HGガンダムヴィダール制作レポート
2021/02/08
『鉄血のオルフェンズ』の中ではもっともカッコいいMS
『機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ』の中では、主役機のバルバトスを除けばもっともカッコいいモビルスーツ(以下MS)なのではないかと個人的に思っているのが、ガンダムヴィダール。
MSにレイピアを持たせるというアイデアも秀逸ながら、猫ちゃんのアメリカンショートヘアのようなハンサムな顔立ちと、それと良い案配のバランスのボディもなかなかなのです。
「ヴィダール」ってどんな意味なのか調べてみたところ、北欧神話にてフェンリルを討ち倒し、ラグナロクを生き延びた「ヴィーザル」という神の別名なんだそうです。
なるほど、だから強そうなだけではなく、ストイックな気品のようなものも醸しでているのか。
なので、1/144のキットがバンダイから発売されたときは、すぐに購入し、比較的早めに制作を開始していたのです。
しかし、作っていくにつれて、だんだんと制作ペースが落ちてきました。
なぜか?
部品ポロポロなんですよ。
なので、組立ててからはしばらくの間放置していて、その間、他のガンプラがどんどん完成ていくって感じでしたね。
このまま放置していても仕方ないよな~と思い、先日、ようやく重い腰を上げて最後まで仕上げたのです。
部品ポロポロ
先に、このキットの悪いところを書いちゃいます。
とにかく保持力のないパーツが多く、組み立てている過程で、パーツがポロポロと取れてしまう。
背中のスタビライザーをはめ込むと、腰のレイピアの剣を収納するホルダーがポロリ。
腰のホルダーに装着するビームライフルもポロリ。
これらを取り付けたかと思えば、手に握っているレイピアがポロリと、なかなか全てのパーツが完備された状態にはならないのです。
ま、接着剤でくっつけてしまえばそれで済むのですが、素組み&接着なしで作る派の人は、完成後のポージングには苦労するのではないでしょうか?
結局、左右両方の腰に装着するレイピアの剣ホルダーを片方だけにして瞬間接着剤でくっつけてしまいましたし、背中のスラスターも片方は破損したってことにして、これも片方のパーツのみを瞬間接着剤で固定してしまいました。
このシンメトリーにならないアンバランスな感じが、かえってカッコ良さを醸し出しているような気もしたので。
アンバランスなガンダムといえば、『ガンダムビルドファイターズ』のガンダムフェニーチェの背中もそうでしたね。
私、フェニーチェも結構好きなんですよ。
胴体が薄い
それと、もう一つ欠点を書くと、胸部に厚みがないんですね。
けっこう薄っぺら。
模型店の店頭に飾ってあった1/100スケールのほうは、ガッシリと厚みとボリュームのある胸部なのですが、1/144スケールだと、胸のボリュームがいまひとつ足りない感じが。
しかし、薄っぺらでありながらも、それは真上から見下ろしたときに若干感じる程度の不満なので、気にならない人にとっては、どうでもいいレベルの問題なのかもしれません。
プラバンをかませて改造しようかなと一瞬思ったのですが、我が敬愛するモデラー・松本州平氏の「改造しちゃアカン!」という言葉を思い出し、改造は踏みとどまりました。
……嘘です、面倒なので端折っただけです。
それに、ものは考えようで、逆にこの薄い胸が機体のシャープさを強調していると考えれば、それはそれでカッコ良く見えてくるものです。
ラッカー筆塗り、いつもの厚塗り
さて、塗装なんですが、今回もいつものようにラッカー系塗料の筆塗りです。
下塗りをするときだけ、マホガニーのサーフェイサーを噴きましたが、それ以外の作業は、すべて筆で、薄めたラッカー系の塗料(クレオス)を何度も筆で塗り重ねてゆく作業を重ねています。
スカイブルーとミッドナイトブルーを基調とし、あとは、様々な色を塗り重ねて、じんわりと下に塗った塗料がシンナーで解けて泣いて滲み出るような効果を狙っています。
ま、思ったほど塗料は泣いてくれませんでしたが。
紫、オレンジ、赤茶系、緑系のカラーなど、直接、本体の基本色とは関係のなさそうな色も下地に塗ったり、上から塗ったりして、色調に変化をつけると同時に、塗膜の厚さを稼いでいます。
で、最後はつや消し白でドライブラシをして出来上がりです。
ネコちゃんを思い出す
作っているときは、部品ポロポロだし、他の1/144のMSと並べると小ぶりなボディが貧弱そうに見えたりもしましたが、いざ完成したものを撮影してみると、なかなか強そうに見えます。
後姿です。
使い込まれて草臥(くたび)れた感じが出ているでしょうか?
撮影しながら思ったのですが、ヴィダールのチャームポイントは、やっぱり紫メタリックの目ですね。
やっぱり、大人になったアメリカンショートヘアが不機嫌になったり眠くなったりしたときの目に似ている。
そういった意味では、ネコちゃん好きにもお勧めのガンプラかもしれません。
記:2014/05/02