ジャズのジャムセッション的塗装法/ザクII F2型

   

頭の小さいザクも悪くない

私が大好きなガンプラの一つ。
それは、HGUC(ハイ・グレード・ユニバーサル・センチュリー)のザクIIのFII型です。

なにが良いのかって、まずはプロポーションですね。
とにかく頭が小さめ。
全体的なプロポーションも洗練されていて、とてもカッコいい。

もっとも、「いかにもカトキハジメ臭さが漂いすぎて、俺はもっと無骨でズングリなザクが好きだもんね~!」というザクファンも少なくないようで。

しかし、私の場合は、デカ頭のザクよりは、こちらの小さめ頭のザクのほうが強そうに見えるので気に入ってます。

良いことづくめ

頭にくわえて、脚も美しいですね。
特に脚の腿から膝にかけての緩やかな曲線が美しいのなんのって。

zaku

とにかく作りやすいし、パーツ分割も工夫されているので、合わせ目の処理なども必要最小限で済みます。

さらに、可動範囲が広いので、色々なポーズを楽しむことができるのも嬉しいですね。

ジオンバージョンと連邦バージョン

ジオン軍のバージョンと連邦軍のバージョンが発売されているのですが、基本的には、成型色が違うだけです。
だから、塗装することを前提とするなら、どちらを買っても良いと思いますよ。

で、塗装をしないのであれば、プラスチックの色、つまり、ジオン仕様ならば緑系、連邦軍仕様なら白の成型色を選べば良いと思います。

いちおう、私は両方作ったんですけど、最初は「普通のザク風」に作りました。いわゆる量産型のザクの緑っぽい感じのオーソドックスなカラーですね。

それが上の写真のザクなんですけど、最初はグレーで塗って、少しずつ緑系の色を足して塗り重ねていきました。

上の写真のフクラハギの部分を見て欲しいんですが、まだグレーで塗装したときの名残りが残っているでしょ?

行き当たりな塗装

筆塗り派の「フデヌリン」な私としては、筆塗りの良さは筆ムラだと思っているので、エアブラシに対抗して最初から均一に塗ろうなんて思ってないのですよ。だって均一に塗りたければ、最初からエアブラシを使えば良いわけですから。

あえてランダムに。そして、ムラが出来ても気にせずに塗ります。
そして腹八分目のところで塗るのを止めて、乾かす。

乾いてくると、色味が下地に塗った塗料と溶け合い、独特の色合いが生まれてくる。そして、また日を改めて、チョコチョコッと別な色で塗り重ねていく。

これを繰り返しているうちに「なんとなく」イメージしていたカラーに近づいていくという、なんともイイカゲンかつ行き当たりバッタリな塗装法なのですが、思いもよらぬ面白い色合いが出てくることもあるので、私はこれを「ジャズのジャムセッション的塗装法」と呼んでいます。

ほら、ジャズのジャムセッションって、ブルースだったりスタンダードだったりと、とりあえず曲目とキーを決めたら、あとは「せーの!」で演奏を始めるじゃないですか。

おそらく、キーやテンポを決めた時点で、演奏する楽器奏者の頭の中には、だいたいどのような演奏内容になるのかという青写真は出来ていると思います。

しかし、実際演奏が進んでくると、予期せぬハプニングに遭遇したり、予想外に面白い演奏内容に発展していくこともある。

ハプニングの楽しみですね。

これは筆塗りにも言えることで、塗装を始める時点から、だいたい「こんな色で仕上げよう」という漠然とした青写真は出来ているんですよ。

ところが、あの色も足そう、この色も混ぜてみよう等と、その場の気分で色を塗っていくうちに、予想以上に面白い効果が出てくることもあるんですね。

そうしたら、べつに、赤で塗るつもりだったものがピンクになっちゃってもイイんじゃないの?というのが私の考えです。
頭の中のイメージの赤よりも、実際に目の前にあるピンクの色のほうがカッコ良ければ、それはそれでイイじゃないの?って。

そこのところは、あんまりカッチリと決めすぎてしまうと、かえってツマラナイ作品が出来上がっちゃうと思うんですよ。

その良い例が、もう一つのザクです。

zaku

白のつもりが水色に

この写真のザクは、最初は白で塗っていたんですよ。

シン・マツナガ大尉の「白ザク」をイメージして塗り始めたんですね。

ところが、白を塗っているうちに、高校時代の古文の先生が仰っていた言葉を思い出したんです。

飛行機プラモマニアのその先生が授業中に、「白の塗装は、プラカラーの白だけだと、10年ぐらい経つと、ヒビ割れを起こしていることがある。だから、私はヒビ割れ防止のために、ほんの少し青か黄色を混ぜるようにしている。そうすると大丈夫なんだよね」と仰っていたのです。

古文の授業で、なんで飛行機プラモの塗装の話をするなんて、中々ユニークな先生ですが(笑)、この言葉を思い出した私は、つや消しホワイトに青を混ぜて塗りなおしたんですね。

ところが、青の量が多かったのか、どう見ても水色っぽい色になっちゃった。
でも、水色は水色でカッコいいじゃないの(笑)。

まるで『第08小隊』のグフカスタムみたいじゃん!と思ったとたん、そうだ!グフカスタムカラーにしよっと!と、方針を転換させたわけです。

で、グフ・カスタム色のザクの出来上がり~!ってことで。

そして、個人的にはこのカラーリング結構気に入ってます。

「何がなんでも白!」とガチガチに決めなかったからこその、「ジャズのジャムセッション塗装法」というか、「ジャズのジャムセッション思考法」が功を奏したといえましょう。

このように、行き当たりばったりで進めていると、ジャズの演奏の場合も、プラモの塗装の場合も、当事者である自分自身もビックリ!ということに時々出会うので、やめられないのであります。

記:2016/04/22

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