鉄コン筋クリート/試写レポート
2018/01/09
先日、『鉄コン筋クリート』の試写を観ました。
10年以上前に、『ビッグコミック・スピリッツ』に連載されていた松本大洋のコミックですが(『ピンポン』の1つ前の作品ですね)、当時はむさぼるように読んでいたものです。
今回のアニメ化にあたって、監督は外国人監督だという話は聞いていましたが、大丈夫かいな? という一抹の不安はありました。
なにせ、松本作品は独特なテイストがありますからね。
しかし、それは杞憂でした。
一言、素晴らしい!
これは、是非、息子を連れて観に行かねば、な出来でした。
なにがいいって?
まずは、蒼井優!
やっぱ、彼女天才だわ。
シロの声を蒼井優が担当しているのですが、いやはや、シロ以上にシロな存在感を出しまくっていました。
正直、コミックを読んでいたときは、私はクロ派で、シロの存在がちょっと鬱陶しく感じているぐらいでしたが、この映画を見てからというもの、断然シロ派になってしまった(笑)。
それぐらい、声が生きている、表情、ニュアンスに富んだ声表現。蒼井優は声優だけでも立派にやっていけます。
少なくとも、ジブリ作品のように、大物を声優に起用するはいいんだけれども、妙に絵と声のチグハグ感が出ている場合もあり、逆にそれがいい味を生んでいるといったややこしい味わいはなく、ストレートに声と動画が一致している爽快感を感じられました。
彼女のシロの声を聞くだけでも、映画館に足を運ぶ価値アリ。
それと、映像が綺麗ですね。
とくに、高度経済成長期の東京の町並みに、東南アジアのテイストを盛り込んだ独特な世界像をもつ「宝町」。この奇妙にノスタルジックで、いい感じにくたびれた町並みの描写が、非常にリアル。松本大洋独特の世界観をうまく拡大バージョンアップして描きだしていました。
いやはや映像の美しさを味わうだけでも、映画館に足を運ぶ価値あり。
ストーリーは、ほぼコミックに忠実な内容。
あという間の2時間弱でしたね。
松本大洋好きは、これは観ておいたほうが良い。です。
間違いなく、高野雲ちゃん、本年度オススメアニメ映画のナンバーワンです。
今月23日より公開されます。
ラストのアジアン・カンフー・ジェネレーションの挿入歌も世界観にピッタシ!
みんなで観に行こう!
記:2006/12/06(from「趣味?ジャズと子育てです」)