ザブングルのウォーカーマシン
2018/01/09
『戦闘メカ ザブングル』に登場するウォーカーマシンを一言で言ってしまうと、手足のついた土木作業機械だと思う。
ヒーローチックなロボットとは対極な、汗と埃にまみれた、それこそ人間にとっての“道具”以上でも以下でもないルックス、そして役どころ。
もちろん戦闘も出来るが、ウォーカーマシンに求められる主な用途は、運搬、作業、採掘だ。
戦闘に特化したタイプのものもあるにはあるが、基本的には“足つき土木作業機”と解釈しても良いだろう。
燃料もガソリンだし。
ブルドーザーやクレーン、それにパワーショベルに足や手がついて、機関銃などで武装すればウォーカーマシンの一丁上がり。
ロボット・アニメが持つ巨大ロボット特有のヒロイックな要素を徹底的に廃した無骨さと色気の無さは、ザブングルの劇中の世界観に見事に溶け込んでいる。
汗臭く、生活感たっぷりのマシンたちなのだ。
唯一、ウォーカーマシンの雰囲気にそぐわないウォーカーマシンがある。
何を隠そう、主役のザブングルだ。
青いボディに、合体変形。
スマートな人型のボディ。
どう考えてもウォーカーマシンの中では異質なルックスのマシンで、一番この物語の舞台、埃にまみれた荒野の惑星ゾラと呼ばれる星、地球の舞台には似合わない。
従来のウォーカー・マシンのコンセプトを一新する、最新鋭なマシンというイメージを出そうとしたのかもしれないが……。
後半、ザブングルから主役を奪った新しい主役マシン、ウォーカー・ギャリアのほうが、ウォーカーマシンのテイストを受け継いだフォルムだと思う。
そして、主人公のジロン・アモスには、断然ザブングルよりもウォーカー・ギャリアーの方が似合う。
記:2001/12/14