞ。
独特過ぎるテイストを放つ「宝町」のあの凝った映像はクセになります、ホント。
あとは、やっぱりラストの音楽ですね。
エンドロールに流れるアジカン(アジアン・カンフー・ジェネレーション)の《或る街の群青》も「鉄コン」の世界観にピッタリ合っている。
映画のエンドロールって、映画館を出た後に定着しはじめる映画の記憶と、そこから芽生える今後の評価を大きく決定づける重要な要素だと思うのです。
たとえば、松尾スズキ監督の『イン・ザ・プール』という映画は、エンドロールにシュガー・ベイブの《ダウンタウン》を使用しています。
私の中では、もちろん、この映画、面白く観れたのですが、「なんだかよくわからないドタバタが続いてるなぁ」なんて思いながら観ていたことも確か。
しかし、ラストに、あの《ダウンタウン》が流れた。
この曲がラストに流れたからこそ、鑑賞後の自分の中での評価がグッと上がりましたね。
この曲じゃなければ、おそらく映画を見てしばらく後、記憶が劣化しはじめたときに芽生える映画の評価は「ユルめの小ネタ的ギャグの集積映画」程度になっていたでしょう。
映画鑑賞直後の記憶を真空パックし、記憶を鮮烈に蘇らせるための手がかりの一つとして、有効なのは、やっぱり「音楽」なんですね。
その点、アジカンの《或る街の群青》は、この映画と本当にベストなマッチング。
大雑把に言えば、いつもの“アジカン調”なサウンドで、とくに、野心作や大作といったおもむきではありません。
しかし、いつもの「アジカン調」が『鉄コン筋クリート』の世界観と見事に合致しているんですよ。
アジカンというバンド自体、最初から『鉄コン筋クリート』という映画のために生まれてきたのではないか?と錯覚してしまうほどなのです。
私は、アジカンの熱烈なファンというわけではありませんが、バンドで何曲かコピーしたことがあるので、気になるバンドの一つではあるのです。
そして、時々、ハッとするフレーズや、歌詞に出会うので、なかなか侮れません。
この「時々ハッと」って、恋にも音楽にも、とても重要な要素なことなのだと思います。
『鉄コン筋クリート』の映画は、クリスマスイブの前日23日から。
ファンならずとも、映像にうるさい人は観に行こう!
記:2006/12/18