ももいろスナイパーZ/ザクI・スナイパータイプ

   

sniper

ピンクがいない

私の中では、作ったプラモの中で「完成品」とみなしているものってほとんどないんですよ。

ほとんどが「現在製作中」。

「このへんでいいかな」と思ったら、しばらく飾って、眺めて、他のプラモを塗っている最中に、余った塗料をチョコチョコっと乗せてみたりして(横山宏センセの「6年塗り」ってやつですな)、そうこう繰り返しているうちに、気持ちにひと段落がついたら、プラモをしまう箱の中にストックするようにしています。

ほんと、この本の影響、かな~り受けていますね。

先日、昔作ったプラモを塗り直したくなって、プラモをストックしている箱を開けてみたら、意外と自分はザクをたくさん作っていることに気が付いた(笑)。

そして、それらのザクの色を見て気が付いた。

「並べたら戦隊モノになるやん」。

赤、青、緑、黄色が揃っている。

しかも、黄色はデブっちい(笑)。

しかし、唯一足りないカラーがあった

ピンクでした。

ピンクのザクを作ろう!

さすがに、ピンクでザクを塗るには度胸がいります。

というか、そもそもピンクで塗ってみようという発想がなかった。

でも、ピンクのザクを揃えれば、「機動戦隊ザクレンジャー」が出来るわけで、「よし!ピンクのザクを作ろう!」と思い立ったわけです。

映画『女子ーズ』なんかを見ると、「ピンク」がいなかったりもするので、べつにピンクがいなくても、戦隊モノは成立するとも思うのですが、劇中では電車の中で男から「ねぇ、ピンクは? ねぇ、ピンクはいないの?」と突っ込まれているシーンがあったので、やっぱりピンクは必要かな、と思い立ったわけです。

問題は、ものすごい数のバリエーションが発売されている1/144のザクの中から、何のザクを作って「ピンク」に塗るかです。

▼ザクのバリエーションの多さ、ご覧ください
ザク 1/144

戦隊ヒーローの「ピンク」は女性が多いので(というか、女性ばかりなので)、やはり、細身のルックスのものが良いと思いました。

最初に思い浮かんだのが「ヅダ」でした。

細いし、MSイグルーでは、女性パイロットもヅダを操縦していましたからね。

しかし、ヅダはザクを作ったジオニック社の競合会社・ツィマッド社のモビルスーツなので、ザクとは競合してしまいます。
だからNG!

次に思い浮かんだのが「ザク・マリーナー」でした。
水中用のザクですね。

これは、わりとルックス的にもコンパクトにまとまっているし、大昔に、HGUCバージョンではない、普通の1/144を作ったことがあるのですが、なんというか地味で小ぶりな感じがしたので、これは「アリ」なんじゃないかと思ったわけです。

というわけで、プラモ屋へ。

ももいろスナイパー

ガンプラコーナーを物色したのですが、残念ながらザクマリナーの在庫がありませんでした。

じゃあ、他には何のザクがあるかな?と思ったら、ザクスナイパーが数箱積んであった。

ザクスナイパーといえば『ガンダムUC』で結構活躍していた機体です。
改造前のベースになるMSが旧ザクというのも渋いですね。

ザクスナイパーのHGUCは、現在2種類出ているんですけど、プラモ屋にあったザク・スナイパーは「ハーモニー・オブ・ガンダム」のバージョンでした。

カラーリングがダークイエローっぽい色なのが気に入りました。

ダークイエローは、砂漠で使用する戦車などの車両に塗る色です。

砂漠といえば、私が真っ先に思い浮かぶのが「砂漠の狐」。
つまり、ロンメル将軍。
北アフリカ戦線で大活躍し、ナポレオンの再来とまで言われたドイツの軍人です。

そして、次に思い浮かぶものといったら、イギリスのS.A.S.です。

昔、値段が安いわりには、パーツの数が滅茶苦茶多くて作り甲斐があった、タミヤの「S.A.S.ジープ」を思い出しました。

さらに、S.A.S.といえば、ピンクパンサー。

ピンクで塗られたランドローバーです。

砂漠においては、ピンク色も迷彩効果があるのでしょう。

となると?

デザートイエローが似合うということは、ピンクも似合うに違いない!

ということで、私はザクスナイパーをピンク色にすることに決定!

それに、何で砂漠なのかというと、ほら、「ザク“砂”イパー」じゃないですか?
……ってつまらないダジャレも当てはまるし。

しかも、ピンクといえば、桃色ですよね?
ゴレンジャーもピンク色の隊員は「モモレンジャー」でしたから。

桃色?

ももいろクローバーZ?

ということは、ももいろスナイパーZ(笑)。

語呂もなんとなくいいし。

よし、俺はザクスナイパーを「ももいろスナイパーZ」にするんどぁ~!と心の中で雄たけびをあげてプラモをレジに持っていきました。

マホガニー

とはいえ、「まっピンク」で塗るのも、なんだか兵器っぽくありません。

「砂漠の狩人」という設定にして、ダークイエロー、もしくはデザートイエローと、ピンクの中間色っぽい色にしようと考えました。

だいたい私は、プラモを塗る際は、いきなり基本色を塗ることはなく、マホガニーやジャーマングレーなどの色をプラスチック上に万遍なく下塗りしてから、イメージしていた色を重ねていくのですが、今回も例に漏れず。

プラスティックの地肌がすべて隠れるよう、作りながらマホガニーを塗り、少しずつ組み立ていきました。

こんな感じですね。

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いきなり、すべてを組み立ててしまってから、下塗りとしてのマホガニーを一気に塗るという荒業もやらないわけではないのですが、でも、それをすると、どうしても筆が届かない箇所が出てくるのです。

ポージングをしていると、思わぬスキマからプラの地肌が見えてしまったりと、あまり良いことがないので、最近は、ある程度のカタチが組みあがると、マホガニーを塗る。

で、乾かしている間に、別のパーツを組み立てる。

別のパーツが組みあがったら、マホガニーを塗り、塗料皿に残ったマホガニーは、先ほどマホガニーを塗ったパーツに2度塗りをする。

そんな過程を繰り返しながら、ガンプラを組み立てていることが最近は多いですね。

個人的には、プラモは組み立てる行為よりも塗る行為のほうが好きなので、組み立ての制作プロセスの合間に塗装を何度も挟むことが出来るので、とても楽しいガンプラライフなのです。

面倒なときはマホガニーのスプレーで一気に仕上げることもありますが、ゆっくりと時間をかけて作っているときは、やっぱり、平筆を使って、シャバシャバに薄めたマホガニーをササッと素早く塗ることが好きですね。

平筆は、3号か4号を使うことが多いです。

ピンク

全体をマホガニーで塗った後は、薄めたダークイエローを筆で塗り重ねていきました。

うん、いいぞいいぞ、砂漠使用の機体に見えてきた。

乾いたら、今度は、ピンクとデザートイエローを混ぜた色を上に重ねていきました。

しかし、どうも、ピンクの色の成分が黄色っぽさを和らげるだけで、あまり、ピンクっぽいニュアンスが出せません。
赤味が足りないのです。

それなら仕方がないってことで、今度はダークイエローに赤を混ぜて、要所要所を上から塗り重ねていきます。

するとどうでしょう? 今度は、おいしそうなピンク色になってしまいました。

ドライブラシ

ようやくピンクとしての色味が出てきたことは良いのだけれども、あまりピンク過ぎてしまうと、今度は、ぬいぐるみっぽくなってしまい、あまりメカというか兵器という感じがしません。

うーむ、もう少し「デザート感」が欲しいぞ。

でも、また全体を塗り塗りするのも面倒なので、要所要所にドライブラシをかけました。

デザートイエローやダークイエローのような砂漠色に「つや消し」ホワイトを混ぜた色を筆につけます。

筆についた塗料をふき取り、ほとんど筆の毛に塗料が乗っていない状態で、軽くササッとピンクが強い箇所をこすっていくのです。

すると、少しずつホワイトを足し、その都度、筆から塗料をふき取り、本体をササッとドライブラシ。

たまには、ピンクを混ぜてみたり、ごくごく微量に赤を混ぜたりして、またまたササッとドライブラシ。

このような作業を十数回繰り返して、あとは半日から1日ほど放置します。

忘れた頃にザクスナイパーの色味を見てみると、淡くピンクな感じだけれども、なんとなく砂漠で使っている兵器に見えないこともないという、私が意図していた色味に近い状態になってくれていました。

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ちょっと白っぽい気もしましたが、まあ取り合えず、ピンクのザクにはなったかな、と。

大昔のガンプラのザクでは「膝立ち」が出来なかったものですが、最近のザクは当たり前のように「膝立ち」が出来ます。

そして、このザクスナイパーは、膝立ちをさせる際は、右足のヒザについているジャッキを立てるのですが、これがまた、いい感じなのですよ。

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これは、ヒザ立ちをして銃を構えた際にブレないための固定装置という、このアナログ的な発想がなんとも、メカ心をくすぐるものがあります。

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なかなか、ユニークな機体だなと思いました。

そして、記念撮影、ザクレンジャー!

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最短制作記録

おそらく、このザクスナイパーは、これまで作ったガンプラの中では、もっとも短期間で作ったプラモだと思います。

まずは、そもそものプラモが非常に良く出来ていますし。
作りやすい。
しかも、作っていて楽しい!

だから、どんどんカタチになっていく。

まだ「完成」とは言いがたいのですが、まあ、これ以上手を加えなくてもいいかな?というレベルに達するまで、たったの1週間!

私にしては、とても短い制作期間なのです。

時間の隙間を見つけてチョコチョコッと作ってますし、塗った塗料もわりとゆっくりと乾かすほうなので。

それを7日間で仕上げたということは、それだけ、早く5体のザクを並べて記念写真を撮りたかったんでしょうね。

同じザクたちといえど、タイプが違うとカタチが全然違うので、統一感、全然ありませんね……(苦笑)。

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口がタコで、モノアイがあって、パイプがあって(ないものもあるけど)、ヒートロッドがなければ(グフになっちゃうから)なんとなくザクッ!っていう世界なんでしょうね。

記:2016/05/15

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