闇に降る雨/椎名林檎
2016/06/05
椎名林檎の『勝訴ストリップ』の中では、《浴室》や《サカナ》と同様にお気に入りなナンバーが《闇に降る雨》だ。
この曲、個人的には「和」な印象を受けたが、プロモーション映像を観ると、こちらの持っていたイメージに反して「洋」な映像だった。
「和」な演出だと、嵌り過ぎで、あまりにもベタになってしまうからだろうか?
私が好きなのは、サビの前のBメロのメロディだ。
♪ 辿り着けない 此処に欲しい腕や髪や首筋
の箇所。
メロディが印象的なことに加えて、だんだんと、昂まってゆく感じが良いと思う。
亀田誠治が弾くシンプルなベースラインも良い。
ルートや三度の音をオクターブさせて弾いている箇所がBメロとサビにあるが、良いメリハリとなって効果的だと思う。
2番が終わった後の間奏の箇所、ベースのシンプルなリフが良い。
それほど難しくないベースラインだが、弾いているときの気持ちは、いつも充実している。
この曲は、昨年の年末に、始めて人前で弾いた。
フォーマットは、ヴォーカルとベースとのデュオ。
その時は、プレシジョン・ベースにビッグマフを繋いで、かなり歪ませた音色で弾いてみたが、音色的にはイマイチだったので、翌月、つまり年が明けた1月に、同編成で行ったライブのときは、フレットレスに何も繋がずに弾いた。
この時の模様の映像が手許に残っているが、プレイバックをしてみると、中々良い出来だったと思う。
特にAメロなどは「間」の多いベースラインなので、ヴォーカルとベースだけの演奏だと、その「間」を埋めるサウンドはまったく無いのだが、その「一瞬の静寂」がすごく効果を上げているど思う。「間」を恐れず、堂々と演奏すれば、かなりドラマティックな効果が出せるということが分かった。
また、今年の春に秋葉原で行われた「椎名林檎・関東バンドオフ会」に参加した時も弾いた。
全員が初顔合わせの人たちだったが、ギターのミストーンを除けば特に不満のない出来だった。
このときは、ゆったり目のテンポ設定だったが、かえって歌の世界の情念が深まった気がして結果的には良かったと思う。
この曲、現在、ウッドベースでも出来るように練習中だ。
ウッドベースとデュオで歌ってくれるヴォーカルの方、どなたかいらっしゃいませんか?
記:2001/12/16(from「ベース馬鹿見参!」)