曇り正月は、幼い頃の横浜を思い出す。とはいえ、昔の横浜はすでに私の中にしか存在しないのだが……。
2016/01/10
正月といえば「晴れ!」な日が多いような気がするんだけど(少なくとも私の経験則からは)、東京は、昨日も今日も「曇り!」なのであります。
しかし、曇った白い天気の正月も悪くないなぁとも思ってます。
私が小さい頃の正月の記憶って、曇り空ばかりなんですよね。
小さい頃は横浜で育ったんだけど、横浜といっても青葉区とか港北区といった、“港なイメージ”が皆無な、何でこんなところもヨコハマなわけ?な“行政的にそういう土地の名前で分類されているヨコハマで”はなく、私が生まれ育った横浜は、本牧のど真ん中だったため、大晦日から新年へとつなぐ、汽笛の音、曇り空、あるいは、日石の煙突が煙をはかないゆえに晴れ渡って富士山の見える青空、三渓園に訪れる観光客(外人客)が、もう私にとって一つの正月なイメージだったのですね。
この白くて、寒くてこじんまりとした正月が、なんだか、幼い頃の正月を思い出しましたですよ。
ああ、横浜行きたくなった。
今の、横浜はあんまり好きじゃないけれども、土地の匂いまでは変わっていません。
だから、ついつい細胞が反応してしまうんですよ。
こと“横濱”に関しては、過去の記憶に甘え、縋るという、みっともないエゴ全開になる私。今の横浜には、記憶のなかの横濱は存在しない。しかし、それでも“嫌い”だけども“まだ好き”という屈折した思いを抱かせる生まれ故郷でもあるのだ。
と思っています。
記:2006/01/02