コルグのトライデントを入手!
ヤフオクで落札
Yahoo!オークションで、子供の頃に憧れていたヴィンテージシンセを格安で落札しました。
コルグのトライデントというアナログシンセサイザーで、発売当初は56万円という価格のシロモノ。
これが発売された当時の私は小学校高学年から中学生ぐらいだったかな?
とにかく、YMOが好きで、坂本龍一が好きで、坂本龍一やJAPANというバンドが駆使していたプロフェット5というシンセサイザーが気になって気になって。
プロフェット5は、当時160万ぐらいの値段でした。
我々子供からしてみれば、欲しいけれども手が届かない、超高級なシンセサイザーだったのです。
欲しいけど、とてもとても手が出ないなぁとため息をついているところに登場したのが、日本のメーカーKORG(コルグ)が発売した和製プロフェットとでもいうべきシンセサイザーがトライデントなのです。
プロフェットより安いとはいえ、それでも50万以上はする。
お年玉を貯めていても当時の子供に手が出る額ではありません。
だから、仕方なく(?)、さらに価格の安いけれどもツマミが多いKORGのモノポリーやポリシックスで坂本龍一になりたい願望を私は満たしていたのです(笑)。
昔、エレキギターを買ってもらえない少年が、フォークギターでギターを弾きたい願望を満たしていたのに近いのかもしれない。
しかし、驚いたね、当時の私にとって高値、いや高嶺の花だったシンセサイザーが、なんと5万円弱で落札しちゃうんだから。
当時の定価の10分の1以下の値段ですよ。
いまだに信じられません。
どうせ落札しねーだろうなぁ、落札したところで家には置き場所ないや、なんて投げやりな態度で、4万8500円までを入札したまま、あとは放たらかしにして、昨日渋谷のタワーで買ったローランド・カークのミラノでのライブの映像に見いっていたのです。
で、オークションのことを思い出して慌ててパソコンを立ち上げたら、なんと落札していたという。
この商品のオークションをウォッチしていた方の話によると、もう一人のライバルが猛追をかけていたらしいのですが、そんなこと知らずに、私はカークの映像に夢中になって「すげぇ、カッコいい」を連発してました(笑)。
そして、数日後にブツが到着。
このシンセ、かなりデカいです。
置き場所を考えないと。
モノが届いたら、しばらくは色々な音を作って遊びまくりそうです。ノコギリ派で作ったブラス系の音にディストーションとエコーをギンギンにかけて、YMOのウインターライブの坂本龍一の真似をして遊ぼう。ピッチベンダーをギュイギュイと効かせてね(笑)。
とにかく、私がいまだにギターという楽器にちょっとだけ抵抗があるのは、もしかしたら坂本龍一のキーボードのパフォーマンスが強烈に脳に焼き付いているからかもしれない。
彼は、キーボードはカッコいい楽器だという新しい価値を強烈に私に焼き付けてくれましたからね。
多感な少年時代の私に、革ジャンやリーゼント、バイクでブルブン! な世界とは対極な、“頭良さげな格好良さ”という価値観を教えてくれたのが、YMOでキーボードを弾いていた坂本龍一だったのです。
このカッコ良さに目覚めてしまうと、ギターふりまわしてイエイな姿が、とても田舎臭く感じてしまう。
もちろん、今ではそんなことは思いませんが、80年代になったばかりの日本の音楽といえば、テレビをつければ、たのきんトリオや横浜銀蝿、それに松田聖子? そんなんばっかが電波を跋扈していた時代だったんですよ。
ちょっとはまだマシかな?と感じられた音楽は、ゴダイゴぐらいなもの。
ダッセぇなぁ、カッコ悪いなぁ、イモだなぁ、とまでは思わなかったかもしれないけれども、「なんか違うなぁ、つまらないなぁ、どうしてクラスの友達はみんなああいう音楽に浮かれているんだろう?」と、素朴な疑問を子供心に感じている中、キーボード中心でクールな演奏姿とサウンドのYMO(当時はまだイエロー・マジック・オーケストラ)を知っちゃったから、ものすごく輝いて見えちゃったわけよ。
そんな時代に芽生えた、YMO好き、坂本龍一カッコイイ、坂本龍一が弾いているシンセが欲しい、高くて無理ならそれに近いシンセが欲しい、そのシンセでYMOごっこをして遊びたい! な欲求が、今頃になって再発し、欲しかったシンセが期せずして手に入るのだから、嬉しいんだか、なんなんだかよく分からないです(笑)。
ああ、また部屋に楽器が増えてしまった。
そろそろ楽器屋さん開こうかな(笑)。
そういえば、昨日の夜は、息子が鍵盤にチョップしたり、ツマミを回したり、ピッチベンダーを上下させながら、ながら「ぎゃはは」を嬉しそうに仰け反ってました。こいつも、かなりヤバいかも(笑)。
記:2006/08/03